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「追いつかれた車両の義務」に見る夢。

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結構驚きなのですが、こちら。

https://twitter.com/unemployed2020/status/1715712760842277323

なぜか「追いつかれた車両の義務」の「加速禁止」(27条1項)を主張する人がまあまあいるような。

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信号待ちから発進しただけでは?

前方カメラがないので正確にはわかりませんが、これって単に赤信号から青信号に変わって発進しただけなんじゃないのかね?

 

で、もしもですよ。

(他の車両に追いつかれた車両の義務)
第二十七条 車両(道路運送法第九条第一項に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者による同法第五条第一項第三号に規定する路線定期運行又は同法第三条第二号に掲げる特定旅客自動車運送事業の用に供する自動車(以下「乗合自動車」という。)及びトロリーバスを除く。)は、第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)が高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。

加速禁止義務がこの状態であるとしたら、信号待ちで停止中に後続車に「追いつかれた場合」、発進できない珍事が発生しませんかね。


停止状態から発進する際には加速しますが、

その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない

もし加速禁止義務があるとしたら、信号待ちで停止した後には、後続車が追い越しを終わるまで「加速禁止」、つまり発進できない珍事が発生するだけにしか思えないけど、

信号待ちから発進する際に後ろの車両から順に追い越しするように出発する以外に方法がなくなり、「円滑」でも「安全」でもない珍事にしかならない気がするのですが…

 

停止状態から発進したら「加速」ですよね?

 

追いつかれた車両の義務がなぜ「停止中」に関係しないかというと、

 

①「追いつかれたとき」とは法26条の車間距離を意味し、あくまでも進行している前後関係を意味するから。
②「追越し」とは同じく、進行している前車より前に出ることを意味するから。

 

二十一 追越し 車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう。

ワケわからんほど至近距離で側方通過されて危なくね?という話が、なぜか二輪車の「追いつかれた車両の義務違反」にすり替えられてしまう。

 

なぜ人は「追いつかれた車両の義務」に魅了されてしまうのでしょうか?

追いつかれた車両の義務が人々を魅了する理由

追いつかれた車両の義務に人々が魅了されてしまう理由を考えると、「自分にとって邪魔な奴がドイてくれるルール」だと勘違いしているからではないでしょうか?
追いつかれた車両の義務がなぜ27条にあるか?というと、「第四節 追越し等」にあるように「追い越し時の安全と円滑」を規定したのみで、自分にとって邪魔な奴を追い出すルールではない。

 

ジュネーブ条約ではたったこれだけしか書いてありません。

12条1項
運転者は、行き違うとき又は追い越されるときは、自己が進行する方向に適応した側の車道の端にできる限り寄らなければならない。
12条2項(b)
追い越されるときは、自己が進行する方向に適応した側の車道の端にできる限り寄り、加速しないでいること。

要は後車が追い越しする際に、先行車にも左側端に寄って加速しないことにより、追い越しに伴う危険を減らす意味合いになります。
しかし現実に追い越しする以上は、危険負担は後続車が持つルール。

道路交通法27条2項は、速度の速い車両に追いつかれた車両に対し進路を譲るべき義務を課し、狭い道路での交通の円滑を図ることを目的としているのであって、車両を運転する者がこれを遵守しなければならないことはいうまでもない。しかし、狭い道路で自転車が自動車に追いつかれた場合、自転車を操縦する者としては、追いついてきた自動車の大きさを十分確認することができないために、そのまま道路左側端に寄って進行を継続しても、道路中央との間にその自動車が十分通過し得る余地があると判断して進行することが考えられるから、むしろ、追いついて来た自動車の運転者において、まず前記認定の注意義務を尽くして進行すべきであって、右道路交通法27条2項の規定は、狭い道路で速度が速い車両がおそい車両に追いついた場合、その動静を無視してそのままの速度で追い抜きにかかり接触事故をおこしてもなんら責任がないという趣旨であるとはとうてい考えられない。このことは道路交通法28条3項により追越ししようとする車両は前車の速度及び進路並びに道路の状況に応じて、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならないとされていること、また、同法70条により車両等の運転者は、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならないとされている規定の趣旨から推しても十分うかがえるところである。

 

大阪高裁 昭和43年4月26日

そもそも、動画のケースは単に信号待ちから発進しただけなんじゃないの?と思いますが、信号待ちしている車両は障害物(17条5項3号)ではないからイエローラインの有無に関係なく右側はみ出しは違反だし、信号待ち停止状態に追いつかれた車両の義務が発生するなら全く意味不明な珍事しか起きない。

 

信号待ちで停止した場合にも加速禁止義務があるとしたら前にいる車両は発進できなくなり、後ろにいる車両が優先する珍事が起きると思いますが、前にいる車両から順番に出発したほうが「円滑」だし「安全」。

 

仲良くルール通りにすれば済むのに、なぜ追いつかれた車両の義務に魅了されてしまう人がまあまあいるのか不思議です。

 

漏れそうだから早く!というなら、窓を開けて「漏れそうだから先に行かせてくれ!」と叫べば、みんな譲ってくれると思いますよ。
その苦しみは人間なら誰しもが理解してますし、それは緊急車両みたいなもんだし。
何も言わなければわからないよね。


コメント

  1. 山中和彦 より:

    本人が、何日か後に前方の映像も上げてますね。
    渋滞待ちっぽい。
    https://x.com/unemployed2020/status/1716593072946229665?s=20

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      渋滞待ちも原理は同じなので変わりませんが、車間距離が空いていた分は誤解を生んだ可能性がありそうですね。

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