なぜか強い人気が出なかった、ビアンキのFENICEシリーズについて今更ながら考察してみる。

ビアンキのスカンジウムフレーム、FENICE(フェニーチェ)が2019年モデルを最後に姿を消しました。
2015年モデルから登場したFENICEでしたが、フレーム重量1040gと金属フレームとしてはかなり軽量で、かつ剛性も高いレーシングバイクだったわけですが、ビアンキファンの間では結構話題になってました。
しかし、ライバルである他社のハイエンドアルミに比べると、そこまで話題になっていたというわけでもないような印象があります。

本来ならキャノンデールのCAADシリーズと双璧を成しても不思議ではない一台でしたが、なぜFENICEは消えてしまったのでしょうか?

ビアンキ FENICE

ビアンキは現代のアルミフレームの基礎を作ったメーカーで、メガプロというパイプを大口径化することで剛性と強度を確保する手法を作ってます。
そのビアンキがホンキのアルミフレーム(スカンジウムフレーム)を作るということで、ビアンキファンの間ではそこそこ話題になっていました。

そして登場した2015年モデルのFENICE PRO。

大胆に赤を取り入れたチェレステ。
2015年モデルでは、105完成車で23万、アルテ完成車で28万なので、ハイエンドアルミフレームと呼ばれるものよりもちょっとお高めという印象です。

しかし、ビアンキのアルミフレームには、長年エンデュランスバイクしかなく、レーシングバイクがなかったので、待望の一台でもありました。

こちらは2017年モデルのFENICE PRO アルテ完成車ですが、

マルコパンターニ時代を彷彿とさせる、イエローを取り込んだチェレステ。
このバイク、重量は公称7.1キロです。
ホイールはTOKEN C22Aを採用し、アルテ完成車でお値段は36万。
やはり金属フレームとしてはかなりお高めのラインでしたが、すぐにレースでも使えるスペックなのが一つのウリでもありました。

2017年モデルでは、FENICE PROだけでなく、3つのFENICEがありました。
・FENICE PRO(スカンジウム)
・FENICE ELITE(7046アルミ)
・FENICE SPORT(6061アルミ)

FENICE PROはスカンジウムフレームとして軽量性と剛性を兼ね備えた一台で評価も高かったわけですが、なにせお値段が・・・
ということで、7000番台のアルミを使ってコストダウンしたELITEと、最もポピュラーな6061アルミを使いコストダウンしながらもレーシングジオメトリのSPORTも出したのですが、なぜかエリートとスポーツは1年で廃止に。

そんな紆余曲折を経ながら、FENICE自体は2019年モデルを最後に姿を消しています。

予断ですが、ビアンキのグローバルサイトでは、確か2018年モデルの時点ではフェニーチェがなくなってました。
つまりは日本限定モデル化していたのですが、グローバルサイトから消えるということは、いよいよだなぁとは予想してました。
その予想通りに、オワコンへ・・・

2018年頃から、FENICEは怪しい動きを見せてました。
FENICEはフレームセット販売もあったのですが、通販だったりリアルショップだったりで、FENICEのフレームセットが激安で出ているのを何度か見ました。

2018年モデルのこのカラー、ステムとサドルは専用品がついて定価が157000円でしたが、通販やショップなどで11万円台とか出ていたので、あんまり売れてないのかな・・・とは予想はしてました。
個人的にはビアンキのフェニーチェ、結構評価していた一台だったので、多少ショックだったことを思い出します。

こっちのカラーも特徴的でした。

時代のニーズ

ハイエンドアルミフレームの象徴ともいえるキャノンデールのCAADシリーズですが、2014年モデルでモデルチェンジしてCAAD12が登場しています。
ブランドイメージ的にも、アルミというとCAADでしたし、残念ながら2000年代初頭はビアンキの暗黒期というか、プロチームにも供給してない、クロスバイクのフロントフォーク事故など、あまり評価されていなかった時代がありました。
私はそんな次期にあえてビアンキのロードを買ってますが、知人から真顔で

いろんな人
いろんな人
なんでビアンキなんか買うの??

と言われてビックリした事も・・・

で、スカンジウムフレーム=高剛性というイメージがあると思います。
2015年くらいって、CAAD12もそうですし、トレックのエモンダALRとかもそうですが、剛性だけでなく振動吸収性も重視したハイエンドアルミフレームが主流になってきていたように感じます。
ビアンキのFENICEは、そこまで振動吸収性が悪いというわけではありませんが、スカンジウム=高剛性というイメージは高かったのが正直なところ。
なので時代のニーズからみてそれほど需要が無かったのかも・・・と思うわけです。

それと、先ほども書いたように、ビアンキノ場合熱烈なファンが多い一方、アンチもそこそこいます。
レーシングバイクが欲しいならアルミならCAADだろ、という雰囲気を崩せなかったということかもしれません。

個人的にはFENICEってかなり評価していたんですけどね・・・
あと些細なことで言うと、ワイヤーがフレーム内臓ではなく外出しだったとか、そういう要素も関係するかもしれません。

FENICE ELITEも一度乗ってみたいなぁと思いながら、速攻で廃止になってある意味で驚きです。
7046アルミを使ったフレームって、ほかに聞きませんし。

最近のアルミフレームって、感触としてはバリバリのレーサーみたいな味付けじゃなくて、剛性と振動吸収性をバランス取ろうとしている印象なんですが、これも時代のニーズなんでしょうか。

ビアンキのグローバルサイトでは日本よりも早くFENICEが消えていますが、これは海外の流行がグラベルロードやE-BIKEに向かっていることの象徴かもしれません。
コルナゴのアルミロード、A2-rも日本限定モデルですし、ほかにも日本限定も出るのロードバイクって実はいくつかあります。
ロードが売れるのは日本・・・ということかもしれません。

単に廃止では惜しい存在

まあ、欲しがる人が少ないならメーカーも作らないというだけの話でしょうけど、こういう特異なフレームが消えていくのもちょっと悲しいところです。

ビアンキのアルミロードは、今はヴィアニローネだけになってます。
インプルソも既に廃止。
グラベルロードとしてはインプルソオールロード、ヴィアニローネオールロードがありますが。

ニローネ自体はエントリーアルミフレームですが、やはり世界ではアルミロードはさほど売れてないのかも、と思いますし、そもそもFENICEのマルコパンターニ時代と言っても知らないビアンキファンも多くなっているのかもしれません。

まだ探せば、FENICEはあったりします。
値段的に、FENICE105に30万弱出すなら、もうちょっと出してオルトレXR3のほうがいいと思う人もいるでしょうし、


レーシングバイクで言えば、アリアとかも買える値段ですし。


値段的にFENICEが微妙だった、ということもあるのかもしれません。
カーボンバイクと値段が被ってくると、どうしてもカーボン選ぶ人も出てきますから。