だいぶ前にこちらを取り上げていますが、
先日、朝日新聞デジタルでも取り上げられた模様。
下ハン使え
事故の中間報告書は一年以上前に公表されてますが、概略でいうと初めてロードバイクに乗った女性が下り坂でオーバースピードによる制御不能に陥ってしまい起きた事故。
下り坂でオーバースピードによる制御不能なわけで、ロードバイクに慣れた人の発想であれば
「下ハン使え」
になるのは、ある意味当然。
たたまあ、この事故については事前の大学構内での練習で、下ハンに恐怖感が強くブラケットでも制動できていたために練習していなかったわけだ。
事前練習で下ハンに恐怖を示した人が、公道の長い下り坂で下ハン使え!なんて無理でしょ…
「ブレーキキャリパーはグレードが高いものにすべき」という意見も当然出るだろうし、それ自体はその通り。
リムブレーキよりもディスクブレーキのほうがいいという話もその通り。
ただまあ、新歓ライドでレンタルバイクなわけでね。
しかも大学生は予算的な制限も掛かるわけだし。
ブレーキレバーのセッティングなどで「その人に合わせて」使いやすいようにすることは当然だし、「下ハン使え」とか「ブレーキのグレードを高いものに」というのはロードバイクに乗る人からすれば当然。
けど、事実上初めて乗る人&下ハンに恐怖を示す人に対し、「下ハン使え」と言ったところで出来るわけもない。
平坦で下ハンを怖いという人や、静止状態で下ハンが怖いという人が、公道の下り坂で突如下ハンを使えるようになる…なんてことはあり得ないわけですし。
結局のところ
慣れた人から見たらたいしたことがない斜度の坂でも、初めてロードバイクに乗る人からすれば激坂に感じる可能性もあるわけですが、この件については同じ場所で過去に事故が起きている事実の共有が不十分だったことが一つの原因ではあると思う。
下ハンについては、使えるようにセッティングする、使えるように練習するしかないけど初めて乗る人が使いこなせないときはコースを変えるなどしかないようにも思う。
といっても、大学の場所的には坂ばかりだと思うけど…
ブレーキのグレード云々にしても、費用的にきついならサブブレーキレバーを付けるほうがいいかもしれない。
ドロップハンドルで下ハン推奨される理由は、もちろんテコの原理でブレーキレバーの先端を操作できる点にあるわけで、サブブレーキレバーを付ければその点は解消される。
まあ、サブブレーキレバーを付ければそちらに頼りがちになり、下ハンから遠ざかる方向にはなりますが…
ショップの練習会で、初心者の女性相手にいきなり時速40キロで走って置いてきぼりにするようなところもあるみたいですが、出来ない人を置いてきぼりにする方向ではなく、できることの積み重ねから楽しさを追及していかないと初心者が離脱するのは自明。
下ハン使えるまでは公道に出ない…なんてこともナンセンスですが、下ハンを恐怖だという人への対処方法が「下ハン使え」では何の解決にもならないし、それは「できる人の論理」でしかないと思うのですよ。
機材的な対処、セッティング、コース選択、休憩など様々な要素があるでしょうけど、下ハンは使えるように練習しなければ急に使えることはないです。
けど峠の下り坂みていても、ブラケットで下るロードバイク凄く多いような気もする。
「使えるように」練習することや「使えるように」セッティングすることはもちろん大事。
使えない人への対処方法…難しいよね。
長い下りの前に、ペダリングを無視してサドル高を下げて相対落差を減らすことで恐怖心を減らすみたいな荒業もなくはないですが。
フラペでも不安定な人にビンディングペダルを勧める人もいないでしょうけど、対初心者対策ってなかなか難しい。
どうでもいいけど、油圧のサブブレーキレバーってこんな高いのかな?
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント