「見た目は自転車」という特定小型原付が登場するそうな。
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見た目は自転車、中身は特定小型
product-t250 – ENNE
見た目は自転車ですが中身は特定小型原付。
やっぱりこういうものが登場するんだろうなと思っていましたが、出るのですね。
見た目は自転車ですが中身は特定小型原付なので、自転車とはルールが違います。
代表的なところを挙げてみます。
○ or✕ | 備考 | |
何歳でも乗れる? | ✕ | 16歳以上しか乗れない |
免許は必要? | 不要 | |
ナンバープレートは無くてもいい? | ✕ | ナンバープレートは必須 |
自転車保険に入ればいいよね? | ✕ | 自賠責保険必須 |
歩道も走れる? | △ | 「自転車通行可」の標識がある場合に「時速6キロモード」なら可 |
並走は違反? | ✕ | 並走を禁じた条文はないが、追いつかれた車両の義務がある |
特定小型原付って、並走を禁じた条文がない。
理屈の上では並走自体は違反になりませんが、追いつかれた車両の義務が課されているので、追いつかれた際に「道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては」並走を解除して進路を避譲しないと違反になります。
まあ、現実的には並走できる場面はほとんど無さそうな予感しかしないけど。
見た目は自転車なのに、並走自体は違反にならない。
けど、ルールをきちんと理解してない人がみたら発狂しますよね。
並走しやがって!
もう一つ疑問なのは、「自転車」については追いつかれた車両の義務の対象となる「政令で定める最高速度」が規定されてない。
なので「並走する特定小型原付」に自転車が追いついても、進路避譲義務がないので譲る義務がないという珍事も起きる。
けど、特定小型原付についてはソロライドでも進路避譲義務の対象になるので、左側端寄りとは言い難い位置を通行して追いつかれ、左側端に寄らなかったら27条2項の違反になります。
つまり、実質的には18条1項に罰則があるのと同義になるので、いろいろややこしい事態が発生しそうな予感もしています。
ENNE T250
おっと、肝心のコレですが、ENNE T250という特定小型原付になります。
時速6キロモードと20キロモードがあり、最高速度表示灯や保安装備もついてますし、ナンバープレートを取得して自賠責保険に加入すれば、16歳以上なら乗れます。
見た目は自転車、中身は特定小型原付。
見分けるポイントはナンバープレートの有無や最高速度表示灯などになりますが、個人的に懸念している点って「追いつかれた車両の義務」なんです。
というのも、いまだに某なんとか資料によると、「追い越しのための右側はみ出し禁止」道路では、進路避譲義務として一時停止して先にイカせる義務があるかのように書いてありますよね。
私なりに考察限りでは、27条は一時停止義務まで課しているとは思っていませんが、
警察庁交通企画課の「某ハンドブック」でも、だいぶビミョーな表現で濁しているのが実情。
「追いつかれたんだから一時停止して先にイカせろよ!」という声に繋がりかねないし、いろいろややこしい。
見た目は自転車、中身は特定小型。
ビミョーに自転車とは違うルールなのですが、ビミョーに違う点でやや疑問が残るし、おかしなことに繋がりかねない気がしますが、さらに言えば特定小型は青切符なので自転車よりも違反切符を切りやすい。
そういや、自転車と特定小型で並走すること自体は禁止されていないのか。
なんだか不思議な気がしますが、
「赤が特定小型、青が自転車」であれば進路避譲義務の対象で、「赤が自転車、青が特定小型」であれば自転車には進路避譲義務が課されていないから…という解釈になるのですかね?
ちょっと解釈上は興味深い結末になりそうですが、リアル世界ではそんなマニアックなところまで考えてプレイする人はいないのでしょう。
見た目は自転車なのに並走はOKで、自転車と特定小型原付の並走も禁止されてないけど、どっちが右側にいるかによって進路避譲義務の有無が違う(?)。
マニアック過ぎてこんなところに気がつく人がいるのかはわかりませんが、結局は
並走しやがって!
という目でしか評価されないのでしょう。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
自転車そっくりな車両だけでは終わりません。オートバイ(例えばホンダのモンキーやダックス)にそっくりな車両の販売も時間の問題です。
そんな車両がノーヘルで歩道を走り回る社会がもうすぐそこまで来ております。
楽しそうではありますが、新たなモビリティへの期待と様々な不安とが折り混ざり複雑な感情を感じている今日この頃です。
中速車、低速車が安全に共存できるように道路、道路行政、法の整備を行って頂きたいと切に願います。
コメントありがとうございます。
見分けがつかないけどビミョーにルールが違うので、混乱の原因になりそうな予感がしてますが、法律は分かりにくいし道路もビミョーなので一度バラバラにして再整備するくらいじゃないと厳しいのかもしれません。