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「まとめ」電動キックボード法案、可決。

免許不要で乗れる電動キックボードについて、改正道路交通法が可決されました。
わかるようでわかりづらい改正についてまとめておきます。

既存の電動キックボードとのすみわけ

新しく道路交通法に規定された電動キックボードは、「特定小型原動機付自転車」となります。

既存の電動キックボード特定小型原動機付自転車
免許不要(16歳以上)
ヘルメット必須任意
最高速度30キロ20キロ
歩道通行不可時速6キロまでしか出ないモードに切り替えた場合、「自転車通行可」の標識がある歩道は通行可
通行ルール原付自転車とほぼ同じ(歩道通行に制限あり)

以下、新しく登場する特定小型原動機付自転車のことをこの記事では「特定電動キックボード」と称します。

自賠責保険は必須

警察庁有識者会議でも提言があったように、特定電動キックボードは自賠責保険が強制加入になります。

特定電動キックボードは、あくまでもカテゴリーは「原付」です。

改正道路交通法

第二条
十 原動機付自転車原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて次に掲げるもののうち、軽車両、移動用小型車、身体障害者用の車、遠隔操作型小型車及び歩行補助車等以外のものをいう。遠隔操作型小型車及び歩行補助車等以外のものをいう。
イ 内閣府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用いる車(ロに該当するものを除く。)
 車体の大きさ及び構造が自転車道における他の車両の通行を妨げるおそれのないものであり、かつ、その運転に関し高い技能を要しないものである車として内閣府令で定める基準に該当するもの
第十七条
3 特定小型原動機付自転車(原動機付自転車のうち第二条第一項第十号ロに該当するものをいう。以下同じ。)、以下略

これらによると、特定電動キックボードはあくまでも原付のカテゴリーだと定義されています(2条1項10号ロ、17条3項)。
自賠法では、道路車両運送法に定める原動機付自転車は自賠責保険の加入義務を定めていますから、特定電動キックボードについても自賠責保険は加入必須になる。

なので自賠責に加入せずに特定電動キックボードに乗った場合には、無保険運行になります。

保険屋はこれに合わせて任意保険もプッシュするかと。

ナンバープレートも必須

特定電動キックボードは、専用のナンバープレートが必須になります。
そのため、いわゆる当て逃げなどの追跡も可能になる。

これについては、キックボードの形式認定も含めての話になると思われますが、詳しくは未定のようです。

歩道通行は一部可能

特定電動キックボードについては、以下の条件を満たした場合のみ歩道通行が可能です。

①時速6キロまでしか出ないモードに切り替えたことが外見上明らかな場合(ランプによる表示)
②「自転車通行可」の標識がある歩道のみ

自転車の場合は、「自転車通行可」の標識がない歩道でも危険防止のためやむを得ない場合には歩道通行できますが、特定電動キックボードは標識がある歩道に限定されます。

(特例特定小型原動機付自転車の歩道通行)
第十七条の二
特定小型原動機付自転車のうち、次の各号のいずれにも該当するもので、他の車両を牽引していないもの(遠隔操作により通行させることができるものを除く。以下この条及び次条において「特例特定小型原動機付自転車」という。)は、前条第一項の規定にかかわらず、道路標識等により特例特定小型原動機付自転車が歩道を通行することができることとされているときは、当該歩道を通行することができる。ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。

一  歩道等を通行する間、当該特定小型原動機付自転車が歩道等を通行することができるものであることを内閣府令で定める方法により表示していること

二  前号の規定による表示をしている場合においては、車体の構造上、歩道等における歩行者の通行を妨げるおそれのない速度として内閣府令で定める速度を超える速度を出すことができないものであること

三  前二号に規定するもののほか、車体の構造が歩道等における歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当すること。

2 前項の場合において、特例特定小型原動機付自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(普通自転車通行指定部分があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、特例特定小型原動機付自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。
(罰則第二項については第百二十一条第一項第八号)

1項に罰則がないように勘違いされる可能性がありますが、17条の2第1項に違反して歩道を通行した場合には「17条1項の違反」になります。

(参考)

(通行区分)
第十七条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。以下略

路側帯も通行可

自転車と同じく、特定電動キックボードは路側帯を通行可能です。
あくまでも歩行者優先ですが、歩道通行時とは異なり「時速6キロ以下モード」にする義務はありません。

当たり前ですが、通行できる路側帯は道路の左側の路側帯のみ。

路側帯=歩道がない場合の車道外側線の外側

(特例特定小型原動機付自転車等の路側帯通行)
第十七条の三
特例特定小型原動機付自転車及び軽車両は、第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、道路の左側部分に設けられた路側帯(特例特定小型原動機付自転車及び軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる。
2 前項の場合において、特例特定小型原動機付自転車及び軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない

左側端通行義務

特定電動キックボードは、自転車と同じく左側端通行義務があります。

(左側寄り通行等)
第十八条
車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び一般原動機付自転車(原動機付自転車のうち第二条第一項第十号イに該当するものをいう。以下同じ。)にあつては道路の左側に寄つて、特定小型原動機付自転車及び軽車両(以下「特定小型原動機付自転車等」という。)にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。ただし、追越しをするとき、第二十五条第二項若しくは第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りではない。

なお、18条以下で「特定小型原動機付自転車等」という場合、特定電動キックボードと軽車両(自転車)のことを意味します。

今までは「軽車両は」と書いてあった部分が「特定小型原動機付自転車等は」に置き換わっていることに注意。

二段階右折義務

実証実験では電動キックボードを小型特殊自動車扱いしていたため二段階右折が禁止されていましたが、改正道路交通法においては全ての交差点で特定電動キックボードは二段階右折義務があります。(自転車と同じ)

第三十四条
3 特定小型原動機付自転車等は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。

なお、降りて押して歩けば歩行者扱いなので、このようにすることも可能です。

自転車道は「通行可能」

自転車道(サイクリングロードではない)は、特定電動キックボードは通行可能です。
ただし、普通自転車とは異なり通行義務はない様子。

第十七条
3 特定小型原動機付自転車(原動機付自転車のうち第二条第一項第十号ロに該当するものをいう。以下同じ。)、二輪又は三輪の自転車その他車体の大きさ及び構造が自転車道における他の車両の通行を妨げるるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当する車両(これらの車両で側車付きのもの及び他の車両を牽引しているものを除く。)以外の車両は、自転車道を通行してはならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ないときは、自転車道を横断することができる。

そのほか、「普通自転車専用通行帯」も通行義務になると思われますが、標識令の改正で対応すると思われます。

まとめ

特定電動キックボードの通行ルールです。

条文可否
車道18条1項、20条1項左側端、第1通行帯
歩道17条の2時速6キロモードの場合に、「自転車通行可」の標識がある歩道限定(歩行者優先)
路側帯17条の3左側路側帯のみ(歩行者優先)
右折方法34条3項二段階右折
ヘルメット任意(努力義務)
押し歩き2条3項2号歩行者扱い

自転車とだいたい同じと思えばよい。
懸念点は多々あります。
時速20キロ以上出る電動キックボードについては、今まで同様に「原付」扱い。
免許必須、ヘルメット義務です。

これと特定電動キックボードの見分けとか、違法改造とか、歩道爆走とか。
ですが特定電動キックボードについては、青切符対応ですし、自賠責保険は加入必須になるため、まだマシかなと。

施行まで2年の猶予期間があるみたいですが、世間の風当たりは強いですね。