昨年ですが、東京都立大学の自転車部の新歓イベントで、新入生がお亡くなりになるという悲しい事故があったのをご存じでしょうか?
こういう事故ってホント悲しいよなと思いつつ、たまたまいろいろ調べている段階で事故について中間報告として発表してあることを知りました。
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事故の原因
詳細な事故報告書ですが、これについては見てもらった方がいいと思います。
https://www.tmu.ac.jp/extra/download.html?d=assets/files/download/news/20211210_houkoku.pdf
事故自体については21ページあたりからです。
初めてロードバイクに乗った完全初心者さんの話のようです。
片道11キロというそれほど長い距離でもなく、時速も15-20キロ程度でゆっくり走っていたのとのこと。
下り坂になったときに、お亡くなりになった学生さんが徐々に速度が上がり、先頭の上級生を追い抜いてしまった。
恐らくは自分の力でブレーキを制御できなくなったということなんでしょうけど、それに対してほかの上級生が助けることも出来ない。
速度が上がったまま左カーブを曲がり切れず、縁石に衝突したという悲しい事故のようです。
本来の予定では、新入生には勾配が緩くなる旧道(歩道)を通行させる予定だったものの、先頭の学生が見逃してそのまま通過したというミスはあったんでしょうけど、ブレーキで自分を制御できない状態というのは、第三者が助けることはできない。
右側の歩道部分が旧道のようです。
試走にて下ハンドルを怖がったとのことでブラケットポジションで下っていたようですが、先頭の学生を追い抜いてしまったということから見ても、ブラケットポジションでは十分なコントロールが出来なかったのだろうと推測されます。
握力的な問題なのかもしれないし、その理由は不明ですが、どちらにせよブレーキをしっかり働かせることが難しい状況で勝手に速度が上がってしまった。
悲しい事故ですね。
いろいろ難しいところですが
自転車のスペックも不明ですし、どの程度の体力があったのかなども不明なので、推測であーだこーだと書くのも気が引けるところ。
とりあえず、下り坂でブレーキをしっかり働かせることが出来ず、勝手に速度が上がってしまったということなんですかね。
自転車は貸出だったようですが、それこそ初めてドロップハンドル車に乗ったとのこと。
その人に合わせてブレーキレバーなどをセッティングしたのかどうかなどについては特に記載がなくわかりません。
ただし、自転車自体はきちんと整備し、一部はショップに預けてメンテしたようです。
慣れている人からすれば、片道11キロという距離も近距離の範疇でしょうけど、下り坂で制御不能になるというのはやはり恐ろしい。
誰も助けることが出来ませんし。
自分がコントロール出来る範囲の速度で乗る、というのはロードバイクに限らず車両全般に言える大前提と言えますが、何らかの理由で制御不能に陥ることもあるわけで、それこそ女性の場合、ブレーキレバーを握る握力が弱く制御不能になる可能性すらある(この事故での原因は不明です。それこそリムブレーキなのかディスクブレーキなのかもわかりませんし)。
可能性としては、ブラケットポジションでのブレーキ操作に必要な握力が不足した(疲労、長い下りによる長時間のブレーキング等)と思われますが、女性で、かつ初めてロードバイクに乗った人の場合、一般的な男性が想像するよりもはるかに大きな負担になる可能性もある。
こういうのって、本人に聞くと「大丈夫です」とか回答されちゃうけど、周りが見極めないといけないんでしょうね。
それこそ、フラットバーのクロスバイクのほうが初心者さんには扱いやすいことも多いですが、ブレーキについては命に直結する部分。
握りやすいセッティング、コントロール出来るパーツのスペック(ブレーキのグレードやディスクブレーキ、フラットバーなど)、相応の練習を積んだ上じゃないとこういうトラブルを回避するのは難しいのかもしれません。
ずいぶん昔のことですが、クロスバイクを買ったという知人女性に誘われて一緒に走ったことがあります。
某サイクリングロードをひたすら上流に向かい、折り返して下流にもどっただけのことですが、サイクリングロードなのでほぼ平坦。
その日、なんだかんだ80キロくらいは走ったと思いますが、私の感覚ではクソ遅い。
けどしょうがない。
ずいぶん前にツールド東北を走った時のこと。
100キロコースでしたが、まだ10キロ走ったかどうかのところで、たぶん5%程度の登りがありました。
尋常じゃなく前が渋滞し始めたのですが、なぜか既に自転車から降りて押している女性もいる。
どうみても初心者だと思いましたが、これで押している状態なのに、どうやって完走するのだろう?と疑問に思いました。
頑張って走る気持ちは買うけど、ツールド東北のコースはアップダウンが激しく、危険を伴う。
相応の練習を積んで最低限の力がないと、単に完走できなかったというだけではなく、落車等の危険に繋がりかねない。
なおこのツールド東北では、ボランティアのサポートライダーの方がお亡くなりになりました。
走行中に病死したらしいですが、報道で見る限り、たぶんほぼ同じグループみたいなので走っていたっぽく。
友達の元旦那は、車を運転中に病死しましたが、本当に怖いこと。
初心者に対して、いきなり時速40キロで走らせるような初心者講習会もあるらしいのでさすがに絶句しますが、自分が簡単にできるということが、他の人にとっても同じではないということなのかもしれません。
あえてあんまり詳しく論評しませんが、読んだ上でそれぞれ考えてもらえれば。
ご冥福をお祈りいたします。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
自分の能力を優れてると過信する事は最も始末が悪いと某少年漫画で読んだ事がありますが、自分もやった事があります。
ロードバイクを買って暫くしてからの初めての峠道、クロスバイクで何度か来たことがあったという油断もあったかもしれません。
頂上から降り出して最初の左コーナーで曲がりきれず止まることもできず(落車覚悟なら止まれたのかも?)危うくセンターラインを割る所でした。
早朝だった事も幸いしたのか対向車もなく、一人ドキドキするだけで済みましたが危うく死ぬ所でした。
元々105コンポにノーブランドブレーキの完成車だったので、帰宅後即アルテグラに変えました。
依頼、下りのコーナー前は特に注意して走っています…
コメントありがとうございます。
実際にヒヤリ体験をするまでは、危険なことに気がついてないことってありますよね。
事故に至る前に気がついたのは不幸中の幸いだと思います。