ずいぶん前に滅亡されたブランドさんですが、散り際に
結線はもはや腐敗と不正の象徴
このような名言を残していったことでも有名です。
正直なところ、一体何だったのかについてはよくわからないままなのですが、よくある検査法についてはあんまり納得したことが無いと言いますか。
よくある検査法
ホイールの剛性の検査法は極めてシンプルです。
ホイールを横にして、リムの一端を固定。
その反対側に荷重を掛けて変形量を調べるというもの。
剛性=たわみにくさなので、ホイールの横剛性の検査法自体は何ら難しいものではない。
縦剛性については、ホイールを縦にして同じく荷重を掛けるだけのこと。
こちらでも普通に横剛性の検査をしてますね。
これはこれでいいんですが、どうにも腑に落ちないというか。
ホイールの静的状態での横剛性とか縦剛性はこれで何ら問題なく計測できるし、実験設備さえあれば誰がやっても同じデータが取れる。
だけど、ホイールに対して実走でかかる力って、ホイールを真横に押すわけではない。
リアホイールの絵。
自転車自体と乗り手の体重でホイールに対して垂直方向の力が掛かっていて、ホイール自体を駆動させるのはチェーン。
ホイールの真ん中をチェーンで引っ張ってスポークを介してリムを回すわけで、単純な横剛性の検査をしただけで結線は意味が無いとか言うのも・・・なんか違うんじゃね?と思うのは私だけ??
※実際に外を走っているときには、路面の状態や自転車の傾きに応じてリムを横方向に動かす力も当然かかる。
なので、ホイールの静的状態に対する横剛性の結果だけを見て結線は効果が無いと断言してもいいのだろうか?という謎しか残らない。
もちろん、静的状態の縦剛性と横剛性からある程度類推できる部分はあるにせよ、実走で掛かる力が違うんだから・・・横剛性の検査だけで結論付けるのも気持ち悪い。
某滅亡したブランドさんのコラム(?)で登場していた何かの文献では確か結線で縦横捻じれ剛性の変化はないみたいにあったと思うんですが、そもそもあれってどういう実験をしたのかわからないのでコメントしづらいw
海外の論文?だと思うのですが、実験とコンピューターのシミュレーション結果だったみたいなような気がするけど。
とは言っても
全く効果が無いとすれば、わざわざ手間を掛けて結線はんだ付けするんか?というのも当然疑問。
実際、タイラップで疑似決戦してみたら体感上は全然違う!みたいな報告は昔からあるわけですし。
壮大な気のせい、というわけではない。
そうなったときに、一つヒントになるのって結局これだと思うんだよなぁ・・・
コラムとバイシクルクラブの記述を読むと、接触交差のスポークで組まれたホイールで実験すると、いいデータが取れなかったから非接触交差に組み直して実験したと読み取れる。
その時のデータを公表していればまた面白い展開になったはずなんだけど・・・あれはいったい何だったのでしょうかw
ちなみにですが今回の話。
読者様が手持ちの古いホイールについてタイラップで疑似結線してみて乗ったら体感上は全然違ったみたいな体験談を教えてくれたので書いたまでです。
体感なので客観性は特にありません。
たぶん結線がらみの話って、体感しているのがどういう要素なのかを客観的に示せていないことなのかなと思うので、今のところ明確に結線を否定するのも微妙なのかなと考えています。
スポークの固有振動数の変化が体感に現れているのではないか?という話も以前どなたからか言われましたが、それについても固有振動数の変化がどのようにホイールの性能と関わるのかもわかりませんし。
誰か滅亡したブランドさんと同じ実験を、非接触交差、接触交差、結線アリの3パターンでやってくれ。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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