GIANTのTCR SLRとかキャノンデールのCAAD12などの【軽量アルミ】は耐久性が低いのか?【質問いただきました】

軽量アルミフレームの耐久性について質問を頂きましたので回答いたします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
GIANTのTCR SLR2かキャノンデールのCAAD12の購入を考えています。
ネットで見ると「軽量アルミは耐久性が低い」という書き込みを見かけるのですが、どれくらい持つのでしょうか?
教えてください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



回答いたします。

軽量アルミフレーム

近年、軽量アルミフレームと謳っているバイクが増えてきています。
有名どころでいうと、ジャイアントのTCR SLR、キャノンデールのCAAD12、トレックのエモンダALなどでしょうか。
ビアンキのフェニーチェはスカンジウムフレームですが、スカンジウムフレームというのはアルミにスカンジウムを少し混ぜているだけの話であり、これも軽量アルミの一種と言えます。


ビアンキ 2018年モデル FENICE PRO 105(フェニーチェプロ105)【ロードバイク/ROAD】【Bianchi】

さてジャイアントのTCR SLRについては、フレーム重量が960g(Mサイズ、未塗装)となっていて、なんと1キロアンダーを達成しています。
ただし未塗装の重量です。

キャノンデールのCAAD12のフレームが1098gという話ですが、こちらは塗装後か塗装前かがわかりませんでした。
この辺は比べるフレームのサイズでも変わってしまうので、他社のフレーム同士を比較するときは要注意なのですが、Mサイズで960gというのはかなり軽いです。
ミドルグレードのカーボンフレームくらいの重量になります。

この手の軽量アルミフレームについて回る噂として、【耐久性が低い】という話がありますが、いったいどうなのでしょうか?

アルミの特性

アルミフレームと言いますが、これはアルミニウム100%ではありません。
厳密に言うならば、【アルミ合金フレーム】というほうが正しい表現です。

アルミフレームは、アルミニウムにほかの金属を混ぜることで、金属としての強度や剛性を出しています。
缶ジュースのアルミ缶ってペコペコ凹みますよね。
踏めば一瞬でグシャっといきますよね。

アルミ合金は、何の金属を混ぜるかによって合金としての特性が変わるのですが、6000番台のアルミとか7000番台のアルミなど、アルミ合金には品番が付いています。

軽量アルミフレームというのは、従来のアルミフレームからさらに薄く作ったというわけでもありません。
アルミ合金の品番を変えて、より硬いアルミ合金を使ったりなどしています。

柔らかいアルミ合金と硬いアルミ合金で同じ強度を出そうとした場合、柔らかいアルミ合金は肉厚にしないと強度を保てません。
逆に硬いアルミ合金であれば、薄くしても強度は保てます。

なので軽量アルミフレームというのは、より硬くて強いアルミ合金を使っているために、薄くしても強度に問題が出ないという考え方です。

軽量アルミフレームは耐久性がないのか?

CAAD12のフレームを押すと、場所によってはペコペコ凹むような感触があります。
なので強度について心配している人もいます。

これについてですが、一般的なロードバイクとしての使い方をする限り、軽量アルミフレームだから耐久性が低いということはありません。
例えば軽量アルミフレームの先駆け的存在のCAAD10なんてもう何年も前に販売開始されていますが、私の記憶だと確か2011年モデルとして登場したのが最初だった気がします。
(ちょっと記憶があいまいですが)

現在、2018年モデルが続々と登場してきているので、2011年モデルというと7年前のモデルです。
耐久性に問題があるならば、この7年でフレームが割れたとかそういう話が出てきてもおかしくないところですが、私の知る限り普通にロードバイクとして使っていて、CAAD10のフレームが割れたという話は聞いたことがありません。

もちろんですが、交通事故で車と衝突したとか、トラックの下敷きになったなどの大きな衝撃ならば、フレームは割れるでしょう。
ですがこれは軽量ではない普通のアルミフレームだろうが、クロモリフレームだろうがそんな大きな衝撃を受ければ確実にフレームは壊れます。

よく【立ちごけ程度で割れるのか?】という質問を受けたりしますが、基本的には立ちごけレベルで割れるフレームはありません。
これはカーボンフレームも含めた話です。
もし立ちごけで割れたならば、よっぽど運が悪かったか、何らかの初期不良があったんじゃないかと疑います。

ものすごいスピードが出ている状態から落車した場合はわかりませんが、CAAD10なんてかなりのユーザーがいるはずで、それだけいれば誰かはものすごいスピードから落車したことがあるはずです。
それでも割れたという話は聞きません。

ユーチューブでもプロ選手の落車シーンがたくさんありますが、フレームが割れている人はほぼ見かけませんね。
プロが使っているのは軽量カーボンフレームです。
プロはすごいスピードから落車しますが、それでもフレームが一発でダメになるというケースはあまりない気がします。
スプリント時のクラッシュだと、思いっきりホイールなどが割れている画像は見たことがありますけどね。



ただし、劣化は早い

アルミの特性として、金属疲労を溜め込んで劣化するということがあります
金属疲労というのは、荷重、物理的刺激、熱などの要素がアルミ合金に加わったときに、金属が劣化していくことです。

ここではっきりさせておかなければならないのは、耐久性と剛性は違うということです。
耐久性というのは、物体の壊れにくさです。
剛性というのは、物体のしなりにくさです。

アルミフレームの最大の問題点としては、金属疲労で劣化し、剛性が落ちていくということです。
これをロードバイクのフレームでいうと、剛性が落ちたフレームというのは、ペダルを踏み込んでもそのパワーを吸収してしまい、進みにくくなるようなイメージです。

これはどのアルミフレームでも起こりますが、個人的な印象では軽量アルミのほうが劣化しやすい気がしています(あまり根拠はない)。

で、剛性が落ちたフレームというのを体感できるかというと、これは何とも言えません。
私も同じアルミフレームに5年間、2万キロ以上乗りましたが、剛性が落ちたという感覚はよくわかりませんでした。

よくわからない理由ですが、剛性はある段階で急に落ちるものではなく、日々ものすごい微々たる変化として起こっています。
なのでわかんないんですね。
絶対に体感できないレベルの変化が毎日起こっていると考えればいいです。

ところが、例えば5年乗ったアルミフレームから、同じ車種の新品に乗り換えたとします。
このとき、明確にわかると思います。
【あっ!前のフレームは剛性が落ちていたな】と。

プロ選手とかやたら機材に敏感な人には、アルミフレームの劣化を感じ取れる人もいるそうですが、個人的には新車に乗り換えない限りはよくわかんないと思います。

カーボン、アルミ、クロモリと3つのフレームがあった場合、最も剛性が落ちにくいのはカーボンです。
次にクロモリ。
アルミは一番剛性が落ちやすく、劣化しやすい素材です。

なのでそういった意味ではカーボンフレームを買っておいた方が幸せとも言えます。

あと、ほとんどの人は数年乗ったら、飽きて違うフレームを探し出します。
なのでフレームが割れるまで乗り続けるという人のほうが珍しい気がします。

とは言え、例えば普通に乗っているだけで5年でフレームが割れてダメになるとか、そういうことは軽量アルミでも考えづらいです。
剛性が落ちて加速力は減っていきますが、普通の乗り方をしている分には数年でフレームが割れるということはほぼありえないと考えていいでしょう。

そもそもなんですが、通常使用で数年で壊れるようなフレームを、メーカーは売りません。
売って3年後くらいの割れるフレームなんて、メーカーは怖くて売れませんよ。
売って3年後に世界各地で【A社のフレームが割れた!おかげで大怪我した】なんて事態があったら、世界各地で訴訟モノです。
そんなフレームなら売らないほうが企業の利益になりますから。




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

Scroll Up