特定小型原付が歩道を通行する際には、「自転車通行可」の標識がある歩道で、時速6キロモードにチェンジしないと通行区分違反(17条1項)になります。
モードチェンジしてない特定小型原付が歩道を通行している!という目撃談は度々ありますよね。
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自転車は?
特定小型原付はMAX20キロまでしかスピードが出ませんから、歩道通行時に時速6キロモードにチェンジしてないということは、だいたいは時速20キロ弱くらいで通行してますよね。
仮に時速18キロとしましょうか。
もちろん、それは違反。
ちゃんと時速6キロモードに変える義務がある。
一方、自転車が歩道を通行する際には徐行義務(63条の4第2項)があり、目安は6~8キロなんて言われますよね。
時速18キロ程度で歩道を通行する自転車なんて、余裕で見かけますが、当然徐行義務違反(63条の4第2項)になる。
特定小型原付が歩道を時速18キロ程度で通行するのは違反(17条1項)。
自転車が歩道を時速18キロ程度で通行するのは違反(63条の4第2項)。
けど、世間が叩くのは特定小型原付ですよね。
どちらも変わらない程度の他害性と考えられますが。
特定小型原付の場合、最高速度表示灯があるわけで、時速6キロモードだと「点滅」するから違反か否かが一瞬で判断可能になる。
自転車の徐行義務違反については、正確に速度を知ることが困難なので、明らかに「爆走」と言えない限りは取締り対象とも言い難い。
特定小型原付が歩道通行 | 自転車が徐行せずに歩道通行 | |
違反 | 17条1項 | 63条の4第2項 |
罰則 | 三月以下の懲役又は五万円以下の罰金(119条1項6号) | 二万円以下の罰金又は科料(121条1項8号) |
違反の見分け | 最高速度表示灯 | 速度を目視にて |
どっちも同じような速度で通行していて、どっちも違反になるけど、叩かれるのは特定小型原付。
平等な視点とも言い難いけど、世間は「新しいモビリティ」と「叩きやすいモビリティ」を叩いているように見えてしまう。
そりゃ、違反事実が明確だからという面は否定できないけど。
なぜ自転車の徐行義務違反は叩かないの?
平等な視点で言うならば、特定小型原付が歩道をモードチェンジしないまま通行することと、自転車が徐行しないで通行していることはほぼ似たようなもん。
あれかな。
自転車も時速6キロを越えたら点滅するランプを義務付けでもすれば、今度は自転車を叩き出すのだろうか?
あっ、私が言いたいのは、やたら特定小型原付を叩いてばかりいる人を見ると「平等な視点」を欠いているだけなんじゃね?と疑問に思うだけであって、違反を許容するような意図はありません。
自転車と特定小型原付はほぼ似たようなルールですが、法整備した内容を見るとわかるように、「違反か否か」が外見上分かりやすくしているのよ。
歩道通行モードとか、最高速度表示灯とか。
自転車の徐行義務違反なんて取締りしにくいけど、特定小型原付の歩道通行モードに無チェンジについては一瞬で違反が確定する。
特定小型原付の仕組みは、自転車について曖昧で取締りしにくい部分を考慮したと評価してますが、叩きやすいモビリティなんでしょうね。
ところで、クルマなども制限速度40キロ道路では「時速40キロモード」にしてないと違反…みたいな仕組みにできないのでしょうか?
物理的に出せる速度を抑制し、外見上も「時速40キロモード」かどうかをわかるようにする。
人間が匙加減で速度を調整するなんてムリがあることは、歴史が既に証明してますよね。
クルマも速度モードを5段階くらい設けて、外見上もモードが明らかなシステムが必要なんじゃなかろうか?
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
カメラセンサーで標識標示を読み込んで指定最高速度までしか出ない様にするシステムは出来そうですけどね
コメントありがとうございます。
偽標識でイタズラとか笑
真面目にそれが不味いんですよね。
自動運転やAIに関わる熱いテーマ。
ラーメンの天下一品の看板が進入禁止と誤認されるって話題とか聞いたことがありませんか。
他にも、偽標識を用意せずとも、既存の標識に少し書き加えたり、隠したり、
無害に見える普通の広告看板が標識や路面標示や車両と誤認されて牙を剥く。
人間には普通に見えるけど機械の目は勘違いするという攻撃(モデルハッキング等)が実際に有るのです。
これは今流行りのAIとかにも使われる機械学習(特にディープラーニング)がどんな風に学習しているかが、
人間には理解しにくい量と複雑さで、実質ブラックボックス故に起きる現象だったりします。
具体的な攻撃例としては高速道路上で急に30km/h制限と誤認させて追突事故を起こさせるとか、
30km/h制限のスクールゾーンで80km/h制限に誤認させて自動運転中の車を急加速させるとか。
英文で古いですけど参考文献を。3の横棒をちょっと伸ばすだけで3が8に化ける例等が載っています。
https://www.mcafee.com/blogs/other-blogs/mcafee-labs/model-hacking-adas-to-pave-safer-roads-for-autonomous-vehicles/
自動運転やLDWS向けですが、センターラインや道路構造や路面表示を誤認させて誤ったハンドル操作をさせるなんてものもあります。
直進してたら急にハンドルを切るという、自転車乗りにも怖い攻撃ですね。
抜本的な対策としてモデルの改善もですが、速度制限や車線情報入りの高精度な地図を車に持たせるとか、
標識等の情報を、道路と通信する(R2V)等の高度な仕掛けが必要になります。
とすると、地図の仕様決定や作成や更新は誰がして、誰が金を出すのか。機械の寿命は?
工事や事故の突発的な物をどう伝える?頻度や鮮度、偽情報対策は?
通信の規格策定は誰がして、偽物に耐えるようなセキュリティ確保や更新の仕組みはどうするのか。
実に頭が痛い現実が襲ってきます。
将来的には解決するかもしれませんが十年スパンでしょうねぇ。
その頃には自動車の価格もバク上げかな。
なお、自動車の速度を外から分かるようにするというのは既に有りましたよ。
昔のトラックとか屋根の上に緑のランプが3つ並んでましたよね。
正式には速度表示灯と呼ばれる物なんですが、乗用車には来ないで1999年に義務化終了で今はほぼ消えました。
電球切れ等の故障に対処するためにパターン化されてるので、人間がぱっと見てもわからんし、輸入車どうする問題が解決できず。
そもそも自動車の速度計って結構誤差が有るので。
100km/h走行時に10km/h以上ずれるのが普通で、車両と車両で30km/h弱ずれても車検は通るのが現実です。
同一車線で30km/h差があってもスピードメーターは同じ100km/hという世知辛い現実。
車検時の測定に使う40km/hでも誤差10km/h以上許容されてますからねえ。
コメントありがとうございます。
確かに大型車のランプはありましたね。
偽標識についてはやはり問題になりますよね。
自動運転にしても、そこまで信用できるものなのかは疑わしい気がしてますが、「そんなイタズラする奴はいないだろう」と信頼して進めるととんでもない落とし穴がありそうな。
日本の治安は良いですが、海外だと偽標識を悪用すれば強盗等に使えますからね。
他にも道がこの先水没や凍結してるのに突っ込むみたいなエッジケースをどうするのかが解決するまでには相当な時間が掛かると思います。
結局人間がドコかのセンターに常駐して、トラブル起きそうになったら呼び出されてそこから遠隔運転みたいな「AIの尻拭い役」の職業が大量に生まれるかもですね。
コメントありがとうございます。
うちはGoogleのAIに何度も「アダルトサイト」と認定されてますが、合っているか間違っているかは別として、あまり信用していません笑。
最高速に制限かける仕組みにすると重量とか坂の加減とかで大惨事になるんじゃないですかね
後は40→60に変わった瞬間にアクセルベタ踏みだと前に突っ込みそう
コメントありがとうございます。
そのあたりはマイルドに切り替わるような仕組みにすれば、さほど問題にはならない気がします。
スカートの中が見えるくらいに低いと噂される(実際には見えません(真顔))私の車では、例えば高速道路で大型トラックとかを追い越しするときは確実に死角に入ります。
危険が危ないので、並走は避けたいのですが速度差が小さいと時間が掛かり、トラックが車線変更したら死にます。
(実際には車線変更されてフルブレーキでギリギリ回避の経験はあります)
ですので、大きい声では言えませんが、一時的に完全に速度超過してます。
例外的な動きが出来ないのも困ります。
全部の車がお互いに位置関係を共有して自動で車間を保てるなら、それも良いとは思いますけどね。
コメントありがとうございます。
まあ、難しい問題ですね。
緊急避難的な場合もありますし。