読者様から質問を頂いたのですが、こちら。
BSオルディナ号でサイクリング中の六叉路での出来事。私は二段階右折のため直進。後続バスは左折。青信号確認後の発進時に、バスに進路を妨げられて、接触寸前。事故回避のため、譲りました。特別支援学校のスクールバスであることが、尚更残念。子どもの安全な送迎を願う。https://t.co/Zv633gCBU7 pic.twitter.com/PdlRkHx23e
— ときた (@tokitatokitatok) June 12, 2024
この交差点で自転車が右折する際のルートは、これが正解なのでしょうか?
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自転車の右折方法
要はこの交差点、何叉路なのかという話。
まずおさらい。
自転車が右折する際は「交差点の側端に沿って徐行」。
第三十四条
3 特定小型原動機付自転車等は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。
つまり、交差点の範囲が確定しないと右折する際に通行するラインがわからない。
このような交差点の場合、判例上は全てまとめて一個の交差点と見なします。
というのも、「C」から交差点に進入する信号と停止線の関係がこうなる。
一つの複合交差点とみなすしかない。
じゃあ「交差点の側端に沿って徐行」とはこうなるように思えますが、
要はこれ、Aから交差点に進入する際に7叉路の複合交差点だと認識する術がない。
普通に前方左右を注視すると、T字路にしか見えないわけで。
そうすると、目に見えた範囲で「できる限り左側端に寄り、交差点の側端に沿って」いれば問題ないので、
これで問題ないかと。
動画を見るときの注意点
この手の動画を見るときの注意点ですが、あくまでも撮影車目線で考えないと意味不明なのよ。
どうしてもGoogleマップなどで空中から確認しがちになりますが、実際にプレイする自転車は地上にいて、地上の自転車目線で見える範囲で考えないと意味不明になってしまいます。
なので、法解釈上はこれが正解になり得ても
Aから交差点に進入する自転車目線で判断できるはずがない。
だからこれで問題なし。
昨年札幌地裁判決(過失運転致傷罪)でもあったのですが、ドラレコ上でわずかに被害者(右⇒左に横断)が写っていたことから、検察官が前方右不注視の過失として起訴した。
けど、対向車の隙間にわずかに写っていたとしても、このタイミングだと左側にいる駐停車車両と左方道路を注視するのが自然。
わずかに被害者が写っていたとして、そもそも右方を注視するタイミングじゃないでしょ?として結局無罪に。
運転者目線に落とさないと、いろいろムリがあるのよね。
10台も対向車とすれ違い、「その対向車の隙間にわずかに写った被害者を見落とした過失」と言われてもムリがある。
冒頭の動画についても、撮影車目線で見えるのは事実上T字路にしか見えないわけで、見える範囲で「左側端に寄り、交差点の側端に沿って徐行」すれば問題なし。
不可能を可能にしろと求めているわけではないので。
ちなみにAからまっすぐ進んだ地点で信号待ちする必要があるのかについては、濁します。
というのも、
交差点のど真ん中で信号待ちする理由がよくわからないし、E道路が一方通行なのでなおさらわからない。
とはいってもEから交差点に進入するには信号規制があるし、二段階右折する自転車は信号待ちしないとダメだと思いますが、
自転車の二段階右折って、変形交差点や複合交差点になるととたんに解釈がわからなくなる。
変形T字路の二段階右折にしても、判例上はどっちも正解ですが、
要は解釈が一つに定まっていないのだから、安全そうなところを通ってね!にしかならないのよね。
二段階右折ってキレイな十字路じゃないと説明つかなくなるのがややこしい。
正解は一つじゃないという罠がありますが、逆に言えば一つじゃないから困るよね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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