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自転車の青切符制度と「追いつかれた車両の義務」&「追い越し時側方間隔」が新設に。

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自転車の青切符制度導入については有識者会議が何回か行われてましたが、12月5日に有識者会議があったのになぜか資料が今日まで公開されず。

 

やっと公開されました。

◯基本方針
・悪質な違反(信号無視や一時不停止等)は青切符制度導入により反則金になる(反則金を払わない場合はクルマと同じで検察に送致される)
青切符は16歳以上が対象
・自転車の「携帯電話使用」が都道府県公安委員会規則から道路交通法に移行される
・今まで軽車両には罰則がなかった「酒気帯び運転」が軽車両にも適用される(赤切符)
・自転車を追い越し・追い抜きする際の規定ができる(?)

それでは細かく見ていきます。

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自転車の青切符制度

自転車に対する青切符制度導入については、過去の有識者会議で示されたように16歳以上、悪質な違反について適用。

青切符対象
◯ 信号無視
○ 指定場所一時不停止
○ 通行区分違反(右側通行、歩道通行等)
○ 通行禁止違反
○ 遮断踏切立入り
○ 歩道における通行方法違反
○ 制動装置不良自転車運転
○ 携帯電話使用等
○ 公安委員会遵守事項違反(傘差し)など

ただし、即青切符ではなく、「警察官の警告に従わずに違反行為を継続したときや、違反行為により通行車両や歩行者に具体的危険を生じさせたときなどには、積極的に取締りを行う」なので、基本的な方針は指導警告が主体になると思われます。

 

赤切符対象はこちら。

○ 酒酔い運転
○ 酒気帯び運転
○ 携帯電話使用等(交通の危険を生じさせた場合)

携帯電話使用等については、交通の危険を生じさせた場合は赤切符、それ以外は青切符の模様。

3 有識者検討会における委員の主な意見

2(1)及び(2)案それぞれにおけるメリット・デメリットを事務局において整理し(参考資料5)、本有識者検討会において議論を行ったところ、各委員から次のような意見があった。

○ 新しい制度を導入するというのはそれなりの負担があるため、既存の制度に載せて運用していくのがよいのではないか。
○ 今後、反則金や行政制裁金を導入するとなった場合、運用上、対象とする違反を悪質性・危険性・迷惑性の高いものに限定していくのか、といった議論はあると思うが、「取締りを受ける可能性がある」ということをスローガン的に示すことで、自転車の運転者にルールの遵守が必要であると認識してもらうことが重要である。
○ 違反があった場合には最終的に金銭が徴収さる、という仕組みは分かりやすく、国民にも浸透しやすいと感じる。国民のルールを守っていこうという意識を高めていくには必要な要素ではないか。
○ 自転車の違反を反則金の対象とした上で、運用上取締りの対象とする違反を限定するという考え方の背景には、自転車の違反の中には、そもそも犯罪とするほどでもない軽微なものが少なくないという理解があると思う。そうであれば、そうした違反は非犯罪化した上で行政制裁金を科すという制度を設ける方が筋は通っているように思う。その反面、全く新たな制度を設計することは導入までに時間が掛かることに加え、自転車の違反のみを非犯罪化の対象とすることは自動車や原動機付自転車の違反との関係で整合性が取れないという問題があるため、現実的な方策として、差し当たり交通反則通告制度の対象を拡大するのがよいのではないか。

4 自転車事故被害者御遺族及び関連団体関係者に対するヒアリングの結果

本有識者検討会及び事務局において、自転車事故被害者の御遺族及び関連団体の関係者に対してヒアリングを実施したところ、次のような意見があった。

○ 現行の交通反則通告制度の手続を自転車の交通違反にも利用した方がよいと考える。行政制裁金だと、逃げた者勝ちのような感じがする。納付率が高いという事実は違反を認めている方が大半であることを示しており、違反を認めずに反則金を納付しないのであれば、現行のように刑事手続で正々堂々と真偽を争えばよいと考える。【御遺族】
○ 実際、自転車が歩行者に衝突した死亡事故も発生している。自転車事故も自動車事故も、被害者は同じ車両による交通犯罪の被害者であることに変わりはない。自転車も自動車と同じように扱うべきだと思う。【御遺族】
○ 自転車の交通違反を交通反則通告制度の対象とし、青切符で処理できるようになれば、処理時間が短く済み、配達パートナーの拘束時間を短縮できるとい
う点において受け入れやすい。【フードデリバリーサービス事業者】
○ 交通反則通告制度の適用によって自転車利用者が安全運転に努めることにより、自転車関連事故が減少するのであれば、同制度を適用することは考えられるところ。ただし、幼児・児童等が成人と同様に交通違反であることを認識できるかどうかなどは不明であるので、同制度の適用に当たっては慎重に検討すべきと考える。【関連事業者団体】

5 自転車の交通違反に対する違反処理の今後の方向性 ~違反者の行動改善に向けた指導取締りの推進~

上記3及び4の意見を踏まえ、本有識者検討会においては、自転車の交通違反に対する効果的な違反処理を可能とするため、自転車を交通反則通告制度の対象とすることが望ましいとの結論に達した。自転車の交通違反を交通反則通告制度によって処理するに当たっての基本的な考え方は以下のとおりである。

(1) 反則行為となる自転車の違反行為
現行制度においては、自動車等による交通違反のうち、信号無視や指定場所一時不停止等の現認可能・明白・定型的な違反行為が反則行為とされている一方で、酒酔い運転や妨害運転等については反社会性・危険性が高く、交通反則通告制度による簡易迅速な処理ではなく通常の刑事手続によって処理すべきという考えから、反則行為とはされていない。
この点、交通反則通告制度の対象を自転車まで拡大した場合、どのような違反行為を反則行為とするかが問題となるところ、自動車等の反則行為の選定と同様の考え方に基づき、自転車による交通違反のうち現認可能・明白・定型的な違反行為を反則行為とし、反社会性・危険性が高く、簡易迅速な処理になじまない違反行為は反則行為とはしない案が事務局から示された(参考資料6)。
具体的には、信号無視や指定場所一時不停止等の自動車等について反則行為とされている違反行為のほか、自転車に固有の違反行為のうち、普通自転車の歩道徐行等義務違反等の現認可能・明白・定型的な違反行為についても反則行為とする一方で、酒酔い運転や妨害運転等の自動車等について反則行為とはされていない違反行為や、自転車に固有の違反行為のうち、自転車運転者講習受講命令違反等の簡易迅速な処理にはなじまない違反行為については反則行為とはしないというものである。
また、警察では、後述のとおり、交通事故の抑止のため、信号無視や指定場所一時不停止等の交通事故の原因となるような悪質性・危険性・迷惑性が高い違反行為について重点的な取締りを行っているところ、反則行為をこれらの違反行為に限定するべきかという論点もある。この点、交通反則通告制度が自転車にも適用されれば、通常の刑事手続によらず簡易迅速に違反処理を終結することができ、違反者・捜査機関双方の手続的な負担が軽減されるほか、反則金を納付すれば刑罰が科せられなくなることから、反則行為の対象を、刑事手続による刑罰の賦課を前提とした、現在の重点的な取締りの対象行為に限定すべき理由はないといえる。取締りの対象行為の限定については、飽くまでも運用上の措置として行われるべきものであることも踏まえ、本案においては、自動車等の場合と同様、取締りの重点や実績等にかかわらず、現認可能・明白・定型的な違反行為を一律に反則行為とすることとした。
本有識者検討会において、上記の案に関する議論を行ったところ、委員からは特段の反対意見が出されなかった一方で、

○ 自転車の交通違反に対して交通反則通告制度を適用するに当たり、自動車等と同様の考えに基づき反則行為とそれ以外の違反行為を区分するというのは理解できるが、反則行為については反則金が支払われる一方で、反則行為の対象外となる、反則行為よりも重い違反行為が赤切符処理をされた場合、これまでの検察の運用どおりであればそのほとんどが起訴猶予となり、何も制裁が科されないという一種の逆転現象が起こらないかという懸念がある。

と、自転車に対する交通反則通告制度の適用に当たり、運用に関する懸念が示された。

自転車が交通反則通告制度の適用対象とされた後、反則行為とそれ以外の違反行為それぞれに対する処理の結果を注視していく必要があるが、上記の懸念を解消するためには、反則行為以外の真に悪質な違反行為を行った違反者に対して適切な制裁が科されるよう、警察においては必要な捜査を尽くすとともに、検察においても個別具体の状況に応じた厳正かつ適切な判断が行われることを強く望む。

(2) 交通反則通告制度の対象となる自転車運転者の年齢

現在交通反則通告制度の対象とされている自動車や原動機付自転車については、運転することができる者の年齢が道路交通法において定められていることから、その運転者は一律に交通反則通告制度の対象とされているところ、年齢を問わず運転することができる自転車を交通反則通告制度の対象とするに当たっては、同制度の対象とする運転者の年齢が問題となる。
この点について、事務局から示された案の概要は次のとおりである。

○ 交通反則通告制度の対象となる自転車運転者の年齢については、義務教育を修了し、基本的な自転車の交通ルールに関する最低限の知識を有しており、交通反則通告制度による画一的な処理になじむといえる 16 歳以上の者を対象とする。

○ 16 歳未満の者は、交通ルールに関する知識の程度や交通反則通告制度の効果への理解度等につき、個人差が大きいと考えられることを踏まえると、交通反則通告制度による画一的な処理にはなじまず、特に 14 歳及び 15 歳の自転車利用者に関しては、その違反行為が警察官の警告に従わずに違反行為を継続するなどの悪質・危険なケースである場合には、赤切符等による取締りを行う。
本有識者検討会において、上記の案に関して議論を行ったところ、各委員から次のような意見があった。

○ 交通反則通告制度の対象となる自転車運転者の年齢に関して、16 歳以上というところが適切だと思う。
○ 交通反則通告制度の対象とならない 16 歳未満の者に対しては、制裁に代わる教育的な措置として、「車両」として自転車が従うべき基本的な交通ルール等を身につけられるよう指導警告票を活用した効果的な指導警告を行うなど、指導警告を充実させることで対処いただきたい。加えて、刑事未成年となる 14 歳未満については自転車運転者講習の制度からも外れることとなるため、同様に指導警告の充実による教育的措置が必要と考える。

○ 16 歳未満のこどもへの教育については、交通ルールに関する知識の程度に差があるからこそ、違反行為があった際に教育をすることが重要である。

今回の改正、見直しについては、5年後 10 年後のこどもたちの社会がより安全で快適なものになることを目指すものであるため、検討を後回しにしてはいけないと考えている。
上記のとおり、本有識者検討会においては、交通反則通告制度の対象となる運転者の年齢については 16 歳以上とすることで一致した。また、16 歳未満の
自転車運転者に対しても、指導警告の実施11や教育の充実により運転行動の改善を促すようにするべきである、という認識が委員間で共有された。

https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/kentokai/04/chuukanhoukokusyo-honbun.pdf

違反者講習との関係

自転車の場合、指定違反を3年以内に2回以上繰り返した場合には違反者講習の受講が義務ですが、これについては青切符になっても変わらないらしい。

(3) 交通反則通告制度と自転車運転者講習の関係

自転車の運転に関し一定の違反行為(危険行為12)を一定期間内に反復して行った者(14 歳以上の者に限る。)13については、将来的に自転車の運転により交通の危険を生じさせるおそれが強いと認められることから、その危険性を改善するため、道路交通法第108 条の3の5第2項の規定により自転車運転者講習の受講命令が課されることとされている。自転車運転者講習には、交通ルール等に係る理解度チェックや違反行為の危険性の疑似体験等が盛り込まれており、受講者の行動特性に応じた教育内容とされている。
交通反則通告制度の適用対象を自転車まで拡大した場合を念頭に置いた議論の中では、自転車運転者講習をどのように運用するべきかという論点があるところ、自転車運転者講習の運用の在り方に関し、事務局から、

○ 自転車運転者講習は、自転車の運転による将来的な交通の危険性を改善することを目的としており、取締りに代わるものではないことを踏まえれば、違反者の年齢や違反処理の方法の差異により運用を変えることとはしない。
○ 具体的には、危険行為が反則行為の場合は交通反則通告制度により処理し、それ以外の違反行為の場合は刑事手続により処理することとなるが、違反者の年齢や違反処理の方法にかかわらず、危険行為を一定期間内に反復して行った者に対しては、従来どおり自転車運転者講習の受講命令を課すこととする。

という案が示され、本有識者検討会において議論を行ったところ、

○ 交通反則通告制度の対象とされない 16 歳未満の者については、1回の違反でも非常に危険な行為をすれば受講命令をするという運用でもよいのではないか。

と、現在の自転車運転者講習の受講要件の在り方を見直すべきではないかという意見があった一方で、

○ 自転車運転者講習については、法律上、危険行為を反復した者を対象としている点を変えることは難しいという前提の下、実態として 14 歳、15 歳の違反者がどれだけの数いるかを見ていき、数が一定数いれば、違反回数や講習内容の点で特別に類型を設ける必要があると言えるだろう。

と、現在の自転車運転者講習の運用を前提としつつ、今後の違反者の違反実態を考慮しながら考えるべきであるという意見もあった。
このように、交通反則通告制度の対象を自転車まで拡大するに当たり、自転車運転者講習の受講要件も見直すべきか、という論点には様々な意見があったところ、当面の間は現在の自転車運転者講習の在り方に基づいて運用を行った上で、交通反則通告制度の適用後の状況を注視しつつ、必要に応じて講習の在り方を見直すことが望ましいと考えられる。

自転車を追い越し・追い抜きする際の側方間隔

以前の有識者会議では「自転車を追い越し・追い抜きする際に至近距離で怖い」という点が議題に上がってました。
これを受けて二輪車を追い越し・追い抜きする際の側方間隔を法で規定するのか?という期待もありましたが、一部報道ではこのように出ています。

また、自動車が自転車の右側を追い抜く場合に十分な間隔がない時、自動車側は安全な速度での進行、自転車側にはできる限り左側に寄ることを新たに義務づける。「十分な間隔」の具体的な距離は法令に明記しないが、1・5メートル程度を想定し、広報・啓発をする方針。自動車側は「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」、自転車側は「5万円以下の罰金」の罰則を設ける。

 

自転車に「青切符」導入へ 16歳以上、指導・警告に従わないと摘発(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
警察庁は21日、軽微な交通違反で「青切符」を交付して反則金を納付させる交通反則通告制度に、新たに自転車を加える道路交通法改正案を2024年の通常国会に提出する方針を明らかにした。対象は16歳以上と

これに該当する記述を有識者会議の内容から見つけることができなかったのですが、どこに書いてあるのだろう?

第4 自転車が通行しやすい交通規制の在り方
1 自転車が通行しやすい環境を創出するための取組の現状と課題

(1) 自転車通行空間の整備
警察では、自転車通行空間を確保するための取組として、

○ 道路管理者と連携した普通自転車専用通行帯の整備等21
○ 普通自転車の歩道通行を可能とする規制(自歩可規制)等の見直し
○ 自転車横断帯の撤去

等を推進しており、これらの結果として、自転車専用の通行空間が一定程度増加するとともに、歩行者との交錯のおそれがある交通規制については徐々に減少している(参考資料9)。

(2) 車道を通行する自転車の保護に資する取組
愛媛県においては、「シェア・ザ・ロード」の精神を基本理念とする条例「愛媛県自転車の安全な利用の促進に関する条例」を平成 25 年に制定しており、同条例においては「自動車等の運転者は、自転車の側方を通過するときは、
これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行するよう努めなければならない。」と規定している。加えて、自転車の保護に係る取組をより一層強化するべく、条例に規定する「安全な間隔」を具体的に示すことで条例の基本理念の実践を促すことを目的とした、「思いやり 1.5m 運動」を平成 27 年から実施している(参考資料 10)。

(3) 自転車通行空間における違法駐車取締り
警察においては、駐車禁止規制が実施されている普通自転車専用通行帯における違法駐車取締りを駐車監視員とも連携して強化している。また、取締りに当たっては、

○ 自転車の通行量、違法駐車の状況、地域住民等からの要望等を踏まえ、重点的な取締りを行う区間や時間帯を選定して実施するなど、メリハリのある活動に努めること
○ 違法駐車に起因する交通事故の発生状況や重点的に違法駐車の取締りを行う普通自転車専用通行帯等について適切に情報発信を行い、違法駐車の抑制を図ること

等の指示が警察庁から都道府県警察に対して出されている。

(4) 現状の取組における課題
警察庁が令和5年に実施したアンケート調査結果によれば、自転車の運転中に自動車と接触したり、接触しそうになったりした経験がある者が全体の 36%を占めており、自動車と接触したことがある自転車の運転者に限っては、その4割以上が隣を通行する自動車に横から距離を詰められた経験をしているという結果が得られている(参考資料 11)。この結果を踏まえると、一部の地方自治体で実施されている車道を通行する自転車の保護に資する取組については、国としても推進していくことが必要であると考えられる。
また、自転車通行空間における違法駐車対策については、国において違法駐車取締りの実態把握やその効果の検証ができておらず、加えて、自転車利用者から違法駐車への対応を求める声が依然として寄せられている現状を踏まえると、駐車需要との均衡を図りつつ、違法駐車対策の実効性を高めるための方策について検討する必要があると考えられる。

2 有識者検討会において委員から出された主な意見

本有識者検討会において、警察における自転車通行空間の確保に向けた取組の現状やアンケート調査の結果を踏まえ、自転車が通行しやすい交通規制の在り方について議論を行ったところ、各委員から次のような意見があった。

○ 自転車が関連する重大事故の約4分の3では自転車利用者に法令違反があるとのことだが、重大事故の多くは自動車との事故であり、かつ、自動車側のほぼ全てにも何らかの法令違反があることを踏まえると、双方がルールの遵守を徹底することが重要である。特に、自転車の通行空間が整備されていない道路も多い中、道路交通法上のルールの中には自転車通行を想定していないものが散見されるため、正しいルールで通行することが難しい場合がある。
○ 自転車にこどもを乗せて車道を通行している際に、自動車から幅寄せをされることがあり、そのような状況下では安心して車道を通行することができな
い。自転車が安全に車道を通行することができるよう、自動車の運転者に配慮を求めることも必要ではないか。
○ 赤ちゃんを連れている方、目の見えない方、耳の聞こえない方を含め、多くの方が通行する歩道上を自転車が無制限に走ってくる状況は非常に危険であり、歩道上の安全は守らなくてはいけないと考えている。一方で、車道を通行する自転車と自動車の接触においては右側面の接触が多いというデータもあるため、これらの要素を総合的に考えて、自転車が車道の左端を通行することができるような環境を作っていかなければならない。
○ 愛媛県等で実施されている「思いやり 1.5m 運動」は全国にも広げていくべきと考えているが、自動車と自転車との間に 1.5m の間隔を確保することができない場合には徐行する、としている点については検討が必要である。自動車に徐行させるとなると、自動車は自転車を追い抜くことができない。
○ 「思いやり 1.5m 運動」については、道路が狭く、自動車と自転車との間に1.5m の間隔を確保することができないことから、導入をためらっている自治体もある。また、「シェア・ザ・ロード」という表現についても、その趣旨が全ての方に正しく伝わるとも限らない。このような取組を広く浸透させていくためには、1.5m という距離にこだわるよりも、「自転車の横を通過するときはしっかりと間隔を空けて、お互いが気持ちよく使えるように」といった単純明快なメッセージでアピールをしていただきたい。
○ 自転車は車道通行が原則とされているが、車道を通行していると放置車両や路上駐車をよけて通行しなければならないような場合も散見され、安全性を考えると車道通行がためらわれるような現状がある。

3 自転車が通行しやすい交通規制の今後の方向性 ~自転車が安全・安心に通行できる環境の整備~

本有識者検討会において議論した結果、それぞれの内容について次の方向性が取りまとめられた。

(1) 車道を通行する自転車の保護
自転車の車道通行を徹底するためには、前提として自転車が安全に車道を通行することができる環境を創出することが必要であり、そのためには、車道を通行する自転車の保護に資する取組を全国規模で推進していくことが適当である。具体的には、愛媛県等の取組事例も参考にしつつ、「全ての交通主体がお互いに思いやり、共に道路を安全・快適に利用する」という理念を国民に浸透させるためのキャンペーンを展開していくほか、車道を通行する自転車の保護に関する法制上の措置を講ずることが考えられる。

(2) 自転車通行空間における違法駐車対策
自転車通行空間における違法駐車取締りの実効性を高めるため、駐車監視員の活動に係るガイドラインについては、自転車の通行量や交通事故の発生状況、違法駐車の実態等を踏まえ、随時見直しを行うことが適当である。具体的には、これまで駐車監視員の活動範囲として指定されていなかった法定外表示の区間に駐車規制が実施されている場合には当該区間を活動範囲として指定するなど、真に取締りを実施すべき場所、時間等を更に重点化していくことが考えられる。また、自転車通行空間における違法駐車を抑制するためには、上記ガイドラインの見直し内容を含めた違法駐車取締りに係る方針、活動状況等を分かりやすく関係業界や国民に伝え、警察の取組への理解と協力を求めていく努力が必要であり、警察においては、これまでの広報啓発活動の枠組みにとどまらず、より効果的な広報啓発の在り方を模索していくべきである。
他方で、違法駐車対策を取締りの観点のみから行うことは適当ではなく、駐車需要を踏まえた対策が必要であり、関係者とも連携して需要に応じた駐車スペースを確保するなど、路上駐車等により自転車が通行しづらい状況が緩和されるよう努めるべきである。

愛媛県条例の紹介と国としても自転車保護政策を進める方針は読み取れますが、具体的に「安全側方間隔」「進路避譲義務」について記したものを読み取れず。

 

具体的な数字を定めないなら、今までと何も変わらないことは間違いないかと。
現状でも安全運転義務違反(70条、28条4項)は適用しようと思えば不可能ではないのであって、単に警察が及び腰になっているだけだと捉えてますが。

 

自転車への側方間隔はどれくらい空けるべき?判例を検討。
先行する自転車を追い越し、追い抜きするときに、側方間隔が近すぎて怖いという問題があります。 これについて、法律上は側方間隔の具体的規定はありません。 (追越しの方法) 第二十八条 4 前三項の場合においては、追越しをしようとする車両(次条に...

 

追い抜きに関する規定は、「自動車が自転車の右側を通過する場合、十分な間隔がない時、自動車は間隔に応じた安全な速度で進行する」よう義務づける。同じ状況で自転車には「できる限り道路の左側端に寄って通行する」義務を課す。

 「十分な間隔」や「安全な速度」の具体的数値は法令では規定せず、今後検討して目安を定めて示す。間隔は1~1・5メートルが基本になるという。速度については、自転車は通常時速20キロくらいで走ることが多く、追い抜く車はそれを5~10キロ上回る速度が目安になるという。

自転車追い抜き時、車に罰則付き義務 ながら運転禁止 道交法改正へ:朝日新聞デジタル
警察庁は21日、道路交通法の改正原案をまとめた。車が自転車を追い抜く際、「間隔に応じた安全な速度」で進行する義務を車の運転者に罰則付きで課す新たな規定を盛り込む。自転車の交通違反に、青切符を受けて反…

これって要は今までと同じ話でしかなくて、多数の業務上過失致死傷判例で示されてきたのと同じなんですね。
しかも「自動車が自転車の右側を通過する場合、十分な間隔がない時、自動車は間隔に応じた安全な速度で進行する」なので、側方間隔が取れない場合には減速して至近距離通過することを法で明確に容認することになるわけで、プラスになるかマイナスになるかはやや疑わしい。

 

それこそ、時速20キロで進行する自転車を「時速25キロ、側方間隔60センチ」が合法ともなりうる話なので、まあまあビミョーに思えてなりません。
続報を待つしかありませんが、むしろマイナスに働くリスクもあります。

自転車を追い越し・追い抜きする際の「側方間隔案」、大失敗に終わる予感。
既に警察庁の有識者会議の内容は書いてますが、 有識者会議の内容には書いてない内容が報道されています。 追い抜きに関する規定は、「自動車が自転車の右側を通過する場合、十分な間隔がない時、自動車は間隔に応じた安全な速度で進行する」よう義務づける...

トータルで見て

個人的な感想としては、青切符が導入されること、軽車両の酒気帯び運転に罰則ができること以外は具体性が乏しい話に思えますが、青切符にしても違反したら即切符という運用ではなく、運用上は疑問が残ります。

 

しかしながら、報道と差異を感じる「進路避譲義務」の件などはよくわからないのですが、仮に新設されたとしても左側端寄り通行している分には関係ないですし。

 

イマイチ不透明な点や具体性があるのかないのかわからないような話も出てますが、しばらく様子を見るしか無さそうです。

 


コメント

  1. kueharaaz より:

    おっしゃる通りですね。
    この部分、
    ”車道を走る自転車を保護する目的で、十分な距離がない場合には、自動車には安全な速度で走行すること、自転車にはできる限り端に寄ることを義務づける規制も設けられる。”

    そしてYahooニュースに出ていた
    ”1.5m という距離にこだわるよりも、「自転車の横を通過するときはしっかりと間隔を空けて、お互いが気持ちよく使えるように」といった単純明快なメッセージでアピール”

    だめだこりゃ、という感じです。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      側方間隔にこだわるよりもお互いが気持ちいいという絵が全く理解できなかったのであえてツッコミしてませんが(笑)、結局は今まで通りなんだろうなと理解しました。

      有識者会議は失敗に終わった感しかありません。

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