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非接触右直事故でもひき逃げになる。

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右直事故は絶えませんが、非接触右直事故でひき逃げ。

警察によりますと、男は3日午前10時ごろ、高山市清見町の交差点を車で右折した際、直進してきたバイクが転倒し、運転していた男性(65)がケガをしたにもかかわらず、現場から逃走した疑いが持たれています。

バイクを運転していた男性は、右脚の骨を折るなどの重傷です。

車とバイクは直接衝突していませんが、警察は直進のバイクが優先であることなどから「ひき逃げ」に当たると判断していて、調べに対して男は容疑を認めています。

 

接触なくとも“ひき逃げ”と判断…車で右折時に直進バイクが転倒 ケガした男性放置し逃走か 67歳男逮捕(東海テレビ) - Yahoo!ニュース
岐阜県高山市で3日、車を運転中に、衝突せずに転倒したバイクの男性を放置して逃走したとして、男が逮捕されました。  逮捕されたのは、岐阜県内の高校に勤める非常勤講師の男(67)です。  警察によ

これについて見ていきます。

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救護義務、報告義務

(交通事故の場合の措置)
第七十二条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。同項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置(第七十五条の二十三第一項及び第三項において「交通事故発生日時等」という。)を報告しなければならない。

今回の事故は右直事故、しかも容疑者が右折。
直進優先になりますが、救護義務を課している対象は

当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員

右折行動によって直進バイクが驚愕転倒したのだと思いますが、直進車を進行妨害した結果、非接触事故を起こしたと捉えることができるので、右折車のドライバーは「当該交通事故に係る車両等の運転者」に該当します。

 

ところで。
この規定ですが、「事故自体」について故意、過失の有無を問いません。

交通事故における被害者の救護及び交通秩序の回復等緊急を要する応急措置を講じさせる義務と報告の義務を定めたものであるが、かかる義務を科すべき必要は、右条項にいう人の死傷を発生させた原因行為について故意過失の有無を問わないと解すべきである。

 

大審院 大正15年12月13日

運転者に何ら過失がないであっても、事故に関わったことを認識しているなら救護義務と報告義務があることになります。
右折行動によって直進バイクが転倒したことを認識しているなら救護義務と報告義務が発生する。

道路交通法117条の罪の成立に必要な事実の認識は、必ずしも確定的な認識であることを要せず、未必的な認識でも足りる旨の原審の判断は相当である。

 

最高裁判所第三小法廷  昭和47年3月28日

※117条=72条の罰則規定

近時の交通事故における傷害の実状にかんがみれば、たとえば本件追突事故における鞭打ち損傷の診断あるいは治癒の経過が如実にこれを物語るがごとく、被害者の負傷は、事故当時における単なる外傷あるいは自覚症状の程度いかんにかかわりなく、後日、意外の重症と判明するのがむしろ通例というも過言ではなく、しかも、格別医学的知識もなく、かりにあったとしても事故の一方当事者として冷静かつ客観的な判断を期待しがたい加害車両等の運転者等をして被害者の負傷の程度を判断せしめ、これによって救護措置の要否を決せしめるがごときは徒らに救護の時期を失わしめる虞れがあり、かくては、道路交通における人身の保護を完うせんとする前記法条の趣旨にそわないものといわざるをえない。したがって、いわゆる救護措置義務における具体的な措置の態様については、負傷の程度によっておのずから程度の差異をもたらすことあるは格別、いやしくも交通事故において負傷の事実が発生し、かつ、これを運転者等において(未必的にせよ)認識した以上は、負傷の程度いかんにかかわりなく、該運転者等は、これが事故のために相応の措置を講ずるべき義務があるものと解するのが相当であり、該運転者等において、右負傷の程度が軽微であるとかあるいは負傷者自ら受傷後の措置をとりうるものと判断し、なんらの措置を講ずることなく事故現場を立ち去るがごときは到底許されないものというべきである。

 

東京高裁 昭和43年12月25日

右折行動によって直進バイクを妨害した過失から過失運転致傷罪が成立するとしても、わざわざ逃走して罪を増やすのは理解しがたい。

右直事故は

対向二輪車を見逃したとか、対向二輪車との距離感を見誤り右折した事故は絶えませんが、優先権は直進車にあります(異常な高速度の場合を除く)。

 

自転車に乗っているときに、対向車がカジュアルに右折しようとしてビックリすることはありますが、なんとかならないですかね。
対向右折待ち車がいるときは、念のため多少減速しながら交差点に接近したりしますが、二輪車ってビックリするとコケちゃうのですよ。

 

まあ、いわゆる「ひき逃げ」ってぶつかってなければセーフだと考えてしまう人がいるかもしれませんが、義務を課しているのは「当該交通事故に係る車両等の運転者」。
非接触事故でも、誘因事故なら当然「当該交通事故に係る車両等の運転者」に該当します。


コメント

  1. 元MTB乗り より:

    接近速度が判りにくいと言う点はあるかと思いますが、どうせ脅せば止まるだろうと言う思いが透けて見えるような気はしますね。取り敢えず、自転車なら少し前に進み始めるとか。これ、道路外から進入する時も止まらずに少し鼻先出すとかよく遭遇します。
    制限速度丁度か、もしくは超えてる(ほんとは良く無いでしょうけど)状態で走ってても後ろから追いついて、抜いてきますから(ひどいとクラクション鳴らされたりする)、ぶっちゃけ自動車からみたら、自転車に対しては邪魔だから先に行かせろ、と言う感覚何でしょうね、と思うことがしばしば。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      強引な右折問題は絶えませんね。
      先日、乗っていたバスが強引な右折をしたので、間違えて「あぶねーだろが!」と怒鳴ってしまい、車内の空気がおかしくなりました笑

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