先日チラっと書いたのですが、特定小型原付と「自転車専用」信号の件。
やっぱり、特定小型原付に対し「自転車専用」信号が働くという根拠が見つからない。
特定小型原付と「自転車専用」信号
特定小型原付とは電動キックボード等のうち、時速20キロまでしか出ないもの。
一方通行の標識の場合、「自転車を除く」の中には特定小型原付を含みます。
これはちゃんと理由があって、標識令別表第一の備考3号に書いてあるから。
もう、何を言ってる規定なのか分かりにくいですよね笑。
この規定、「本標識」に対するものなので信号には関係しない。
信号機は標識ではないので。
つまりこの規定を根拠に、信号についた「自転車専用」の中に特定小型原付を含むとは解釈できない。
信号についた補助標識については施行令2条3項の話になりますが、
第二条
3 公安委員会が信号機について、当該信号機の信号が特定の交通に対してのみ意味を表示するものである旨を内閣府令で定めるところにより表示した場合における信号機の第一項の表に掲げる信号の意味は、当該信号機について表示される特定の交通についてのみ表示されるものとする。
施行令や施行規則を見渡しても「自転車専用」という中に特定小型原付を含めるという規定が見当たらない。
そして歩行者用信号には「特例特定小型原付」(時速6キロモード)に対する意味しかない。
そうするとこの交差点。
特定小型原付に対する信号がないので、特定小型原付は「明らかに広い道路の進行妨害禁止」や「左右の見通しが効かないから徐行義務」などを守るなら、これが信号無視にならなくなるのですよ。
マジか…
何か見落としているのかだいぶ考えましたが、見落としがあれば誰か教えてください。
さすがに信号の効力がないからといって交差点を直進するのはどうかと思うけど、左折するくらいなら問題にはならないことが多いかと。
うーん…法律の盲点なのだろうか。
それとも、自転車専用信号しかない交差点の存在を見落としているのだろうか。
現実的な話をすると、この交差点は特定小型原付については「信号がない交差点」になっても、信号に従うべき「注意義務」はある。
信号に従う義務はなくても、注意義務としてはあると考えられますが、
こんなプレイをしたら、「電動キックボードは信号を守らない」と動画をネットにアップされて炎上するでしょう笑。
そもそもこんなマニアックな話を理解して特定小型原付に乗る人がいるとは思えないけど、信号無視として青切符を切ると大問題になりそうな。
まあ、「おかしい」と気づいて争えるほど道路交通法に詳しい人がいるのかすら怪しいけど、
「自転車専用信号」を特定小型原付にも適用できる根拠が見つからない…
けど世間の人がこれを見たら、100人中100人が「信号無視」と感じるでしょう笑。
この交差点においては、交差道路の進行妨害をせず、徐行している分には特定小型原付には信号がない(はず)。
道路交通法の恐ろしいところ
ちなみに管轄署に聞いたときは、だいぶ悩んでましたが「特定小型原付も自転車専用信号に従って」とのこと。
念のため根拠を聞いたら「…」みたいな感じでしたが。
けど、やっぱり何か見落としているのだろうか。
ハッキリ言えば「変」。
しかし法律上の根拠は見当たらない。
けどこれが合法だとしても、
横断歩行者妨害など違う問題が起きうるので、よほど自信がある人にしか推奨できないし、青切符切られても何ら不思議ではありません。
警察官が道路交通法に精通しているなんて幻想ですし。
仮に青切符切られたとしても争うのは大変な労力を費やしますし、反則告知受領拒否をして検察に出頭して抗弁するのは大変です。
しかも、交差道路の進行妨害や横断歩行者妨害など違う問題のリスクもあるので、結局は大人しく「自転車専用」に従っておくのが正解。
歩道通行の特例特定小型原付については、歩行者用信号に従う義務があるのでそれはきちんと守りましょう。
何か見落としている…のでしょうか?
「自転車専用信号」のみなんて滅多に見かけないから問題にはなりにくいと思うけど、法律上の根拠は見当たらないのです。
もしかして特定小型原付って凄いのかな。
まあ自転車専用信号なんてT字路二段階右折の場所でマレに見かける程度の話。
あれ、そう言えばうちの近所のT字路で、「自転車専用信号」信号機ごと撤去されて横断歩道の歩行者信号に「歩行者自転車専用」の補助標識が追加された場所があるのですが、
※イラストでは横断歩道と信号の位置が右にありますが、うちの近所は左側。
「歩行者自転車専用」があると特定小型原付に対する意味を持つことになる上に、横断歩道に限らず交差点を直進可能になる。
信号の種類 | 信号の意味 |
人の形の記号を有する青色の灯火 | 二 特定小型原動機付自転車及び自転車は、直進をし、又は左折することができること |
もしかしてとんでもなく「わかっている人」が、特定小型原付対策として信号を切り替えたのだろうか…
単に経費節減目的で信号機を減らしたのかなと思って見ていたけど、実は法律の抜け穴を理解している警察官が特定小型原付対策として切り替えた?
けど結局、「歩行者自転車専用信号」自体が分かりにくいという問題w
これ以前も書きましたが、T字路の二段階右折対策としては「歩行者自転車専用」信号って意味を成すのですよ。
ということで「自転車専用」信号は特定小型原付に対する意味を持たないものと考えられますが、見落としがあれば教えてください。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
丁字路は、歩行者自転車専用ではなく、自転車専用を設置して欲しいと思うことが、ままありますね。歩車分離信号になってることが結構あり、二段階右折時に青信号を横切ることになるので、気持ち的に良く無いです。まあ、停止状態からのスタートで車道を横切る程度の距離なら、あまりスピードは出てない筈なので、停まれないとかはないので、そこまで危険ではないのかも知れませんが。
コメントありがとうございます。
自転車専用信号のほうが分かりやすいと思いますが、たぶん経費的には補助標識で済む「歩行者自転車専用」のほうなんだと思います笑。