世間で言われる、いわゆるルック車(LOOK社ではない)について、その販売業者がツイッターでいろいろとメッセージを出しているそうです。
著名なブランドのロードバイクよりも、ルック車と呼ばれるもののほうがタイムが良かったなど・・・
ふーん、と思ってみていたのですが、ちょっと気になることがありまして。
ルック車はゴミなのか?
まず思うことなんですが、ルック車ってどういう定義になるのか?という話。
無名ならルック車扱い??
相場よりも安すぎればルック車扱い??
根本的に、ロードバイクについては、合理的な線引きって見出せないんですよね。
元々、ルック車という表現は、なんちゃってMTBを指す用語からきていると認識してます。
マウンテンバイクとして売っているのに、【オフロードでは走らないでください】と謎の注意書きがあるのが、MTBルック車。
それが語源で、いわゆる【ホンモノではない】という意味合いで使われていると思うのですが。
シナレロ(中華ピナレロ)はニセモノブランドという意味でホンモノではないですが、ライセンス上で問題がない(パクリ商品ではない)ロードバイクであれば、ルック車とノンルック車の違いって、どこで線を引くのだろう?
ある意味では、権利侵害のコピー商品はルック車と言われてもおかしくないでしょうけど、あんまりそういう場合にはルック車とは言わないような。
LOOKがルック車のカテゴリではないことは明らかとして、どうも定義に困るんですよね。
ロードバイクのルック車というものを定義しようとすると。
ジャイアントは世界最大の自転車メーカーなのは誰しもが知る事実ですが、日本の代理店は扱ってないものの、格安のロードバイクも台湾や中国などで売っていたりします。
いわゆるルック車といわれるようなロードバイクと、同じような値段で。
かといって、ジャイアントをルック車メーカーと呼ぶのは違うでしょうし。
それこそ中華圏では、OCRなどはアルミフレームにアルミフォーク、定価5万とかで売っているはずですが、アルミフォークだからルック車と呼ぶのも乱暴すぎるし、例えばセンチュリオンのグラベルロードだと、普通にアルミフォークだったりします。
そもそもOCRについても、今はジャイアントジャパンは取り扱っていませんが、過去には日本でも普通に販売されていました。
その頃はカーボンフォークだったりしたのですが。
そのほか、コンポがクラリス以上だとか、ターニーだとかグレードで分けようとしても、いわゆるルック車認定されているものの中には、クラリスだとかソラだとか普通にあります。
となると、コンポで分けるのも違うし、数年前のルイガノのロードバイクで、コンポがターニーだったものもあったはず。
ルイガノはさすがにルック車扱いでもないでしょうし・・・
リアル店舗で売っているかどうかで線を引いてしまうと、じゃあキャニオンはルック車なのか?と謎の状態になってしまうし。
またプロレースに供給しているメーカーなのか?という観点で見ても、やっぱり無理が生じます。
TIMEとか、今は供給していませんが、さすがにTIMEをルック車のカテゴリに入れる人は世界中で皆無でしょうし。
そもそもロードバイクでルック車ってどうやって定義するのか、実は凄く興味があります。
しかしその販売業者が、自らルック車だとして語っているくらいなんで、その業者のロードバイクはルック車でいいんでしょうけど。
パクリ商品については、ライセンス上の問題があるので、法的に不可です。
ヤフオクとかで普通にニセモノが販売されてますが、そういうのってニセモノだと知って転売すると、ニセモノなのを告知していても大問題になるんで、関わらないほうがいいです。
で、先日別件で読者様から寄せられたコメント。
別に安全運転でマナーを守って乗っているならその人の自由ですし。
ルック車という表現はバカにしているのか?というところにも少し違和感があります。
単なる区別の問題なのかなと思いつつも、上でも書いたように、区別する線引きすら出来てないw
使いやすい単語で時々使ってしまいますが、ロードバイクにおける【ルック車】、誰か定義出来ませんか??
明確な定義はなく、【ふんいき】だけで使われる用語だとしたら、どこからがルック車で、どこからが非ルック車なのかは、人それぞれの価値観ということでしょうか。
いわゆるルック車について
※こちらはLOOK社のロードバイクで、ルック車ではありませんw
いわゆるルック車についてですが、これから一台目のロードバイクを買おうと思っている人には、オススメしていません。
定義もないくせにオススメしないと書くのも、あんまり信憑性がない話になってしまうのですが。
オススメしない理由ですが、ルック車については事実上、通販でしか買えないからです。
とは言え、世間でルック車と言われる
キャニオンがルック車のカテゴリではないことは誰しも分かると思いますが、通販でしか買えないという点では、キャニオンは初心者さんの一台目としてはオススメしていません。
最初の一台目はショップで買ったほうがいいよ!とオススメしているので、ある程度自分で対処できるようになっているのであれば、二台目以降は通販でもいいと思うのですが、最初の一台目は、スポーツサイクル専門店で買ったほうがいいと思っているので。
前にチラッと目に入った、一台目から海外通販で買ったという方のブログを見ていると、
と思うような整備方法を書いていたりするので。
そのタイプの不調にそれをすれば一時的には良くなるだろうけど、違う問題が出るから、普通はそうはやらないよー、みたいなメンテナンスを紹介していたりしたので。
ショップで買えば、そういうところもある程度間違いを指摘してもらえるので、一台目はショップ購入をオススメしてます。
もちろん、ママチャリメインのような自転車屋ではなくて、ロードバイクの専門店の話。
あと、いわゆるルック車の中には、質が悪過ぎるパーツが付いていることもあるんで、そういうのを見極められるかどうかという問題もあります。
まあ、一台目でそこそこ経験積んだ人が、あえて二台目にルック車を買うとは思えないので・・・
既にルック車に乗っている人については、これはいろいろ難しい面があります。
というのも、ルック車に対して、かなり真剣にメンテナンスやパーツ交換に取り組んでいる方もいるので、それはそれでアリなんじゃないかと思ったり。
それと同時に、いわゆるルック車で買ってすぐにフレームが割れた事例も知ってますが、大手ブランドのロードバイクでも、フォークが折れたとかそういう話はゼロではありません。
そうなると、確率の問題?なんですかね??
1万台に1件の不良車を出すメーカーと、1000台に1台の不良車を出すメーカー。
といっても、そもそも販売台数が公表されていないので、リコールでも起こらない限りはそれすら不明。
例えば、ルック車のフレームが割れた!という記事も、ネットで探せば出てきます。
これも落車歴があるようなので、どこまで落車が影響しているのかは不明。
ダウンチューブが割れるのはあまり見ないですが、有名ブランドだと起こらないのかというと、それも不明。
まあ極論で言うなら、他人が何に乗ろうと知ったこっちゃない、これが正論かもしれません。
ただし、これは私なりの持論なんですが、まともなロードバイクなら、きちんと耐久性のテストなどを経て、製品化されているはず。
こちらはLOOKの製造工程と強度・剛性の検査をしている動画ですが、
いろいろ検査すれば、その分コストが掛かるので、製品価格も高くつく。
耐久性試験などを省けば、それなりにコストダウン出来るはずなので、そういう要素も大きいのではないかと。
これから初めてロードバイクを買おうとしている人には、ショップ購入を強くオススメします。
まあ結果的に、ショップ購入の時点でルック車は買えないんですが。
いわゆるルック車を買って、リアルショップに持ち込んで組み立てから点検整備までしてもらえばいいんじゃね?という考えもあると思うんですが、マトモなショップなら、この組み立てから点検整備まで最低でも2、3万円くらいは取られると思います。
というのも、ショップ店員からすれば納得できる組み立て精度ではないので、一度バラして組まないと納得しない店員も多いでしょうし。
まあ、実態として、一律で断るか、工賃の目安を伝えてやんわりと断る方向に持ち込むショップのほうが多いかもしれません。
店員が触って組み立てて、点検整備する以上、そこに責任がありますので、テキトーな点検整備で終わらせるわけにもいかない。
そういうのを格安でやるという自転車屋もあるかもしれませんが、そういうところは逆に言うと、その費用分の組み立て、点検整備しかやってないわけで。
いわゆるルック車を安く買う人って、やはり費用的な制約からそういう選択肢をしている人が多いと思います。
そうなると、組み立て、点検整備で2,3万というのは、ボッタクリ価格に思えてしまうでしょうし。
本来はそれが適正料金なんですけどね。
どうしても時間が掛かる作業なんで、安くやってくれる業者=その程度の時間しか掛けてない証拠、ですし。
しかしながら、それ以上に気になる点があるのですが。
特定商取引法は?
その販売業者の通販サイトを見ると、店名、会社名、住所はありますが、それ以外の情報が記載されていません。
通販をしているようですが、特定商取引法に基づく表記が必須なので、これはちゃんと記載したほうがいいのではないでしょうか?
個人事業者の場合には、氏名または登記された商号、住所および電話番号を表示する必要があります。また法人の場合には、名称、住所および電話番号(さらに、インターネットで広告を行う場合には、代表者の氏名または通信販売の業務の責任者の氏名。)を表示する必要があります。
「氏名(名称)」については、個人事業者の場合には、戸籍上の氏名または商業登記簿に記載された商号を、法人の場合には、登記簿上の名称を記載することを必要とし、通称や屋号、サイト名は認められません。「住所」については、個人事業者、法人いずれにおいても、現に活動している住所(法人の場合には、通常、登記簿上の住所と同じと考えられる)を正確に記載する必要があります。「電話番号」については確実に連絡を取れる番号を記載することが必要です。
通信販売広告について|通信販売|特定商取引法ガイド特定商取引法は、消費者トラブルを生じやすい特定の取引類型を対象に、トラブル防止のルールを定め、事業者による不公正な勧誘行為を取り締まることにより、消費者取引の公正を確保するための法律です。規制内容などをわかりやすく解説しています。
個人事業なのか法人なのかわかりませんが、個人事業なら戸籍上の氏名か、商業登記された商号じゃないといけません。
個人事業で商業登記する人って、あんまりいない気がするのですが・・・
単なる屋号は不可。
法人なら会社名(株式会社や合同会社など)でしょうし、法人なら責任者の氏名も必要。
電話番号も記載がない上に、電話番号になっているところはリンクタグが貼られてないようなので、この表記では結構マズイと思うのですが。
ちょっと話は変わりますが、私が【買うことをオススメしない業者】は、以下のような場合です。
・経営上の不安点が見える業者
・特定商取引法など、法令順守してない業者
どうしてもロードバイクって完璧ではないので、万が一のときのメーカー保証ってあります。
代理店保証でも同じですが、経営上の不安点が見える業者の場合、万が一が起こったときに、十分な補償を受けられない可能性があるので、オススメしていません。
特定商取引法は通販の基本なので、これを遵守してない業者も不安を感じます。
ルック車を買うことについて、当サイトではオススメしていませんが、そもそもどこからがルック車なのか?という線引きが不明なのと、ルック車かどうかを分ける合理的な線引きがわかりません。
線引きがないのにオススメはしません!というのも、ちょっと無責任な気もするのですが。
最低限、リアル店舗で買えるかどうか?という点で、初心者さんの一台目はショップで対面購入したほうが絶対にいいと思いますけどね。
そういう意味で、海外通販オリジナルのカーボンバイクとかも、全くオススメしてないんです。
W社のVとか、C社のAとか、事実上オリジナルと言ってもいいカーボンバイクもあり、激安で買えることが一つの特徴なんですが、一台目はショップで買って、せっかくショップで買うんだから店員さんにいろいろ聞いて覚えたほうがいいと思うんだけどなぁ・・・
いろいろ自分で出来るようになって、それから二台目に買うのであればいいと思うのですが。
結論
ルック車とノンルック車、線引きはどこなんですか?
しつこいですが、私が乗っているのはLOOK社のロードバイクです。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
以前、自転車屋さんから聴いた話だと、
お客さんからルック車のBB交換の依頼があり、実車を確認してみると、
独自規格のBBなので、BB単体での入手ができなかった、
との事でした。
ルック車の定義の一つとして、
「安価な車両で、消耗品と考えられる部品に、一般的でない規格を採用し、尚且つ部品単体での入手が困難。」
というのはどうでしょう。
コメントありがとうございます。
いわゆるルック車の場合、パーツスペックがほぼ公開されていないと思うので、その基準でいうと
【買って分解してみないと、ルック車かどうかはわからない】
という謎状態になる気がしますw
1つの見解としては、合理的だとは思いますが・・・