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各社のBB下がりについての傾向を調べてみた。スペシャライズドはダントツでBB下がりが大きい!

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先日のBBハイト、BB下がりの記事なんですが、

BBハイト、BB下がりが走行性能に与える影響。ジオメトリを読み解く。
恐らく初心者の方にとって、ジオメトリほど難解なものはないと思います。 いろんな数字が書いてあっても、その意味を理解することは初心者さんにはほぼ不可能に近いのが実情ですし、既にロードバイクに乗っている人にとっても、ジオメトリについて読み取るの...
BBハイトの意味、間違ってました。あと、重心が高いほうが安定性が高いという意見も。
先日書いた、BBハイトとBB下がりの記事なんですが、 すみません、長年用語の使い方を完全に間違えてまして、間違った情報書いてました。 既に訂正済みです。 何が間違いだったかと言いますと。 BBハイト、BB下がりの意味 BB下がり(BBドロッ...

多くのメーカーは、【BBドロップ】という項目をジオメトリに載せています。
BBドロップは、BB下がりと同じ意味で、

ここを指す数字です。
つまり、BB下がりが大きい=BB位置は低いということですね。

 

今までBB下がりについてはほとんど気にしてなかったのですが、各社の傾向を見ていくと、かなりの違いが出ていました。

各社のBB下がりの傾向

各社のジオメトリから、レーシングバイク、エンデュランスバイク、エアロ、グラベルの4つを見て行きます。
フレームサイズによってもBB下がりは違いますので、本来は他社同士の同じようなフレームサイズで比較すべきなんですが、この作業は結構大変なので、大雑把なまとめにさせていただきます。

メーカー 車種名 タイプ 小さめサイズ 真ん中サイズ 大きめサイズ
スペシャライズド S-WORKS TARMAC SL6 DISC レーシング 74mm 72~74mm 72mm
S-WORKS VENGE DISC エアロ 74mm 72mm 72mm
S-WORKS ROUBAIX エンデュランス 77.5mm 76mm 74.5mm
S-WORKS DIVERGE グラベル 85mm
LOOK 795 BLADE RS エアロ 65mm
785 Huez RS レーシング 65mm
765 OPTIMUM エンデュランス 68mm
トレック MADONE SLR9 DISC エアロ 72mm 70mm 68mm
EMONDA SL レーシング 72mm 70~72mm 68mm
DOMANE SL エンデュランス 80mm 80mm 75mm
CHECKPOINT SL グラベル 78mm 76mm 74mm
ピナレロ DOGMA F12 レーシング 67mm 72mm 67mm
DOGMA FS エンデュランス 72mm
GREVIL+ グラベル 67mm
コルナゴ C64 レーシング 65mm 70mm 70mm
CONCEPT エアロ 65~69mm 70mm 70mm
G3-X グラベル 70mm
キャノンデール システムシックス エアロ 74~79mm 72mm 69mm
スーパーシックスEVO レーシング 74mm 72mm 68mm
シナプスカーボン エンデュランス 75mm 73mm 70mm
トップストーンカーボン グラベル 69mm 61~64mm 59mm
ラピエール XELIUS SL レーシング 67mm
AIRCODE SL エアロ 67mm
PULSIUM エンデュランス 72mm 69~72mm 69mm
メリダ Scultura Limited レーシング 66mm
REACTO DISC エアロ 70mm 66~70mm 66mm
RIDE エンデュランス 65mm
SILEX グラベル 75mm
YONEX AEROFLIGHT エアロ 68mm
CARBONEX HR レーシング 68mm
ビアンキ スペシャリッシマ レーシング 58mm 68mm 68mm
オルトレXR4 レーシング 58mm 68mm 68mm
インフィニート CV DISC エンデュランス 68mm
IMPULSO ALLROAD グラベル 68mm
スコット FOIL エアロ 66mm
ADDICT RC レーシング 70mm
ADDICT エンデュランス 67mm
SPEEDSTER GRAVEL グラベル 67mm
サーベロ S5 DISC エアロ 72.5mm 70~72.5mm 70mm
R5 DISC レーシング 74.5mm 72~74.5mm 72mm
ASPERO DISC グラベル 78.5mm 76~78.5mm 76mm
BMC TIMEMACHINE ROAD エアロ 70mm
ROADMACHINE レーシング 71mm
ROADMACHINE X グラベル 71mm
TEAMMACHINE SLR レーシング 69mm

基本的な傾向としては、
・レースモデルよりエンデュランスモデルのほうがBB位置は低め
・アメリカンブランドは総じてBB位置が低め
・グラベルだと、ロードバイクよりもBB位置を下げるブランドと、逆に上げるブランドがある

 

こんなところでしょうか。
LOOKとかSCOTT、BMCは、サイズに関係なく同じ車種ならBB下がりは同じ数字だったりします。
LOOKは全般的に、BBハイトは高めです。
レーシングとエンデュランスではBB下がりを変えています。
スペシャライズドに比べると、車種とサイズによっては1センチ近くBBハイトが違ったりします。

 

特徴的なのは、グラベルロードの設計でしょうか?
あえてBBハイトを高めに設定しているブランドもあれば、低めにしているブランドもあります。
グラベルなので、タイヤが太く厚みがある分、同じBBハイトでも地面からの距離は変化すると思いますが、フレーム設計のアプローチ法は対称的です。
ただしググラベルロードの場合、700cと650Bの両方対応が増えてきているので、そういう事情もあるかも。

 

ビアンキについては、小さめサイズでBB下がりが58mmというのもありますが、基本的にレーシング、エンデュランス、エアロ、グラベルともにBB下がり68mmに統一されているようです。
手抜きなのか、何か意図があって68mmに統一なのかについてはわかりません。
手抜きはさすがに失礼でしたね。
元ビアンキ乗りとしても、もちろん何かしらの理由があっての68mm統一だと信じます。

 

リムブレーキとディスクブレーキで意図的にBB下がりを変えていたりするのかなとも思ったのですが、見たところの印象では、リムブレーキかディスクブレーキかで大きくBB下がりを変えているメーカーは無さそうです。

 

タイムとかBHなどは、【BBハイト】の表示はあっても、BB下がりの表示はありませんでした。

 

軽量フレームとそうでないフレームで、BBハイトを変えているのでは?と思っても見たのですが、BMCでは若干の差が出ていますが、基本的に軽量フレームだからと言ってBBハイトで重心をコントロールしているわけでもない気がします。
勝手な予想で、軽量フレームのほうがBBハイトを高めにしていたりするのかなと思いましたが、トレックのエモンダ、ビアンキのスペシャリッシマ、LOOKの785などを見る限り、そこは重要な要素ではないかも。

 

軽量フレームでBBハイトを上げているのでは?と予想した理由ですが、下でも書きますが、理論上では重心が高いほうが安定性は増します。
そういう意味で、軽量フレームで乗り手との重量バランスが崩れるのが超軽量フレームなので、重心で何かしらヒラヒラした乗り味になりにくいようなコントロールをするのでは?と勝手に予想してみたのですが、調べた限りではそのようなことはないようです。

BBハイト、BB下がりの意味

BBハイトが低ければ低重心なのですが、いろいろ調べていくと、重心が低いから安定性重視ではないという意見もあります。
理論的なところでいうと、重心が高いほうが安定性は高いとなるのですが、体感での安定感は、BBハイトが低いほうが安定感ある走りだと評する人が多い気がします。
重心が高いバイクだと、ヒラヒラする乗り味と言ってきた方もいますし。
詳しくはこちらも参照に。

理論と感覚の壁。
最近思うことがあります。 ロードバイクには様々な理論があって、科学的にある程度証明されていることもあるわけですが、体感的な感覚という面で言うと、理論とは違った結果になることもあります。 こういう差をどうやって埋めるのか?については、なかなか...

このあたり理論と体感の乖離ですが、一番の理由は、やはり主観をどのように具体化して表現するかというところなのかなと。
例えばですが、安定性というキーワードについて語ってくれと言ったときに、左右への動揺度も安定性でしょうし、路面追従性もある種の安定性です。
路面追従性が低いものをヒラヒラすると表現する人もいれば、左右への動揺度をヒラヒラすると表現する人もいるかもしれない。
コーナーリングでの倒しやすさも、ある種の安定性ですが、このあたりはタイヤが大きく関わるでしょうし。

 

なので単に【安定性はどうだった?】と聞いても、質問者の意図と、回答者の答えが全くミスマッチな可能性も出るのかなと。
そこまで考えて主観を評価するなら、安定性という大きな分類の中に、さらに小さな評価ポイントとして、左右への動揺度だとか、路面追従性だとか、細かく聞いていかないと理論と体感が乖離するのかもしれません。
また理論自体が意味する安定性というキーワードも、どの安定性なのかをより細かく決めないと、やはり理論と体感の乖離は起こりえます。

 

一番大切なのは、乗り手であるあなたにとって、BBハイトが高い車種と低い車種、どっちが好みなのか?という観点かと。

 

これは前にも書きましたが、試乗会などで乗り味が気に入ったバイクが見つかったときは、車種名とフレームサイズを覚えていくことです。
逆に、なんかイマイチだなと感じるものがあったら、それも記録しておいて、家に帰ってからジオメトリを見てチェックしておくのもいいかもしれません。
好きな乗り味のバイクが複数合ったとして、共通のジオメトリの方向性が見えてくるかもしれませんし、何らジオメトリと感覚の間には相関性がない可能性もあるし。

 

初心者さんの一台目選びでも、ジオメトリを見るのは非常に難しいですが、もしかしたら一定の方向性が見えるかもしれません。

 

ただし、乗り味にはジオメトリ以外にも、素材のグレードだったり、フレームのボリュームも関係しますし、根本的なところで言うと、タイヤとホイールのほうがフレームよりも体感しやすい要素。
試乗会って、無駄にいいホイールがついているケースもあるので、感じている性能がどこ由来なのかを見極めることはかなり難しい。
同じようなジオメトリでも、剛性を強化しているバイクもあれば、意図的にシナリを使っているバイクもあるので、ジオメトリについてはただの一つの要素で、全てが決まるわけでもないですが。

 

BB下がりが変化すれば、そのほかの長さや角度も変化する可能性があるので、本来はBB下がりだけに着目してもあまり意味がないかもしれませんが、BB下がりについては、各社ある意味では特徴が出ています。
スペシャライズドとかトレックあたりは、明確にBB位置が低め。
LOOKは高め。
ビアンキは、ほぼ全ての車種で68mm(小さいサイズだけ58mm)。

 

いろんな観点からロードバイクを見ていくと、見えていなかったところも見えるかもしれません。

 




コメント

  1. inne より:

    たまたま通りすがりましたが、BB下がりはちょうど気になっていた部分なのでとても参考になりました。
    ただ、重心という意味で比較するのであれば、BB下がりの数値だけを比べても意味はないのではと思います。(記事中でも触れられていますが)BB下がりが同じでも、想定されているタイヤ外径が違えば地上高は変わりますので。当たり前ですがミニベロのBB下がりはたいていマイナスです。って本当に当たり前ですよねすみません。
    ひと昔前ならロードのタイヤは700×23Cが標準、チューブラーで21やそれ未満の太さもあり得ましたが、昨今は25が当たり前、ともすれば28などという場合もあるようですので、どのタイヤサイズを基準値としているかで当然設計も変わっていると思います。ましてグラベルロード だと32とかそれ以上だったりすると思うので、BB下がりの数値が異なるのは当然と言えます。ロードと比べて高い場合と低い場合があるようですが、オフロードを意識して地上高を稼いでいるか、あくまでロードに近い重心になるようにタイヤの厚みの分下げているか、の違いだと想像しますがそのあたりは分かりません。

    重心が高い方が/低い方が安定する、という話に関しては、重心が変化しにくい=安定と取るか、重心を変化させやすい=コントロールしやすい=安定と取るかの話だと思いますが本筋から逸れるので割愛します(需要があれば書きますが)。

    ただ実際同じ700×25Cのタイヤでもメーカーによって実測の直径は違いますし、フレーム販売のみの車種だと「想定されるタイヤ外径」と言われても一概には言えないですよね…。特に複数のホイールサイズに対応と言われると、設計上どのサイズを基準にしたのか、あるいは間を取ったのか、そこまではメーカーも公表していないですよね。

    横槍失礼しました。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      まさにその通りでして、想定しているタイヤサイズ次第なのかなと思います。
      計算したら、23cと28cではタイヤ周長で40mm差、半径だと6mmちょっとの差がありますし、スペシャライズドのBB下がりが大きいのも、太いタイヤを想定しているのかと。

      BB下がりに関しては、他の方からも面白い話を頂いてますので、後日記事にします。

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