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すみません、横断歩道と自転車の判例、一部訂正。

ずいぶん前に、道路交通法38条と自転車についての判例を書いてますが、

こちらにまとめ直しました。 先日このような記事を書いたのですが、 記事でも書いた...

重大なミスがあり一部訂正します。

訂正

上の記事の中で、名古屋地裁平成23年10月7日について、自転車に対して38条の義務を認めた!みたいに概略を書いていたのですが、すみません。
流し読みした天罰でして、横断歩道の事故ではなく、「歩道」の事故でした。 

簡単に概略を書きますと、道路外の施設から車が車道に出る際に、「歩道」を通行していた自転車と衝突。
原告の主張の中に「道路交通法38条1項では、横断歩道又は自転車横断帯を横断する歩行者又は自転車がいるときには一時停止義務があるのだから、歩道も同じだろ!」みたいなのがありまして、判示の中で38条1項の話が出てきているため、流し読みした結果間違いました。

あの記事、見ればわかると思いますが、終盤が明らかに力尽きて概略だけにしたのが間違いでした(言い訳)。

ご指摘頂いた方、ありがとうございます。

改めて確認したところ、横断歩道を横断する自転車について何ら判示していないことから削除しました。

他の判例についても、早急に点検します。

なお、名古屋地裁の判例の一部を引用します。

車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(横断歩道等)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(歩行者等)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前で停止することができるような速度で進行しなければならないし、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない(道路交通法38条1項)。車両が路外から歩道に進入して車道に出る際に歩道に接近する場合にも、同様のことがいえるというべきであるから、このような場合、車両の運転者は、当該歩道を通過する際に当該歩道を進行しようとする歩行者又は自転車(歩行者等)がないことが明らかな場合を除き、当該歩道の直前で停止できるような速度で進行しなければならないし、当該歩道を進行しようとする歩行者等があるときは、当該歩道の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

それにもかかわらず、被告は、本件歩道に進入するに際し、本件歩道の前で一時停止したものの、被告車の進路前方にある本件歩道を進行する歩行者等への注意、特に右側から進行してくる歩行者等への注意を怠り、右側から進行してくる原告自転車に気がつかないまま本件歩道に進入した結果、原告自転車の左側面に被告車を衝突させたものであり、本件事故の発生につき、被告には、路外から歩道に進入するに際し歩道上を進行する歩行者や自転車に注意し、その進路を妨害しないようにすべき義務に違反した過失がある。

名古屋地裁平成23年10月7日

本当にすみません。。。
ケアレスミスどころの騒ぎではなく、何ら横断歩道に関係しない判例でした。

ただしちょっと疑問なんですが、これは通常、25条の2第1項の義務ではないかと。

(横断等の禁止)
第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない

歩道を進行する自転車は、25条の2第1項がいうところの「正常な交通」に当たらないからなのかは謎です。

ですが原告の主張がなぜか38条を流用なので、判決文もそうなります。

弁論主義

これは以前も書きましたが、裁判は弁論主義、当事者主義なので、原告や被告が主張していないことについては、裁判官は一切考慮出来ません。
例えばこれ。

ちょっと前に取り上げた件。 この記事で取り上げたブログさん、ほかにも判例について解説(?)をしているようなので...

逆走自転車と順走自転車が衝突した事故ですが、順走自転車が過失100%になっています。
ですがこれ、順走自転車側が、なぜか相手方の「逆走違反行為」について主張していないため、判決文でも逆走については一切考慮されていません。

他の事例だと、道路交通法27条は自転車には適用されない条文。

まあまあ今更感はある内容ですが、以前書いた記事。 回答が来ましたので。 自転車には道路交通法27条は適用外 ...

ところが、自転車に対して27条追い付かれた車両の義務を認めた判例がある。
私が確認したところ、最低でも2つ見つかります。

堅苦しい話が続いていますが、一つの参考になるかと思いまして。 自転車の場合、道路交通法27条の【追いつかれた車両の義務】は適用...

なぜこのようなことが起こるかというと、この判例、原告も被告も「自転車には27条追い付かれた車両の義務がある」と主張しているからです。

・車の主張「自転車には27条により一時停止義務があるのに果たしてない」
・自転車の主張「最大限左端に寄り回避したから、27条の義務を果たした」

つまり争点は27条の義務を果たしたかどうかであって、27条が自転車に適用されるかは争点になっていない。

双方が27条の義務があると主張しているのに、裁判官が

管理人
管理人
お前らは自転車にも27条が適用されるというけどな、オレ様から言わせてもらうと、27条は自転車には適用されないのだ!

このような判決文は書いてはダメなのです。

上の名古屋地裁の判例も、「歩道」なのに38条1項の概念を流用した注意義務があると原告が主張したので、裁判官が38条の概念を歩道にも適用しただけのこと。

読めばわかることなのに、流し読みして全く頭に入っていない状態で、「道路交通法38条1項」という部分に脊髄反射した私のミスでした。
私はしんでしまったほうがいいですね。

他の判例も早急に点検します。
ここまでの話である程度わかるとは思いますが、争点になり争ったのか、双方が認めたのかにより意味が違うわけです。

こちらにまとめ直しました。 先日このような記事を書いたのですが、 記事でも書いた...

横浜地裁 令和元年10月17日って、横断しようとする自転車があるときは、徐行義務があるのは双方認めていて、車の主張は「横断しようとする予兆がなかった」と読めます。
大阪地裁 平成30年8月31日は、車のほうは横断歩道で一時停止義務があることには争いが無く、歩行者等を横断させるために一時停止義務は十分果たしていたという主張。

38条について争ってないわけで、さほど重要な判例とは思いませんが。

とりあえず、急ぎの訂正。