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「歩行者自転車専用」を無視して事故った場合。

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こちらについてなんですが、

 

理不尽な「自転車の信号」。
こちらの続きです。 クソデマ 平成30年施行規則改正ガー!などと全く関係ない話を根拠にするアホがいるみたいですが、正しくは下記の通り。 警察庁の解説。 (1)信号機に従う義務 自転車は、道路を通行する際は、信号機等に従わなければいけません。...

 

読者様
読者様
歩行者自転車用信号が赤で車両用が青そして自転車で交差点に入り対向右折車と事故って助手席の人やまたはオートバイのライダーが怪我したりしたら自転車が加害者になるから行政処分無しって事は無いと思いますがどうなんでしょう?

※行政処分ではなく罰金の話だそうです。

 

これはかなりビミョーな話。

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歩行者自転車専用信号の無視と過失

例えばこのような交差点で、

直進自転車に「歩行者自転車専用」信号が実はあって、「歩行者自転車専用信号」が赤なのに直進したような場合ですよね。

 

仮にそれにより対向右折オートバイが怪我をしたら、過失致死傷罪にはなるかもしれません。
重過失致死傷罪といえるのかは怪しいけど。

 

一応、自転車が信号無視して交差点に入り、それを避けようとしたオートバイが転倒した事故については重過失致死罪になった事例があったはず。
そういう点も含めて、「歩行者自転車専用」はビミョーなのですよ。

自転車が過失致死傷罪に問われた事例

「歩行者自転車専用信号」の件ではありませんが、自転車が重過失致傷罪で有罪になった判例はあります。

東京高裁 昭和57年8月10日

被告人は自転車に乗り道路左側端を進行し、赤信号を無視してけんけん乗りで時速約10キロで進行。
横断歩道を青信号で横断した被害者と衝突した事故です。

 

これについて東京高裁は「重過失致傷罪」を認めています。

所論は、要するに、被告人がけんけん乗りの自転車で横断歩道内に進入した行為は、定型的にみても、また本件の具体的事情に即しても危険性の低い行為であり、通常の過失と認めるべきであるのに、原判決が、これを重大な注意義務違反、すなわち、重大な過失であると認定、判断したのは、事実を誤認し、法令の適用を誤つたもので、これが判決に影響を及ぼすことは明らかであると主張する。

 

そこで検討すると、刑法209条、210条が通常の過失により死傷の結果を発生させた場合の規定であるのに対し、同法211条後段は重大な過失により右と同じ死傷の結果を発生させた場合に前2条に比し刑を加重する規定であり、右にいう重大な過失とは、注意義務違反の程度が著しい場合、すなわち、わずかな注意を払うことにより結果の発生を容易に回避しえたのに、これを怠つて結果を発生させた場合をいい、その要件として、発生した結果が重大であることあるいは結果の発生すべき可能性が大であつたことは必ずしも必要としないと解するのが相当である。

 

これを本件についてみると、前示認定のように、被告人は、車道上を時速約10キロメートルの速度で自転車をけんけん乗りで走行させ、交差点で信号待ちしていた約10名の歩行者が青色信号に従い一団となつて横断歩道内を歩行し始めたところへ、赤色信号を見落し、歩行者との安全を何ら確認することなく、そのまま突込み、その結果当時69歳の老女に自車前部を衝突させて路上に転倒させ、加療約六か月間を要する傷害を負わせたのであり、本件では、証拠上、被告人が自己の対面信号を確認するに何らの支障もなかつたところ、信号機による交通整理の行なわれている交差点ないしその直近の横断歩道内に進入するさい信号機の表示に従わなければ事故に至るべきことは当然のことであり、被告人は、わずかの注意を用いることにより赤色信号を確認しえたのは勿論、それを確認しておれば、直ちに停止措置を講ずるなどして横断中の歩行者との衝突も十分に回避しえたと認められるから、被告人に重大な過失のあつたことは明らかである。

 

所論は、けんけん乗りの自転車で横断歩道内に進入することは危険性の低い行為であるというけれども、前示のように、発生した結果が重大であること、あるいは結果の発生すべき可能性が大であつたことは、重過失の成否に関係のないところであるのみならず、本件において、発生した結果、すなわち被害者の傷害は加療6か月を要する左大腿骨頸部骨折等の重傷であり、またたとえけんけん乗りとはいえ、赤色信号を無視し、10名余の歩行者が一団となつて横断を始めた横断歩道内に自転車を突つ込めば、その速度が時速10キロメートル程度ではあつても、歩行者と衝突し傷害を負わせる可能性も大であつたのであるから、被告人の本件行為の危険性が低いとする所論は到底採用することができない。

 

東京高裁 昭和57年8月10日

「被告人が自己の対面信号を確認するに何らの支障もなかつたところ」
「わずかの注意を用いることにより赤色信号を確認しえたのは勿論」

 

これらを考えると、見えにくい「歩行者自転車専用信号」を見落としたことを重過失と捉えるのは厳しいだろうけど、全く見えないのではなければ過失致死傷罪
にはなりそうな予感。

東京地裁 令和4年2月18日

ウーバー運転者が横断歩道を横断した歩行者に衝突した事故について、業務上過失致死罪を適用した事例があります。

(罪となるべき事実)
被告人は、ロードバイク型の自転車による有償の食品配達業を営み、走行速度を上げて歩合制の配達報酬等を効率的に得ようとしていた者であるが、令和3年4月17日午後7時5分頃、食品を配達するため、業務として前記自転車を運転し、東京都板橋区[以下省略]の道路をa方面からb方面に向かい時速約20ないし25キロメートルで進行中、同所先の交通整理の行われていない丁字路交差点入口に設けられた横断歩道に差し掛かった際、自車には前照灯の装備がない上、折からの降雨により眼鏡に雨滴が付着するなどし、前方左右が見えにくい状態になっていたのであるから、適宜減速した上、一層前方左右を注視し、同横断歩道による横断歩行者の有無及びその安全を確認しながら進行すべき業務上の注意義務があるのにこれを怠り、減速することなく、かつ、前方左右を注視せず、同横断歩道による横断歩行者の有無及びその安全を確認しないまま漫然前記速度で進行した過失により、折から左方から右方に横断歩行中のA(当時78歳)を左前方約4.5メートルの地点に認め、急制動の措置を講じたが間に合わず、同人に自車を衝突させて同人を路上に転倒させ、よって、同人に外傷性頭蓋内損傷の傷害を負わせ、同月19日午後8時28分頃、東京都荒川区[以下省略]所在の病院において、同人を前記傷害により死亡させた。

(量刑の理由)
1 本件は、判示の食品配達業を営んでいた被告人が、自転車を運転中、交通整理の行われていない丁字路交差点入り口の横断歩道に差し掛かった際、速度調節及び前方左右注視の業務上の注意義務を怠り、折から同横断歩道を歩行中の被害者に自車を衝突させて死亡させた事案である。
2 被告人は、夜間降雨があった中、前照灯の装備がなく、眼鏡に雨滴が付着して前方左右が見えにくい状態にあったにもかかわらず、時速約20ないし25キロメートルという自転車としては相応に高速度のまま、横断歩道による横断歩行者の有無及びその安全を確認しないままに走行したために本件を惹起した。被告人は、高速走行可能なロードバイク型の自転車を運転するなどして、走行速度を上げて歩合制の配達報酬等を継続的に効率よく得ようと食品配達業に従事しており、そのような業務者の負う基本的な注意義務に違反したものであって、その過失は重い。

 

東京地裁 令和4年2月18日

東京地裁 令和3年7月2日

こちらはちょっと特殊で行政事件になりますが、逆走自転車と衝突した順走自転車が「安全運転義務違反」「重過失致傷罪」で書類送検(不起訴)された件について、嫌疑がないのに書類送検したことは違法だとして国家賠償請求した事案があります。

 

逆走自転車と衝突した自転車が安全運転義務違反&重過失致傷!?
以前から逆走自転車問題については何度も書いてますが、逆走自転車との距離があるときには、左端に寄せて停止して待ったほうがいいよと書いてきました。 今回の判例は逆走自転車と順走自転車の衝突です。 順走自転車が犯罪? 判例は東京地裁 令和3年7月...

 

そのほか判決年月日は不明ですが、民事判決文の中で「逆走自転車と衝突した順走自転車が過失致傷罪で有罪判決」と書いてあるものがあります。

なので「歩行者自転車専用信号」は

誰か不利益を食らいかねないので、不合理な補助標識は撤去を促しましょう。
ワケわからん独自の解釈を開発したところで、いざとなれば不利益を被るリスクがあるので。


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