メリダの似たような価格帯のロードバイク、スクルトゥーラ700と4000について質問を受けました。
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メリダのバーレーンメリダチームレプリカがカッコいいと思っていて、似たような価格帯のSCULTURA700とSCULTURA4000で迷っています。
アルミフレームとカーボンフレームという違いがありますが、どれくらい差があるのでしょうか?
主にロングライドで使う予定です。
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回答します。
SCULTURA700とSCULTURA4000のスペックの違い
この二つですが、メインコンポはシマノ105という共通点があり、なおかつ10万円台後半という共通点があります。
明確な違いですが、SCULTURA700はアルミフレーム、SCULTURA4000はカーボンフレームという特徴があります。
メリダ 2018年モデル SCULTURA 700 / スクルトゥーラ 700 【ロードバイク/ROAD】【MERIDA】【送料無料/沖縄離島除く】【smtb−k】【kb】
パーツスペックを見ていきましょう。
スクル700 | スクル4000 | |
フレーム | SCULTURA LITE
(フルアルミ) |
Scultura CF2
(フルカーボン) |
フォーク | ROAD CARBON RACE
(フルカーボン) |
Scultura carbon pro
(フルカーボン) |
クランク | 105 52-36T | FSA Gossamer 50-34 |
BB | PF86 | PF86 |
Fディレーラー | 105(直付) | 105(直付) |
Rディレーラー | 105(ショートケージ) | 105
(ショートケージ) |
ブレーキ | 105 | シマノR561 |
STI | 105 | 105 |
ホイール | フルクラム レーシングエクスパート | Merida Expert SL pair |
タイヤ | Maxxis Dolemites 25 fold | Maxxis Dolemites 25 fold |
スプロケット | 105 11-28T | 105 11-28T |
重量 | 8.5キロ(サイズ50) | 8.1キロ(サイズ50) |
定価(税別) | 169,900 | 199,000 |
パーツスペックですが、スクルトゥーラ700はフル105なのに対し、スクルトゥーラ4000ではクランクをFSA、ブレーキをシマノとはいえR561にしています。
R561はティアグラと105の中間みたいなイメージです。
ホイールはスクル700ではフルクラムのレーシングエキスパート、スクル4000ではメリダのオリジナルホイールです。
前に情報を提供してもらった方によると、スクル700にレーシング7がついてきたという話も聞きました(2018年モデル)。
ただし、これだけでレーシングエキスパート=レーシング7とは断言できません。
何らかの事情でホイールの調達が間に合わなかった場合に、時々こういう事態が起こりますので。
レーシングエキスパートがついているスクル700のほうがホイールはいいと言えばいいのですが、ぶっちゃけて言うとどっちも最下層のホイールであって、最下層同士を比べたらわずかに700のほうがいい程度です。
そこまで劇的な差になるわけではないので、ホイールについては走りを良くしたいならいずれ交換するものと考えておいたほうがいいです。
走りを大きく変えるのがホイールですが、ぶっちゃけて言うと最低でもゾンダくらいまで行かないと大きな違いとしては感じにくいです。
Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ホイールセット
重量 | 1596g(ペア) |
リムハイト | F25mm、R30mm |
対応タイヤ | クリンチャー |
23cタイヤ | ×(25C以上) |
スポーク数 | 16/21 |
対応スピード | シマノ8-11s |
ぶっちゃけて言うと、クランクがFSAというのはあまりイケていないのです。
フロント変速のスムーズさは、クランクが105であってこそです。
ですがこの700と4000の比較では、正直なところパーツスペックで判断しないほうがいいと思います。
アルミフレームとカーボンフレームという、フレームの違いがメインであって、パーツスペックの違いは小さい要素です。
SCULTURA700とSCULTURA4000のフレームの違い
700はアルミフレーム、4000はカーボンフレームです。
この違いが大きな要素です。
一般的にカーボンフレームのほうがアルミフレームよりも上位と考えることが多いですが、確かに製造コストは4000のカーボンフレームのほうがかかっています。
走りについて、フレームの違いをあげていきます。
まずスクル700のアルミフレームですが、アルミらしい剛性感がありながらも、それでいて振動吸収性もそれなりに重視しているフレームです。
私はスクルトゥーラのアルミフレームを結構評価していますが、実はこのフレームはそこまで軽量というわけでもありません。
軽量アルミフレームというと、キャノンデールのCAAD12とかジャイアントのTCR SLRなどがありますが、これらよりも重いです。
ただ、走った時の感触としては、重量ほどの重さを感じさせず軽快な感じがします。
次にスクル4000のカーボンフレームです。
価格帯的に、スクル4000のカーボンフレームは【カーボンフレームの中では安価】と言えます。
安価なカーボンフレームの特徴ですが、アルミフレームよりは軽いもののそこまで軽量というわけではありません。
また安価なカーボンフレームはどちらかというとフレームのシナリがあって、アルミフレームの剛性感には劣ることが多いです。
実際、スクル4000のフレームに試乗すると、振動吸収性は700よりも高いですが、フレームがシナりながら加速していくイメージです。
この感覚は表現しづらいですが、アルミの700では踏み込んだパワーをあまり逃がさずに加速するイメージで、カーボンの4000ではフレームのシナリ、タメを利用しながら加速していくイメージです。
これはどっちがいいという問題ではなく、好みの問題です。
ただ、例えばアルミのクロスバイクからスクルトゥーラ4000に乗り換えた場合、もしかしたら最初は違和感を感じるかもしれません。
アルミのクロスバイクはフレームの剛性が高いことがありますが、それに比べてシナルように感じる場合もあります。
この感覚が嫌いな人もいるのです。
ロード一台目の人なら、4000のカーボンフレームのシナル感覚はわからないでしょう。
こういう感覚は比較対象があって初めてわかる感覚です。
私の印象ですが、
・脚力が強く、とにかく速く走りたい ⇒ スクルトゥーラ700(アルミ)のほうが満足する可能性が高い
・ロングライドで快適性を重視したい ⇒ スクルトゥーラ4000(カーボン)のほうが満足する可能性が高い
こんな感じでしょうか。
耐久性はどっちが上?
耐久性というと表現が難しいのですが、一般的にカーボンフレームとアルミフレームだと、カーボンフレームのほうが耐久性は上です。
こう書くと誤解されることがあるのですが、【アルミフレームのほうが耐久性は上でしょ??】と言われることがあります。
これは間違いです。
アルミという素材は荷重、振動、熱などを金属疲労として溜め込んで劣化する性質があります。
カーボンは紫外線の影響で劣化するのですが、アルミの金属疲労に比べるとカーボンはアルミよりも耐久性自体は高いのです。
ですが【カーボンは割れやすい】とも言いますよね。
これについてですが、カーボンは確かに、想定外の方向からの圧力にはあっけなく割れることがあります。
よくあるのは、ボルトの締め付けが強すぎて割れるというやつですね。
これはトルクレンチの使用などで防ぐことが可能です。
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最近のカーボンフレームは、落車程度で割れることはマレです。
もし落車程度で割れた人がいるなら、それは相当運が悪い人です。
超軽量フレームだと落車程度で割れやすいフレームもありますが、スクルトゥーラ4000のような低価格のカーボンフレームの場合、落車程度で割れることはほぼありません。
交通事故クラスの衝撃なら割れると思いますが、それはアルミフレームでも無事ではありません。
なので普通に正しく使っている分には、耐久性自体はカーボンのスクルトゥーラ4000のほうが上です。
アルミの700とカーボンの4000どっちがいいかですが、パーツスペックは無視してフレームで決めてください。
パーツはあとからいくらでも変更可能ですが、フレームを変えるのはなかなか大変です。
同じような【105組】のバイクでも、走りの特性は若干違いますので、加速性を重視したいのか、乗り心地を重視したいのかで決めたほうがいいでしょう。
とはいえ、スクル4000は加速性が悪いというわけではないので誤解ないよう。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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