先日書いた記事。

詳しくは分かりませんが、マジックリンでチェーンが破断したことが無いし、今は実験中らしいですね。
ちょっとだけ思うことを。
Contents
可能性と絶対性
チェーンの金属は、酸やアルカリで反応して脆くなる。
ここは理論上、そういうことになります。
で、もしもですよ。
こういう意見があったとします。
俺はずっとマジックリンで洗浄していてクラックが入ったことが無いし、実験してみてもクラックなどは見当たらない。
だから問題ない。
こういうのって考え方としてはちょっと違うんじゃね?と思うんです。
酸やアルカリを使ったから必ずクラックが入るというものではなくて、理論上、金属が脆くなるということ。
チェーンなので牽引力や摩擦力などの物理的刺激も加わるし、一部からはちゃんと水で流せば問題ないという声も頂いてます(これについては後述します)。
そもそも、完全に流せたかどうかも検証しようがないので、もしかしたらチェーン内部にはアルカリ成分が残ってしまう可能性もある。
アルカリ性洗剤を使ったから必ずクラックが入るという話ではなくて、金属が脆くなるという事実からクラックが入りやすくなる可能性があるよ、ということだと思うんですね。
なので


こういうのって、そもそも論点がちょっと違うような。
金属が脆くなるという事実から、クラックが入りやすくなるからやめたほうがいよね?という話が本筋であって、クラックが実際に入ったかどうかは単なる結果論だと思うので。
可能性と絶対性、の違いなのかも。
こういう話を聞くと、この話と大差ないような気がする。

クズ男の理論と大差ないような気がするのは私だけでしょうかw
そりゃ、素肌感覚のほうが気持ちいいですもんね。
で、実は和泉チエンのご担当者様から、コメントとメールを頂きました。
ご紹介頂きありがとうございます。
note記事書いた中の人です。
シマノに限らずKMC,スラム、カンパもアルカリ性や金属に影響が出る洗剤使用を避ける様マニュアルに書いてるんですがなかなか浸透してないです。自転車に限らないチェーンメーカーで見ても大体記載されてます。「アルカリ性洗剤で洗っても今まで切れた事ないから問題なし!」と言う人は「今まで事故に遭った事ないからライド時にヘルメット被らなくても問題無し!」とお考えなのでしょうか。自己責任と言えばそれまででしょうが。
メールまで頂いてしまいました(ありがとうございます)。
いえいえこちらこそご紹介して頂き有難うございます。
チェーンにアルカリ性はNGってどのチェーンメーカーさんも言及されてるんですがなかなか浸透してないので拡散して頂けるとありがたいです。
チェーン用のディグリーザーについての考えとの事ですが質問の幅が広すぎて何とも…。一般的に販売されているものは中性の物が多いので特に問題視しておりません。ただ一部アルカリ性の物があるので注意は必要かと考えております。note記事のチェーンもアルカリ性のクリーナーで発生しております。
アルカリ性クリーナーで脱脂→水洗い→タオルで拭く→注油をしていたそうですが内部に水が残った状態で注油しても水が油をはじくので油の被膜が形成されない上に水が錆を誘発、アルカリ成分も落とし切れておらず濃縮されて金属への攻撃性も高まり脆性発生、破断となってます。
灯油については火の元には気を付けて頂ければと思います。自転車用のクリーナーがもちろんいいですが自転車チェーンの洗浄には問題ないと考えております。
ありがとうございます。
実はこの件、

違う読者様からこういう声も頂いてました。
けど和泉チエン様のクラック画像、あれもアルカリ性洗剤を使用後に水洗いしていたようですね。
【ちゃんと水洗い】というのが難しいのですが、ちゃんと出来たかどうかの証明は誰にもすることが出来ませんし・・・
そもそもちゃんと水洗いすればOKなのか?という疑問もありますが、ハッキリ言えることとしては和泉チエン様が挙げている画像、あれはアルカリ性洗剤を使用後に水洗いしているという事実でしょうか。
さらにメールを頂いたのですが、クラックが入ったチェーンの件、試験してみたところアルカリが残っていたとのこと。
殆どは中性なので問題はないかと思いますが自転車用、チェーン用と謳っているものでも商品情報に
アルカリ性と書かれていたり裏面の表示にアルカリ剤等書かれているかと思います。
これは本当になぜなのか分かりかねます…。仰る通り「キチンと水洗い」の証明は不可能、もしくは大変な労力がかかるかと思います。
note記事のチェーンもしっかり水洗いしたとユーザーは仰っていましたが
返却されたチェーンに試験紙を当てるとアルカリ反応が出ていましたしクリーナーの匂いもかなり残ってました。水洗いを推奨していない理由も内部の水を完全に出し切る確認が非常に難しい、水を出し切る労力が大きい為です。
水置換オイルの存在も存じてはおりますが置換する為に必要な量も状況により変化すると考えられるので「かけたから大丈夫ですよね?」と聞かれても証明が難しいです。製品の問題ではなくメーカーが想定する使用量なのかが分かりかねるので。
なので中性クリーナーを使った方が結果的に楽かと思います。
ここまで言っておきながらなんですがチェーンは結局のところ消耗品になりますので洗浄を割り切るのも必要かと思います。「メーカーが言ってるとしてもさすがにこんな事起こる訳がないだろう」との指摘もあり、そう思われるのもごもっともなのですが
メーカーは自転車チェーン以外の製造もしておりさまざまな環境にて使用された際に起こった不具合などのデータの蓄積がある上での発信になります。「自分には起きていない≠大丈夫」ではないのは
「ノーヘルでライドしても事故に合わなかったから問題ない」
「パンクしたことないからリペアキット必要ない」
等で例えれば分かって頂けると考えております。
【しっかり水洗い】という塩梅は人それぞれなのでどこまでなのかは不明としても、自称しっかり水洗いしてもあのような状態になりうるということです。
水置換オイルについても、置換するためにどれくらいのオイル量が必要なのかなど不明で、それによって100%大丈夫とも言い切れない様子。
リスクへの考え方
もう10年くらい前の話だと思いますが、まだロードチューブレスが全盛とも言えない時代。
マヴィックのキシリウムとか、カンパニョーロなどリムに穴が開いていないクリンチャーホイールを、シーラント入れてチューブレス化するという話がそこそこ出回ってました。
クリンチャーリムを無理矢理チューブレス化した場合のリスクというのは、エア漏れではありません。
パンクしたときなどにリムからタイヤが脱げる可能性があるということ。
そんなリスクを背負ってまでやるべきことなわけもない。
けどそれでパンクしたことが無い人にとっては、

リムブレーキで、カーボンクリンチャーにラテックスチューブはNGということはよく知られたことと思いますが、これもショップによっては

平気でこういうことを言う場合もあるらしい。
カーボンクリンチャーにラテックスがNGな理由は、ブレーキ熱でラテックスチューブが溶けるから。
溶けるリスクがあるから、が正解か。
なので理論上、ブレーキを掛けなければ問題ないとも言えますが、違う問題が生じるのは誰でも理解できること。
けどこういうのも、

こういうことを平気で言ってくる人もいる。
自分が大丈夫なことと、他人が大丈夫なことが同じ??という時点で不思議ですが、そういうのもブレーキングの上手い下手という問題にされたりする。
単に問題点をすり替えているだけジャマイカ・・・
俺がやってみたところ大丈夫だったよ!理論って、基本的には【ずっとゴムなんて使ってないけど大丈夫だよ理論】と同じだと思っているので、基本的には信用しないことにしてます。
そりゃ私だって、余計なもので覆うことなく、自然な形で楽しみたいですよ。
マジでキレそうですよ。
誰なんですか?
ゴムは安全で安心だと広めてしまった人は!
取り乱しました。
さて、マジックリンの話。
マジックリンを使ったから即座にクラックが入るわけではないし、それで問題ないという人もいるでしょう。
そこが問題なのではなくて、金属を脆くする作用があるということと、クラックなどが入る可能性が、中性洗剤を使うよりも高くなるよというところが問題なわけで、実験して大丈夫とかあんまり関係ないように思うんですね。
まあ私も昔は、

こんなことを言って呆れさせた経験もあるのであまり大きな声では言えませんが、実際に問題が起こったからダメで、問題が起こらなかったらセーフという結果論で語る問題なのか?というところには疑問です。
私も欲望丸出しで結果論で語ろうとした黒歴史があるので、大きな声では言えませんが。
普通に専用品を使えばいいだけなんですが、カネの問題なんですかね?
【ちゃんと水洗い】というのが難しいのですが、ちゃんと出来たかどうかの証明は誰にもすることが出来ませんし・・・
そもそもちゃんと水洗いすればOKなのか?という疑問もありますが、ハッキリ言えることとしては和泉チエン様が挙げている画像、あれはアルカリ性洗剤を使用後に水洗いしているという事実でしょうか。
例えに使うのがヘルメットという点で、私との人間性の違いが浮き彫りになった気がします。
私はゴム不要論者のクズ男が真っ先に頭に浮かびましたが、サイクリストたるもの、ヘルメットの話のほうがしっくり来ますね。
こういうところで人間性が出るんだなと思い、下劣な人生を歩んでいる自分自身に猛省してます。
ということで、マジックリンをチェーンに使うのは無しです。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
科学的に分析されている方もいらっしゃるのにとりあえず思いついたゴムなし生ハメとかトンチキな例えで自分の考えが間違いなく正しいと思わせようとする精神は確かに下劣ですね。
同類だからすぐ思いついたのでしょうか。
科学的に分析された方は聞いたことがありませんが、科学的に分析したかのような話をしている方の間違いでは?
両者は明確に異なる存在ですよ?