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横断歩道は「歩道」なのか?「車道」なのか?

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横断歩道は法律上、歩道なのか?車道なのか?という話をしてくる方がいたのですが、法律上は「道路の部分」ですね。

四 横断歩道 道路標識又は道路標示(以下「道路標識等」という。)により歩行者の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいう。

ところがどうみても車道にあります。

横断歩道を「車道の部分」ではなく「道路の部分」としているのには理由があります。

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「車道の部分」と定義した場合

いきなりですが質問です。
ここに車道はありますか?

結構勘違いしやすいポイントですが、これは「歩道と車道の区別がない道路」になるため、歩道も車道もありません。

 

仮に横断歩道を「車道の部分」と定義した場合、このような道路に横断歩道を設置すると無効になってしまいます。
「車道」がないので。

歩道がある道路においては、歩道上に横断歩道を設置したら意味がないので「車道の部分」となります。

「横断歩道」とは、歩行者が車両等から危害を受けないで安全に道路を横断できるように道路の一定部分を区間して設けた施設である。(中略)横断歩道は、歩車道の区別のある道路であると歩車道の区別がない道路であるとを問わない。もっとも、歩車道の区別がある道路における場合は、道路のうち車道の部分のみを指すことになる。

 

横井大三、木宮高彦、「註釈道路交通法」、有斐閣、1961

 

読者様
読者様
横断歩道は「歩道」だろ!
管理人
管理人
違います。
歩道ではなく「道路(ただし歩道と車道の区別がある場合は車道)」です。
読者様
読者様
横断歩道は車道ではなく「道路の部分」だろ!
管理人
管理人
歩道と車道の区別がある場合は車道の部分になります。

ただし路側帯がある場合は若干運用が違いまして、横断歩道部分のみ路側帯がなく、道路全幅に横断歩道を設置することが多い。

なので路側帯通行自転車も「横断歩道に接近」する関係にあることに注意。

 

横断歩道の定義を「道路の部分」とし、「車道の部分」としていない理由は、「車道の部分」と定義した場合には歩車道の区別がない道路に横断歩道を設置できなくなるというだけの理由です。
そして車道、もしくは歩車道の区別がない道路において横断歩道上は歩行者が優先権を持つことになる(赤信号の場合を除く)。

旧法における横断歩道の定義

そもそも、道路交通法が制定される前の道路交通取締法では、横断歩道の定義はこうなってました。

令1条3項
横断歩道とは、次のような車道または道路の部分をいう。
(1)交差点その他の場所において、歩行者の横断の用に供するため、区間線によって区間された道路の部分。
(2)交差点において、横断歩道の区間が明示されていない場合においては、歩道の境界線をその始端において結ぶ線によって囲まれた車道の部分

2項では「横断歩道の区間が明示されていない場合」とありますが、旧法では横断歩道の路面表示がない場合でも歩車道の区別がある交差点では「観念上の横断歩道」がありました。

旧法から現行法になる際に観念上の横断歩道を廃止した関係から「道路の部分」と定義。

 

歩道上に横断歩道を設けたところで何の意味もないので、現行法において「道路の部分」と定義する理由は単に「歩車道の区別がない道路」との兼ね合いです。
なお横断歩道を「歩道」と解釈したら、車両が横断歩道を通過できる根拠がなくなり、意味がわからなくなるため歩道と解釈することはムリです。

 

車両が歩道を通過できる根拠はこれしかありませんから…

(通行区分)
第十七条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条及び次条第一項において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。

車両が横断歩道を通過するのは「道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合」には当てはまらないし、ましてや駐停車するわけではない。

 

と、あくまでも法律上の概念としては「道路(歩道と車道の区別がある場合は車道)の部分」ですが、精神衛生上「車道上で歩行者が優先権を持つ場所」と考えるか、「歩道と同視すべき」と考えるかについてはお好きにどうぞとしか言えません。

そもそもの話として

旧法時代は、横断歩道を通過しようとする車両は全て徐行義務が課されてました(旧令29条1項)。

第二十九条
車馬又は軌道車は、見通しがきかない交差点若しくは坂の頂上附近、曲角、横断歩道又は雑踏の場所を通行するときは、警音器、掛声その他の合図をして徐行しなければならない。

この時代特有の「クラクション鳴らして」徐行義務がありましたが、以前書いたように追い越しする際にもクラクションを鳴らす義務があったのでやかましい時代ですよね笑。
道路交通法になり横断歩行者がいる時には一時停止義務が新設されたので徐行義務はなくなりましたが(減速接近義務はありますが)、これだけ一時停止率が悪いとなると、問答無用に徐行義務を課したほうがマシなのかもしれません。


コメント

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