ちょっと笑った件。
これがついているときは、歩道通行自転車、車道通行自転車ともに歩行者用灯器に従うことになりますが、根拠は施行令2条5項。
5項でいう「特定の交通について」が、同3項のみを指している…という珍説が流れているみたいなんですが、
第二条
3 公安委員会が信号機について、当該信号機の信号が特定の交通に対してのみ意味を表示するものである旨を内閣府令で定めるところにより表示した場合における信号機の第一項の表に掲げる信号の意味は、当該信号機について表示される特定の交通についてのみ表示されるものとする。
4 公安委員会が、人の形の記号を有する青色の灯火、人の形の記号を有する青色の灯火の点滅又は人の形の記号を有する赤色の灯火の信号を表示する信号機について、当該信号機の信号が歩行者等、特定小型原動機付自転車及び自転車に対して意味を表示するものである旨を内閣府令で定めるところにより表示した場合における当該信号の意味は、次の表の上欄に掲げる信号の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。
もちろん違いまして、同4項における「当該信号機の信号が歩行者等、特定小型原動機付自転車及び自転車に対して意味を表示するもの」も特定の交通(歩行者等、特定小型、自転車)に対して表示しているのだから当然当てはまります。
これは以前警視庁にも確認済み。
そもそも、警察庁の解説はこう。
(1)信号機に従う義務
自転車は、道路を通行する際は、信号機等に従わなければいけません。
特に、横断歩道を進行して道路を横断する場合や、歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」の標示のある場合は、歩行者用信号機に従わなければいけません。https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/img/3-13.pdf
交通の方法に関する教則
(1) 信号が青になつてから横断しましよう。
なお、「歩行者・自転車専用」と表示されている歩行者用信号機がある場合や横断歩道を進行する場合は、歩行者用信号機の信号に従わなければなりません。
警察庁の解説ですらこうなのに、一体何の話をしているのだろう。
そもそも1項と4項では「人の形の記号を有する信号」の意味がビミョーに違いますが、
1項 | 4項 | |
人の形の記号を有する赤色の灯火 | 二 横断歩道を進行しようとする特例特定小型原動機付自転車及び普通自転車は、道路の横断を始めてはならないこと。 | 二 特定小型原動機付自転車及び自転車は、道路の横断を始め、又は停止位置を越えて進行してはならないこと。 三 交差点において既に左折している特定小型原動機付自転車及び自転車は、そのまま進行することができること。 四 交差点において既に右折している特定小型原動機付自転車及び自転車は、その右折している地点において停止しなければならないこと。 |
見りゃわかるように、4項の「人の形の記号を有する赤色の灯火」3号、4号は交差点を通行する場合を想定しているわけで、対象は車道。
しかも1項と4項では特定小型、特例特定小型と分けている意味からもわかりそうなもんだけどな。
特定小型原付にしても、自転車横断帯の有無とは関係なくこんなルールにした点でも明らか。
特に、次の場合には、歩行者用信号機に従わなければなりません。
・歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」の標示がある場合
・特例特定小型原動機付自転車が横断歩道を進行して道路を横断する場合特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について|警察庁Webサイト
4項における「当該信号機の信号が歩行者等、特定小型原動機付自転車及び自転車に対して意味を表示するもの」も5項でいう「特定の交通」(歩行者等、特定小型、自転車)に対して表示していることはバカでもわかりそうなもんですが、独自解釈ばかりの人だからしょうがないか。
https://www.police.pref.fukuoka.jp/data/open/cnt/3/15517/1/jitensyasingou.pdf
そもそも、2条でいう「対面」とはその方向に向いた信号機全てを指すことは歴史から明らかなところ(20年施行令改正以前は、横断歩道を通行する自転車は車両用三灯式信号に従うことになっていた。下リンク先参照)、5項が4項の場合に作用しないと捉えると、「歩行者自転車専用」の補助標識があった場合に車道通行自転車、歩道通行自転車ともにどちらの信号に従ってもよいと捉えることが可能になり、全く意味不明な状況に陥る。
それも含めて分けているのが5項。
そもそも、「特定の交通について…」が3項の場合のみを指すなら、5項本文中に「3項の場合において」などと指示説明する必要があるわけで、
それをせずに「特定の交通について」なことを理解しないと全く意味不明になる。
まあ、素人が騒いだところで意味がありませんし、納得いかない人がいたら都道府県警から警察庁に確認してもらえばわかるかと。
しかしまあ、全く関係ない施行規則の改正がどうとか語る時点でお察しですね。
施行規則の改正は単なる整理に過ぎません。
問題は「そこ」ではないし、何のために施行規則を改正したかわかってないと的外れな方向になる典型例。
そもそも「歩行者自転車専用」の補助標識は車道通行自転車を規制するために考案されたのがきっかけなので、歴史を全てみないと理解できない。
ところで、こちら。
○正直なところ自転車からすると酷なんですが
○外国人なんですかね?
ジャパニーズですら読み取りにくい「歩行者自転車専用」の補助標識を見極めるのはなかなか難しい
○ジャパニーズですら発狂する「歩行者自転車専用」の補助標識は滅亡して頂くか、何か別の手段を考えてもらうしかないのよね
ビックリしたのですが、この人のプレイを非難している内容ではなくて、日本語を理解してない外国人がとんでもない不利益を被るリスクがあるし日本人ですら困っているのだから早く改正等すべきという記事ですよ?
いったいどう読めばプレイを非難している記事だと読み取るのか知りませんが、ワケわからん発狂されてもねぇ。
まあ、それ以上にワケわからん法令解釈を考案する人がいるところにも問題がありますが、様々な解説や立法経緯から整合性を考えない人って、本当に心配になります。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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