カーボンクリンチャー(リムブレーキ)にラテックスチューブでも問題ないよ!というご意見を頂いたのですが。

リムブレーキのカーボンクリンチャーホイールに、ラテックスチューブを使うことは禁忌だということは、よく知られた事実です。
これはホイールメーカーやチューブメーカーも、注意書きとして書いていることが多いこと。

以前書いた、カーボンクリンチャーにラテックスチューブはNGだという記事にコメント頂きました。

読者様
読者様
私もこの組み合わせは心配ではありましたが、都内の有名店で質問したところ、問題なく運用している人がいると聞きました。
以来レーゼロカーボンにミシュランラテックスの組み合わせで2年以上乗り回していますが、それまでの軽量ブチル使用時と変わらず普通に運用できています。
長い下り坂などで使わなければ大丈夫だと思います。

というお話です。

カーボンクリンチャーにラテックスチューブがダメな理由

カーボンクリンチャーにラテックスチューブがダメな理由は、まとめるとこんな感じです。

・ラテックスチューブは、熱に弱く、加熱で溶ける

・カーボンリムはブレーキングした際にリムの放熱性がアルミリムよりもはるかに落ちる

・アルミリムだと、ブレーキングした摩擦熱はすぐに冷却されるが、カーボンリムだとリムに熱が篭る

・その結果、カーボンクリンチャーではブレーキ熱により、ラテックスチューブが溶ける可能性が高い

こういう理論です。

カーボンリムでラテックスチューブがダメという理論がよくわかりません【質問いただきました】

ディスクブレーキなら、リムはブレーキングに関係しないので問題ないです。
また、チューブラーの場合、リムにチューブが直接接しているわけではないので、問題ないようです。

熱で溶けたという事例は、探せばネット上にあります。
例えばこちらとか。
https://rbs.ta36.com/?p=28926

峠の下りのようですが。

で、カーボンクリンチャーにラテックスチューブを使っても、理論上では、強いブレーキングを長時間しなければ問題ない可能性はあります。
下りでブレーキを当て効きさせるとかは、完全アウト。
ブレーキングでの制動力には乗り手の体重も関係するので、体重が重い人のほうがブレーキ熱は高くなるかと。

で、繰り返しますが、この方がおっしゃるように、

読者様
読者様
長い下り坂などで使わなければ大丈夫だと思います。

恐らくですが、平坦のみを走り、ブレーキングも前後のポンピングブレーキを駆使するなどリムに熱が篭らないように頑張れば、ラテックスチューブでも溶けない可能性はあります。
ですが、限られたシチュエーションでしか通用しないことって、【問題なく使える】ではないですよね。

メーカーは安全マージンを大きく取る

どんな製品でもそうですが、メーカーが禁止事項にしていることって、実はそれほど大きな問題ではないこともあります。
それでもメーカーが禁止にする理由って、要はどんなバカが使うのかもわからないし、メーカーが想定してないようなプレイして壊す奴もいるから、禁止にしていたりします。

ラテックスチューブとカーボンクリンチャーの件は、安全マージンを大きく取っているというよりも、その運用で多くの人が使った場合に、それなりにチューブが溶ける人が出るからかと。
長い下りで使わなければいい、と言っても、知らない道を走っていて長い下り坂が出現したらどうするの??となりますよね。
知っている道だけを、トロトロ走るなら、たぶん問題は出にくいでしょう。

メーカー非推奨のことを他人に勧める場合、【どんなバカが使うのかわからない】、【こっちの想像を超える使い方をするかもしれない】ことまで考えてあげないと、本気で死ぬ案件です。
チューブが溶けるとどうなるか?
大きな穴になるだろうというのは、誰でも想定できる。
いきなり大きな穴が開くとどうなるか。
一瞬で空気圧ゼロになるような、超危険なパンクになるだろうと予想が付きます。

長い下りで使わなければ大丈夫、と言っても、それを拡大解釈して、

読者様
読者様
この程度の緩い下りなら大丈夫でしょ

とか、

読者様
読者様
これくらいの下りなら、短い下りでしょ

このように拡大解釈して運用し、下っている最中にラテックスチューブが溶けたらどうなるのか?
一瞬で空気圧ゼロになり、バイクコントロールは不能に陥り、落車するのは目に見えてます。
そんな時、後ろから車が来ていれば、そのまま轢かれて死ぬかもしれない。

そこまで考えて、【自己責任でどうぞ】とは口が裂けても言えません。

そういうこともあり、頂いたコメントは非公開のままにさせていただきます。
都内の有名店ってどこなのか知りませんが・・・

あとアルミリムでも溶けた事例は知ってます。
これは相当に運が悪いケースで、普通はまず起こらないと思いますが、それこそかなりの長時間、ブレーキを当て効きさせていたとかそんな話だったような気がします。

自己責任論

よくある

いろんな人
いろんな人
自己責任でどうぞ

って、見方を変えれば単なる責任逃れの逃げセリフですよね。
このサイトでは滅多にこの言葉は使いません。

SACRAの初代ホイールは、【アルミリム用のブレーキシューも使えるカーボンクリンチャー】と宣伝されていました。
これ、いくつかネット上に事例が上がったりしてましたが、アルミリム用のブレーキシューを使うと、カーボンリムは問題ないとして、ブレーキシューが溶けるんですよ。

http://ysroad.co.jp/shinjuku-crossbikekan/2018/02/10/34466

ブレーキシューが溶けたのに、安全と言えるのでしょうか???

今もSACRAのHPを見ると、アルミリム用のブレーキシューで3万キロ走った2名は問題なかったと書いてます。

おいおい、たった二名のデータだけで問題ないとしているのかよw
せめて100人とか1000人とかでデータ取ろうよ。
2名のデータなんて、何ら科学的ではないですよね。

ロードバイクで一番大切なことは何かというと、安全性だと思ってます。
安全性を無視してでも転がり抵抗とか乗り心地を求めるのは、さすがにどうなんでしょう??

ラテックスチューブとカーボンクリンチャーの件も、命のリスクを負ってでもラテックスチューブにしないといけない理由がサッパリ理解できないので、他人にオススメすることはないです。
自己責任で死んででも使う、というのも、全くオススメしません。
ラテックスチューブが溶ける⇒一瞬で空気圧ゼロ⇒制御不能で落車⇒後続車に轢かれる、というのでも、後続車は罪を負う可能性もあります。
自己責任とは言い切れないわけで、他人に迷惑かける可能性もあるので。

【大丈夫だと思います】って、発想としては危険なのかなと思うので。

この方がこういう運用をすることを止めはしませんが、他人に勧めるのはさすがに筋違いではないでしょうか?




コメント

  1. 伊藤 より:

    もし僕がショップ店員だったら(自転車関係の仕事はしてません)口が裂けても「問題なく運用してる」なんて言えません。
    問題なく運用している=大丈夫、安全ととらえるお客さんもいると思います(レーゼロカーボンお持ちの読者さんが勘違いしたのが悪いという意味ではありません)
    メーカーが禁止している使用方法を、お客さんに問題なく運用してるなんて絶対言えませんね。

    都内有名ショップの対応もいかがなものかと思います。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      一般的な感覚だと、そうですよね。
      これでお客さんが事故にあったら、責任取れませんし。

      でもプロショップの人でも、こういうところを甘く見ている人がいるということですね。
      怖い怖い。