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第一車線からUターンしたら、第二車線を巻き込むよね…

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Uターン禁止の道路にて、片側二車線の第一車線からUターンして、第二車線を通行していたオートバイを巻き込んだそうですが、

酷い話としか。
けどこれ、自転車からしても恐怖だよね。

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第一車線から転回

ゴミ収集車がゴミ捨て場から発進するときに、たいして確認しないまま発進することは経験上多すぎて、

 

自転車に乗っていてゴミ収集車がゴミ捨て場で作業しているのを追い越すときは、正直全く信用していません。
なんで後方確認しないまま発進するのかと。

 

ちなみに、作業員が外にいるからまだ発進しない…と思い込むと痛い目に遭うことがあって、1人が運転、もう1人が次のゴミ捨て場まで近いからか走って追いかけるみたいな場面すらある。

 

私の中では信用度ゼロに等しいのがゴミ収集車ですが、地域性とかあるのだろうか。

 

ところで。
今回は「転回禁止」の標識があるそうなので、25条の2第2項の違反になりますが、ちょっとマニアックなクイズ。

(横断等の禁止)
第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。
2 車両は、道路標識等により横断、転回又は後退が禁止されている道路の部分においては、当該禁止された行為をしてはならない。

 

①「転回禁止の道路」で転回して正常な交通を妨害した場合、25条の2第1項と2項、両方の違反が成立するでしょうか?

 

→法条競合の関係にあるため、2項の違反のみが成立します(警視庁道交法)。

 

②「転回禁止」ではない道路にて、後方確認しないまま転回して正常な交通を妨害した場合、25条の2第1項の違反が成立するでしょうか?

 

→しません。

 

実はここに落とし穴がありまして、25条の2第1項の違反には故意の処罰規定しかありません。
その為、

(横断等の禁止)
第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。

「歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるとき」であることについて未必的な認識がないと違反が成立しないことになる。

 

でも、よく考えてみましょう。
安全未確認で転回するのと、安全確認したつもりだけど後続車が意外と近くて妨害した場合、どっちが「悪」なのか。

 

全く確認しないまま転回するほうが「悪」。
その場合、過失による安全運転義務違反が成立します。

25条の2第1項 過失による70条
三月以下の懲役又は五万円以下 十万円以下の罰金

道路交通法70条の安全運転義務は、同法の他の各条に定められている運転者の具体的個別的義務を補充する趣旨で設けられたものであり、同法70条違反の罪の規定と右各条の義務違反の罪の規定との関係は、いわゆる法条競合にあたるものと解される(最高裁昭和45年(あ)第95号同46年5月13日第二小法廷決定・刑集25巻3号556頁参照)。すなわち、同法70条の安全運転義務は、他の各条の義務違反の罪以外のこれと異なる内容をもつているものではなく、その構成要件自体としては他の各条の義務違反にあたる場合をも包含しているのであるが、ただ、同法70条違反の罪の構成要件に該当する行為が同時に他の各条の義務違反の罪の構成要件に該当する場合には、同法70条の規定が同法の他の各条の義務違反の規定を補充するものである趣旨から、他の各条の義務違反の罪だけが成立し、同法70条の安全運転義務違反の罪は成立しないものとされるのである。
つぎに、同法70条の安全運転義務違反の罪(ことに同条後段違反の罪)と他の各条の義務違反の罪とは、構成要件の規定の仕方を異にしているのであつて、他の各条の義務違反の罪の構成要件に該当する行為が、直ちに同法70条後段の安全運転義務違反の罪の構成要件に該当するわけではない。同法70条後段の安全運転義務違反の罪が成立するためには、具体的な道路、交通および当該車両等の状況において、他人に危害を及ぼす客観的な危険のある速度または方法で運転することを要するのである。したがつて、他の各条の義務違反の罪の過失犯自体が処罰されないことから、直ちに、これらの罪の過失犯たる内容をもつ行為のうち同法70条後段の安全運転義務違反の過失犯の構成要件を充たすものについて、それが同法70条後段の安全運転義務違反の過失犯としても処罰されないということはできないのである。
これを本件についてみるに、道路交通法(昭和46年法律第98号による改正前のもの)25条の2第1項の「車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、後退してはならない。」との規定の過失犯たる内容をもつ行為は、直ちに道路交通法70条後段の安全運転義務違反の過失犯の構成要件を充たすものではなく、具体的な道路、交通および当該車両等の状況において、他人に危害を及ぼす客観的な危険のある速度または方法による運転だけがこれに該当するのであるから、道路交通法(昭和46年法律第98号による改正前のもの)25条の2第1項違反の過失犯が処罰されていないことから、その過失犯たる内容をもつ行為のうち道路交通法70条後段の安全運転義務違反の過失犯の構成要件を充たすものについて、同法70条後段違反の過失犯として処罰できないとはいえないのである。
そうすると、道路交通法(昭和46年法律第98号による改正前のもの)25条の2第1項違反の過失犯たる内容をもつ被告人の本件後退行為につき、道路交通法70条後段の安全運転義務違反の過失犯処罰の規定の適用がないとする理由はなく、かえつて、同法70条の安全運転義務が、同法の他の各条に定められている運転者の具体的個別的義務を補充する趣旨で設けられていることから考えると、他の各条の義務違反の罪のうち過失犯処罰の規定を欠く罪の過失犯たる内容を有する行為についても、同法70条の安全運転義務違反の過失犯の構成要件を充たすかぎり、その処罰規定(同法119条2項、1項9号)が適用されるものと解するのが相当である。

 

最高裁判所第一小法廷  昭和48年4月19日

反則金でみても、安全運転義務違反と法定横断等禁止違反では安全運転義務違反のほうが高く設定されているわけで、未確認転回のほうが罪が重い。

 

なお、最高裁判例の原審が認定した内容はこちら。

もつとも、道路交通法(昭和46年法律第98号による改正前のもの)25条の2第1項所定の義務違反罪は故意犯であつて、少くとも同条項にいわゆる『他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがある』と認められるに足る事情についての認識は必要と解されるところ、被告人が本件後退行為に及んだのは前記説示の事実関係から明らかなように国道上の交通状況を十分確認せず南進中の車があつたことに気づかなかつた過失によるものであり、当時国道上の交通がひんぱんであつたとの事情もうかがえないので、被告人には確定的故意はもちろん、未必的故意もなかつたと認められ、本件後退行為につき右条項所定の義務違反罪は成立せず

交通が頻繁なら未必的な故意が成立しうるけど、さほど交通量がなく、確認不十分の場合には「他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがある」ことについて未必的な故意がないことになり、25条の2第1項の違反は成立しないけど、状況次第では「過失による安全運転義務違反」になります。

 

刑法って不思議ですよね。
どちらにせよ、過失運転致死罪では「後方不確認のまま転回した過失」に問われるのですが。

カジュアルに転回、横断、道路外に右左折、後退しちゃいけない

正常な交通を妨害するおそれがあるときには、道路外に右左折、横断、転回、後退するなとルールにありますが、

(横断等の禁止)
第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。

自転車乗りからみて一番困るのは「安全不確認のまま道路外に左折して巻き込み」でしょうか。

 

まあ、被せ左折なんて「正常な交通を妨害する気しかない」ような気がしますが…
自転車がノールックで歩道から車道に進出してきてドライバーが怒るのはわかるし、それは自転車乗りからみても怒りしかないのですが、カジュアルに道路外に被せ左折とかするのはやめましょう。

 

25条の2第1項の違反って事故が起きる予感しかしないのに、なぜか過失犯の処罰規定がないのは不思議です。
それを言い出したら、横断歩行者妨害(38条)も昭和46年までは故意の処罰規定しかなかったのですが。

 

けどまあ、ちょっとの注意を怠って転回して他人が死ぬのだから、やるせないよね。
転回禁止だということを仮に見逃したとしても、後方確認すりゃ事故は防げたはずですよ。


コメント

  1. ss より:

    自分はゴミ収集車に遭遇したら迂回してますね(T_T)
    それと郵便配達のバイクも要注意ですね

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      なぜかあの人たちは安全不確認のまま出発したがりますよね。
      恐ろしい。

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