ちょっと前から自転車が段差に気がつかず落下する事故が相次いでますが、
クルマも段差に気がつかず落下する…
Contents
ちゃんと見ておけば?
こういうのって「ちゃんと見ておけばわかるだろ」と言いたくなるし、それはその通りなんだけど、現実としては落下する。
○自転車の落下事例
現場は市道が交わるT字路で、市道から角の駐車場を通り、別の市道に入ろうとしたところ高さ約1メートルの段差に気付かず、誤って転落したものとみられています。
高さ約1メートルの段差に気付かず自転車ごと転落か55歳の男性死亡…津山市で交通死亡事故【岡山】(OHK岡山放送) - Yahoo!ニュース4月20日夜、津山市で自転車に乗っていた55歳の男性が転倒し、死亡する事故がありました。 午後11時頃、津山市河辺の市道で近くを通りかかった人が、男性と自転車が倒れているのを見つけ、近くの交番に通
現場と思わしき道路はここ。
目の錯覚で段差がないように見えてしまうのか、よそ見なのかはわかりませんが…
歩道と駐車場の段差については、たまたまクルマが落下したけど歩行者が落下するリスクもあるので、柵は必要ですよね。
車椅子や子供、目が不自由な方など落下するリスクもあるので笑えない。
けど不思議ですよね。
報道だけをみたら「なんでそんなもんに気がつかないの?」という人が多いけど、意外と気がつかずに落下する。
他人事としてみれば「バッカじゃねーの」と思っても、明日は我が身…そして目が不自由な方や子供などが落下するリスクがあるので、他人事ではない。
意外と気がつかないもの
それこそ何回も取り上げますが、これにしてもどんだけの自転車乗りが犬のリードに気がついて回避できるのだろうか?
散歩中の犬のリード(引き綱)に絡まって転倒した自転車に腕を引っ張られてけがをしたとして、飼い主の女性が、自転車を運転していた男性に約6900万円の損害賠償を求めていた訴訟は1日までに、大阪高裁で和解が成立した。一審の神戸地裁は自転車側に約1570万円の支払いを命じたが、高裁は過失を重く捉え、自転車の男性が解決金2500万円を支払うことで合意した。
(中略)
一審判決は原告、被告の双方に過失を認めたものの、「慎重な運転が求められる場所だった」と自転車側の安全配慮義務違反を大きく捉え、過失割合を原告3、被告7としていた。原告代理人によると、高裁は割合を2対8とする和解案を提示し、双方が受諾した。
一審判決によると、事故は2015年4月、宝塚市の武庫川河川敷遊歩道で発生。犬を連れた女性の近くを男性のロードバイクが通過した際、リードとロードバイクのチェーンが絡まって男性が転倒した。リードを持っていた女性も右腕を引っ張られて、まひが残った。
【独自】犬のリードに絡まり転倒事故、飼い主と自転車の過失割合は2対8 自転車の男性2500万円支払いで和解(神戸新聞NEXT) - Yahoo!ニュース散歩中の犬のリード(引き綱)に絡まって転倒した自転車に腕を引っ張られてけがをしたとして、飼い主の女性が、自転車を運転していた男性に約6900万円の損害賠償を求めていた訴訟は1日までに、大阪高裁で和
以下は一審の事実認定。
本件遊歩道は、公園敷地内の、歩車道の区分がなく、自転車・歩行者の通行区分もない見通しが良好な道路で、交通規制もない。本件遊歩道の路面は平坦なアスファルト舗装で、本件当時は乾燥していた。本件遊歩道は、本件現場の先で、左にカーブしており、カーブ部分の南側には、扇状の階段(以下「本件階段」という。)がある。
本件事故当日、原告は、父母とともに、本件現場付近に車で訪れ、(中略)。各人が一匹ずつリードでつないだ犬を連れていたが、原告が連れていた本件犬が自力で階段を下りなかったため、原告は、本件犬を抱えて本件階段を下りた。原告が、本件階段下の草地で本件犬を下ろしたところ、本件犬は本件階段付近の草を探っていた。本件リードは、リール付きでリードの出し入れをして伸縮できるものであった。なお、原告の父Bは、先に階段を下り、遊歩道を渡って北側の草むらで、自身が連れてきた犬を遊ばせていた。
被告は、ロードバイクである被告車を運転して、本件遊歩道のやや左側を、西から東に向かって、時速約20キロで走行していた。被告は、別紙図面3の①地点で、進行方向の(ア)地点に原告が佇立していること、被告からみて原告の左側の草むらに人(B)と同人が連れた犬がいることを認識したが、この時、原告がリードを把持して本件犬を連れていることは認識していなかった。被告は原告の右側のスペースが広く空いているように見えたため、原告の右側を通過しようと考え、また、進行先で遊歩道が左にカーブしていることから、被告車のペダルを漕ぐのをやめて速度を落として進行し、原告の右側を走行しようとした。被告が、②地点を通過しようとした時、原告が把持していた本件リードと、被告車のチェーン部分等が接触して絡まり、被告車はその場において停止する力を受けた一方、被告の身体は、慣性によって被告車から離れて、前方に進んで芝生の上に倒れ込み、被告車も倒れた。他方、原告は、右腕が引っ張られる形で転倒した。(中略)
実況見分が行われ、本件現場において、自転車走行時及び停止時の本件リードの視認可能性を確認するために、被告車と同等の大きさの自転車を時速20キロないし25キロの速度で走行させて本件リードの視認状況が確認された。
警察官は、本件リードの存在を認識しない前提で、3度にわたり、通常の状態で前方を注視しながら自転車を走行させる実験を実施したが、本件リードを張った状態及び緩ませた状態のいずれにおいても、本件リードを発見することは困難であった。一方、警察官が、本件リードの存在に注意しながら時速約20キロで自転車を走行させた時には、本件リードを約9m手前で視認可能であった。
これが一審裁判所の認定。
「そんなもんに気がつかないの?」と思ってしまうような報道でも現実的にはこうやって事故が起きるし、ましてや警察官が視認困難とした実例もあります。
こういう実例を頭に入れて「より注意する」ことは大事ですが、それだけでは防げないのでしょうね。
岡山では相変わらず水路に転落してますが、
岡山といえば水路転落事故が有名です。
みんな知っていても落ちるのが現実。
ちなみに犬のリードの件は、事故直後以外に半年後にも警察が再現実験したみたいな記述があるので、おそらくは過失傷害罪もしくは重過失傷害罪に問えるか?が問題なったのだと思われます。
この再現実験の結果では刑事責任を問うのは難しいと思うけど、注意してないと前科持ちになりかねないですからね…
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
本記事に埋め込まれたストリートビューの場所がずれてます?
現場は多分、
35°38’34.2″N 138°32’01.8″E
ですかね。
個人的には、歩道が切り下げされていて「車が歩道を横断できる」という「誤ったメッセージ」がある時点でいつか起きる事故って感想ですね。
バイクや自転車によって死亡事故にならなかった分幸運だったとすら言える。
数年前に都営大江戸線の都庁前駅の駅出入口の階段にに車が誤進入した事が有りましたが、それと類似のケース。
確かに運転手の不注意も有るかと思いますが、個人の資質やら不注意で終わりにしちゃうのはそれこそありえないかな。
何故歩道の切り下げ部分に進入できないって明示してないんでしょうねぇ……
ストリートビューですが、自転車の方ですね。
なんか寝ぼけてました、申し訳ない。
コメントありがとうございます。
おそらく、以前何か違う施設があった名残とかで歩道の切り下げがあるのではないかと思いますが、いろいろ雑なんですよね笑