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歩道を横切る前に一時停止しない車。やはり事故の元。

先日の判例。

車が道路外の施設から歩道を横切って車道に進入する際は、歩行者を妨げてはならない義務があります。 自転車は一応、歩道を通行するこ...

判例と似たように事故になった方からメール頂きました。

歩道で一時停止しない車

読者様
読者様
私も2か月ほど前にコンビニから出てくる車と接触し、自転車を全損させてしまいました。
本記事と同様に、車から見て左側から右側へ向かう方向へ歩道を走行しており、その際のスピードは10~15km/hだったと思います。
遮蔽物(電柱とフェンス)により運転手の顔は見えませんでしたが、歩道手前で一時停止した(ように感じた)ためそのまま横切ろうとしたところ、運転手の顔を見ると右を向きながら前進してきました。
そのままゆっくりとぶつかり、車道に投げ出されましたが、幸い相手のスピードも出ておらず車道を走る車もいなかったため大きな事故にはなりませんでした(自転車は全損、今も首の痛みで通院中ですが)。

事故後に自転車通行可歩道での走行可能速度を調べると、おおむね8㎞/h前後との答えが見つかりました(合ってますかね?)。
道路状況等にもよると思いますが、体感的にはかなりゆっくりですよね。
40㎞/hでかっ飛ばすのは意味不明ですが、一時停止しない車の方も大概だと思います(世の中には想像力の足りないバカが多いです。私もですが)。

車道に投げ出されたそうですが、車が来ていたら命に関わる。
歩道を横切る際の一時停止義務、かなりいい加減になっているような。

歩道を通行する自転車には徐行義務があり、歩道は歩行者のための場所と定義されているため(2条1項2号)、本来は一般的にいう徐行よりもさらに下げた6~8キロと解釈されます。
ただまあ、10~15キロは悪とまでは言い難い速度です。

判例では、時速39.6キロで歩道走行した自転車と衝突してますが、さすがに40キロ弱は無し。

(通行区分)
第十七条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。
2 前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。

この規定、2項で「歩行者の通行を妨げないようにしなければならない」とあります。
自転車の通行を妨げるのはアリ、なんて話ではなくて、自転車と衝突すれば事故になるし、車両である以上は事故回避義務がある。

事故回避義務は自転車にもありますが、17条2項は具体的危険の有無を問わず一時停止義務を課している。

守らない車、多いような。
具体的危険の有無に関係なく課されている義務って、より一層注意すべき場所だから義務なわけ。

さてこの件。
過失割合をお伺いしました。

読者様
読者様
過失割合ですが、相手保険会社より『通常、本件のようなケースでは9:1でスタートさせていただきますが、今回は加害者(車)より10:0で良い、と言われております』といった内容の連絡があり、当方の過失は無しとなりました。
相手は学生ほどの年齢の方でしたが翌日には謝罪の連絡もあり、『お互いに気を付けましょう。あとは保険屋と話します。』とだけ伝えておきました。
事故をして思ったことは、弁護士特約には絶対に入っていた方がいいということと、ヘルメットの重要性、事故をすると本当に面倒くさい、ということです。
弁護士特約は、年末に車を売却した際に保険を一時解約していたため使用できませんでした。
事故時は頭から地面へ落ちましたが、ヘルメットのおかげで本当に助かりました(事故後のヘルメットの写真を添付しておきます)。

ヘルメット被っていて良かったですね。
似たような判例でも、10:90になっています。

ずいぶん前に、道路交通法38条と自転車についての判例を書いてますが、 重大なミスがあり一部訂正します。 訂正...

この判例については、キーワードだけピックアップする手抜きをしたせいで大変失礼致しました。
こういうケースでやたらゴネる加害者もいますが、真摯に受け止めて全過失を負うとの話の様子。
まあ、本当の意味で真摯な態度というなら、歩道を横切る前に一時停止義務を果たすことになりますが、せめて今回の失敗を二度としないことや、周りのご友人などにも広めて頂けると。

ちょっと気になる点

この方からのメールの中に、こういうのがありました。

読者様
読者様
社内でも事故の詳細等を伝えましたが、『逆走になるんじゃないか?』と言われたり、『歩道を走ったらダメでしょ』と言われたり、なかなかルールの理解が進んでないなとも思いました(『ここの歩道は自転車通行可です。ここに標識があります。』と伝えると『全然気づかなかった。』と言っていました)。

結局のところ、日本には自転車ルールに精通した人なんて存在しない可能性もあります。
警察官ですらよくわかってないし。

考えてみてください。
ルールを理解してない人が、自転車という車両に乗る可能性はあるわけです。

こんな恐ろしいことはない。

不幸中の幸いで済むならまだしも、歩道を横切る際の一時停止義務はきちんとしないとね。

ちなみにこの判例を取り上げた理由。

車が道路外の施設から歩道を横切って車道に進入する際は、歩行者を妨げてはならない義務があります。 自転車は一応、歩道を通行するこ...

過失運転致死傷罪の成立って、結構細かいのです。
たまたま読んでいた判例でしたが、「原判決は是認できない」とあったので、びっくりして主文を確認しちゃいました。

是認できない理由は、一時停止義務違反のみでは事故を回避できず犯罪が成立しないという意味だったけど、ボンヤリ読んでいたら勘違いしそうになった。
一瞬、無罪にするのかと思いまして。

一時停止だけでは足りず、見えないならわずかに前進→一時停止して確認→わずかに前進を繰り返せという意味ですが、本来、こうした慎重さが求められているわけです。
歩道を40キロ弱は信じがたいけど。
一応、被害者の責任も考慮した判決になってます。

【量刑の理由】
路外施設から歩道を横断して車道に進出するという高度の慎重さを求められる場面において注意義務を尽くさなかったことを考慮すれば,被告人の過失は大きなものといわざるを得ない。また,被害者の負った傷害は,脊髄損傷等と重篤なもので,入院加療150日間を要したほか,後遺症も残存するとされており,本件結果は重い。
しかしながら,本件においては,道路交通法上,徐行義務のある歩道上で,時速約39.6kmという高速度で自転車を運転し,被告人車両が歩道上に進出して来ているのを認識しながら,あえて停止等の措置を執ることなくその前を通り過ぎようとしたという点で,被害者の行為が本件事故の一因を形成し,あるいは,本件傷害の結果の重さに影響した側面があることは否定できない。
こうした犯情を踏まえ,被告人にこれまで前科前歴が見当たらないことなどの一般情状をも考慮すると,被告人に対しては,原審検察官の求刑よりも若干減額した上で,主文の罰金刑に処するのが相当である。

広島高裁 令和3年9月16日

ちなみになんですが、店の駐車場から歩道の見通しが悪い場合、いわゆるミラーとか設置しないのですかね。
公道に勝手に設置するわけにはいかないから、店の敷地内で工夫できる余地はあると思う。