先日紹介した、ディスクブレーキ用ホイールについて質問を受けました。
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記事を見て、ゾンダDBはフロントまでG3組なことを初めて知りました。
なぜディスク用ではないゾンダは、フロントがG3組ではないのでしょうか?
フロントまでG3組ならカッコいいと思うのですが。
ゾンダDBのフロントはエンド幅が100mmのようなので、これを普通のロードバイクに使えますよね?
何か注意点などありますか?
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回答いたします。
ゾンダDBはキャリパーブレーキ車には使えません
いきなりですが質問への回答です。
ゾンダDBは、普通のキャリパーブレーキ車には使えません。
ディスクブレーキ専用です。
これの理由について書きます。
ゾンダDBのスペック
Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ディスクブレーキホイールセット (ボルトスルー、センターロック)
カンパニョーロのディスクブレーキ用ホイールですが、ゾンダについてはフロントスポーク数21本でG3組です。
一方のキャリパーブレーキ用のゾンダC17ですが、フロントスポーク数は16本です。
で、どちらも確かに、フロントエンド幅は100mmです。
でも使えません。
これはスルーアクスルとクイックリリースの違いだから、という理由でもありません。
ゾンダDBにはクイックリリース用もあります。
Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ディスクブレーキホイールセット (QR, 6 ボルト)
使えない理由はそこではなくて、ゾンダDBにはリムにブレーキゾーンがないからです。
キャリパーブレーキ用ホイールなら、通常のアルミリムならシルバーのブレーキゾーンがありますよね。
Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ホイールセット
レーシングゼロナイトとかシャマルミレとか、キシリウムプロエグザリットみたいにリムに特殊な処理をしているホイールの場合、ブレーキゾーンはシルバーではなく黒になります。
ただし、ブレーキゾーン自体は当然ですがあります。
ゾンダDBにはブレーキゾーンが全くありませんので、キャリパーブレーキ用として使うことは不可能です。
ゾンダDBのフロントホイールがG3組な理由
キャリパー用のゾンダC17の場合、フロントホイールはスポーク数16本のラジアル組となっています。
ゾンダDBではフロントまでG3組になっているわけですが、あえてキャリパー用ホイールと組み方を変えている理由は、ディスクブレーキ用のホイールではフロントラジアル組が事実上不可能だからです。
というより、フロントラジアル組のディスクブレーキ用ホイールを作った場合、すぐにスポークは折れるでしょう。
ディスクブレーキとキャリパーブレーキの違いですが、ディスクブレーキはハブの回転を止めるように働き、スポークを介して地面まで伝えて最終的にタイヤと地面の摩擦力で止まります。
キャリパーブレーキはリムを止めるように働きます。
ディスクブレーキではスポークもブレーキ力を伝える大事な部分なので、スポーク数を減らすことはできませんし、組み方にも制限がかかります。
キャリパーブレーキ車ではスポークを減らすことができるので、空力を考慮してフロントがラジアル組でも問題なくなっています。
なのでキャリパー用フロントホイールをG3組した場合、空力の悪化、重量増加など何一ついいことがないでしょう。
逆にディスクブレーキ用ホイールではフロント16本ラジアル組ではもたないため、必然的にスポーク数を増やす必要があります。
かといってG3組にする必要性があるわけでもないので、これはカンパニョーロならではのこだわりなんでしょうかね?
どちらにせよ、ディスクブレーキ用のホイールをキャリパー車で使うことは不可能です。
Campagnolo – Bora Ultra (ボーラウルトラ) 35 クリンチャーロードホイールセット
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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