メリダのスクルトゥーラ(アルミ)についての質問をいただきました。
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SCULTURA400と700でどっちを買うか迷っています。
400はフレームがScultura lite-single BSA、700はScultura lite-single [PF86]となっています。
BBが違うということはわかったのですが、この違いは乗ってわかるほどの大きな違いなのでしょうか?
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回答いたします。
メリダのスクルトゥーラ400と700の違い
メリダのお買い得なアルミロード完成車としてもはや有名になったスクルトゥーラ400と700についてです。
私がロードバイクに乗り始めたころというのは、メリダというのはマイナーブランド扱いでした。
そのころの日本の代理店がメリダの販売に力を入れていなかったという事情もあり、メリダに乗っている人には見たことも会ったこともありませんでしたが、MIYATAが代理店になってからは積極的な販売活動をして、日本でもメジャーブランドになりましたよね。
元々、世界ではメジャーブランドだったメリダですから、この流れは大歓迎です。
新城幸也が乗っているというのも、日本での人気に拍車をかけていると思っています。
さて、スクルトゥーラ400と700は、共通点があります。
それは【アルミフレーム&105完成車】であるということですね。
で、パーツスペックが違うのと、厳密にはフレームの違いがあります。
パーツスペックはこういう違いです。
メリダ 2018年モデル SCULTURA 700 / スクルトゥーラ 700 【ロードバイク/ROAD】【MERIDA】【送料無料/沖縄離島除く】【smtb−k】【kb】
スクル700 | スクル400 | |
フレーム | Scultura lite
(フルアルミ) |
Scultura lite-single BSA
(フルアルミ) |
フォーク | Road carbon Race
(フルカーボン) |
Road carbon Race
(フルカーボン) |
クランク | 105
52-36 |
シマノFC-RS510
50-34 |
BB | PF86 | JIS |
Fディレーラー | 105(直付) | 105(直付) |
Rディレーラー | 105(ショートケージ) | 105(ショートケージ) |
ブレーキ | 105 | シマノ R561 |
STI | 105 | 105 |
ホイール | FULCRUM RACING EXPERT | Merida comp SL 24 pair |
タイヤ | マキシス Dolemites 25 | マキシス Dolemites 25 |
スプロケット | 105 11-28 | 105 11-28 |
チェーン | KMC X11-1 | KMC X11-1 |
重量 | 8.5キロ | 8.9キロ |
定価(税抜) | 169,900円 | 139,900円 |
パーツスペックは本筋から外れるので書きませんが、400と700ではフレームにわずかな差があり、それによりBBの形式が違います。
BB形式が400ではねじ切りJIS(BSA)、700ではPF86ということです。
BBの形式というのはフレームに依存します。
BSAとPF86の違いですが、こうなります。
BSA | PF86 | |
シェル幅 | 68mm | 86.5mm |
シェル内径 | 34.8mm | 41mm |
BBというのはこういうものです。
SHIMANO(シマノ) ボトムブラケット SM-BB9000 BSA ロード用 付属/TL-FC24 68mm
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これの役割ですが、左右のクランクをつなぐように入っていると考えればよいです。
フレームに空いている穴にBBがおさまり、そこにクランクをぶっ挿している状態です。
BBのサイズがBSAとPF86では違うのですが、要はフレーム側の穴の大きさでどのBBが適合するかが変わってくるので、シェル幅とかシェル内径というのはあくまでもフレームに空いている穴の大きさを指しています。
なんで様々なBB規格があるかというと、キャノンデールが提唱したBB30が一つのきっかけです。
要は太くすれば薄く作れるので軽量化できるうえに、剛性が上がるという理屈です。
なので理屈の上では、BSAよりもPF86のほうが軽量化できて剛性も高いと言えます。
(ただし軽量化については微々たるものです)
走ってみての違いを感じ取れるのか?
まず、スクルトゥーラ400と700では、BB部以外はフレームのつくりは全く同じです。
これは一度、輸入代理店のMIYATAにも電話して確認しているので間違いありません。
http://roadbike-navi.xyz/archives/1657
で上でも書きましたが、理屈の上ではBSAよりもPF86のほうが剛性は上です。
BB部の剛性がどのように走りに関わってくるかですが、ペダルに力を入れて踏み込んだ時、クランクとフレームはその力の方向に歪みます。
これはどんなに硬いフレームでも歪みは起こるのですが、BB部の剛性が高いフレームというのはこの際の歪みの量が少ないと考えればよいです。
BB・クランク周りの歪みというのは、パワーロスにつながりますので、理屈の上ではPF86のほうがパワーロスが少ないと言えます。
これを実際に走ってみて感じ取れるかどうかですが、少なくとも私にはさっぱりわかりませんでした。
このあたりはプロレベルの人ならわかるのかな?と思ったりしますが、レースに出ているアマチュアの人でもBSAのほうがメンテナンスしやすくて好きという人も結構いるので、走りとしての評価はわかりづらいポイントと言えます。
ちょっと試乗しただけとか、そういうレベルではまずわかんないレベルの差だと考えたほうがいいでしょうし、それなりに乗り込んでもそこまで有意な差にはならないと私は思っています。
メリダ自身が【400と700ではフレームの基本設計は全く同じで、BB部のサイズのみが違う】と言っているので、意図的にフレーム側の剛性を変えているということもないでしょう。
BB部の剛性をやたら高くしているフレームというのもありますが、そういうフレームは乗ってみると【硬いな】とわかります。
全く同じアルミフレームで、BB部だけが違うのは正直わかんないと思いますよ。
ただし、人間って何でもそうですが、プラシーボとか精神的な満足感って大切です。
一応、理屈の上ではPF86のほうが剛性が高いということになりますので、性能としては上位とも考えられます。
なので上位のものを使っているという精神的優越感が走りに影響する場合もあるので、そういう要素も込みならスクルトゥーラ700を買っておいたほうが無難かなとも思います。
ただし、BB部のメンテナンス性はBSAのほうが優位です。
400と700ではついているパーツも違います。
700のほうがいいパーツがついているのですが、私はこの価格差ならスクルトゥーラ400を買って、差額でホイール買ったほうが幸せになれるのではないかと思っています。
メリダ 2018年モデル SCULTURA 400 / スクルトゥーラ 400 【ロードバイク/ROAD】【MERIDA】【送料無料/沖縄離島除く】【smtb−k】【kb】
スクル400を買って、ホイールをゾンダあたりに変えたら、700完成車よりは走りは上でしょう。
Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ホイールセット
重量 | 1596g(ペア) |
リムハイト | F25mm、R30mm |
対応タイヤ | クリンチャー |
23cタイヤ | ×(25C以上) |
スポーク数 | 16/21 |
対応スピード | シマノ8-11s |
BB部の違いは、ホントわかりづらいです。
乗ってみて明確に違いを感じ取れるかは難しいところです。
なのでそこにこだわらないほうがいいような気がします。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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