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「速度超過車に追いつかれても追いつかれた車両の義務ガー!」という人が試して欲しい話。

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道路交通法27条には「追いつかれた車両の義務」がありますが、法解釈上、速度超過して追いついた車両に譲る義務はありません。
道路交通法に規定された優先ルールの基本原則は「適法に通行する車両に優先権がある」です。

 

けど、

読者様
読者様
条文上、「速度超過車の場合を除く」とは書いてないのだから、速度超過車に追いつかれた車両も譲る義務があるだろ!

と語る人が絶えない。
そんな方は一度試してみたらいかがでしょうか?

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追いつかれた車両の義務があるかないか?

まず、非緊急走行のパトカーを探しましょう。

パトカーに対して速度超過しながら追いついてみましょう。
パトカーが譲ってくれない場合はスピーカーを使って

読者様
読者様
前のパトカーさん、追いつかれた車両の義務違反ですよ。
速度超過して追いついたけどちゃんと譲ってくださいね!

と諭してみればよい。

 

非緊急走行のパトカーは一般車と基本的には変わらないですし、「速度超過車に追いつかれた車両も譲る義務がある」が持論なんでしたよね。
パトカーが実践するか確認するのが一番分かりやすいのでは?

まさか一般車には譲れと言いながらも、パトカーには言わないなんて差別です。
平等原則に違反してます。

 

私の予想では、パトカーさんは左ウインカーを出し、赤色灯をつけて、「後ろの運転者さん、止まってください」と優しく語り始めると思うのですが、止まってからじっくり話し合いをすればよい。

 

何事もきちんと話し合いすることが大事です。

何を警戒しているのやら

以前、ある片側一車線のまあまあ広い道路を進行していたところ、渋滞が起きてました。
しょっちゅう渋滞する道路なのでいいんですが、なせか大量の原付やオートバイがすり抜けせずに停止している。

停止車両の左をすり抜けること自体に違法性はありませんが、不思議に思って見てみたら

白バイがここにいて、たぶん原付やオートバイが「すり抜けは違反か?」について自信を持てなかったのでしょう笑。
シュールな光景で笑いました。

 

私が知る限り、警ら中のパトカーなんてたいしたスピードも出さないまま進行してます。
速度超過して追いついて、譲ってくれないならスピーカーで注意してみたらいかがでしょうか?
法解釈を知るチャンスですし、机上の解説書よりも実技が大事ですよね。
実戦で得た知識は、頭に強くインプットされるものです。

 

例えば道路交通法37条には「信号の有無」が書いてありません。

第三十七条 車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない。

条文だけで見ると、赤信号無視して直進する車両の進行妨害禁止になるように思えますが、解釈はこうなる。

道路交通法第37条第1項所定の交差点における直進車の右折車に対する優先は、直進車が交差点に適法に入ったときだけに限るのであって、信号を無視して不法に交差点に入った場合には認められない。

昭和38年11月20日 東京高裁

37条には直進車が速度超過した場合なんて書いてないけど、解釈はこうなる。

道路交通法37条1項は車両等が交差点で右折する場合(以下右折車という)において直進しようとする車両等(以下直進車という)の進行を妨げてはならない旨定めているが、右規定は、いかなる場合においても直進車が右折車に優先する趣旨ではなく、右折車がそのまま進行を続けて適法に進行する直進車の進路上に進出すれば、その進行を妨げる虞れがある場合、つまり、直進車が制限速度内またはこれに近い速度で進行していることを前提としているものであり、直進車が違法、無謀な運転をする結果右のような虞れが生ずる場合をも含む趣旨ではないものと解すべきである。

(中略)

従つて、右折車としては、直進車が制限速度内またはそれに近い速度で進行することを前提に、直進車と衝突する危険のある範囲内の前方の状況を確認し、かつ、その範囲内に進行する直進車の避譲をすれば、足りるのであつて、これ以上に制限速度をはるかに越える速度で進行する車両等のあることを現認している場合は格別、これに気付かない場合に迄そのことを予想して見とおしのきく限り前方の状況を確認し、かつ、全ての直進車を避譲しなければならぬ業務上の注意義務はない。

富山地裁  昭和47年5月2日

追いつかれた車両の義務も、速度超過した違法車両に進路を譲る義務を定めたものではありません。

 

追いつかれた車両の義務についての判例はそれほど多くはありません。
イエローのセンターラインのとき(4輪車同士)には追いつかれた車両の義務がないとした札幌地裁 平成6年4月15日判決(民事)や、

道路交通法27条2項の判例。
以前書いたこちらについて質問を頂いたのですが、 ということなので。 みんな大好き「追いつかれた車両の義務」ですよね。 札幌地裁 平成6年4月15日(民事) この判例は民事ですが、事故の態様。 原告が、昭和(略)、被害車両を運転し、北海道千歳...

追いつかれた車両の義務を理由に、後続車が追い越しする際の注意義務まで免責にするものではなく、むしろ後続車が注意を払うべきとした大阪高裁 昭和43年4月26日判決(刑事)など。

みんな大好き「追いつかれた車両の義務」。
先日からやたらといろんなところでウチの記事が引用されるのですが、みんな大好き「追いつかれた車両の義務」。 これはこれとして、ちょっと前に書いたこれ。 これにグダグダ言ってきた人がいたのですが。 追いつかれた車両の義務 上リンク先で挙げた判例...

あとは「車道外側線から0.8~1m内側」は追いつかれた車両の義務について「十分寄っていた」と判断した名古屋地裁 平成21年10月2日判決(民事)など。

原付と「追いつかれた車両の義務」についての判例。
みんな大好き「追いつかれた車両の義務」ですが、追いつかれた車両の義務について示した判例はさほど多いわけではありません。 そんな中、以前も書いてますが「原付」について追いつかれた車両の義務違反があったか争われた判例があります。 原付と追いつか...

とりあえず「速度超過車に追いつかれた場合でも義務がある」と主張する方は、パトカーに対して速度超過しながら追いついてみたらいかがでしょうか?
譲ってくれないならスピーカーできちんと指導。

 

机上の解説書よりも実技が大事です。
一般車相手には「譲れ」、パトカー相手には「…」なんて平等原則に反します。
法の下の平等ですよ()。

 

「条文に書いてないから速度超過車にも譲れ!」という人は、赤信号無視の直進車に譲る義務があると考えるのですよね?
赤信号無視の直進車と衝突したときに「進行妨害した右折車が悪いヨ」というならある意味衝撃を受けますが…

 

まずはパトカーさんを相手に、速度超過しながら接近してみましょう。
譲ってくれないならスピーカーで諭しましょう。
赤色灯が回転すると予想しますが…実戦で得た知識は大事ですから。
パトカー相手に速度超過しながら追いついて、車間距離詰めて、スピーカーで「譲って」と言えるならある意味凄いなと思うけど、たぶん赤色灯が回転しだすだけなんじゃないかな。

 



コメント

  1. 元MTB乗り より:

    左すり抜けは、パトカーいようが白バイいようが、できるスペースがある時はしてますけど、注意受けた事はないですね(自転車なので相手にしてないかも知れませんが)。某独立国家の神奈川県警も何も言わなかったです。ただ、その後の左折レーンでの信号待ちでは、車料通行帯でも自転車は常に左端を走れ、と謎な道路交通法を展開されてましたが。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      基本的にすり抜けは違法ではありませんが、多数の二輪車が白バイに警戒して自重する光景があまりにもシュールでした笑。

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