道路交通法37条では、直進車は右折車よりも優先するわけですが、
直進車が間違って左折合図をしながら直進し、対向右折車と衝突した場合にはどうなるのでしょうか?
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間違った合図と過失責任
判例は東京高裁 昭和46年2月24日。
業務上過失致傷の判例ですが、被告人は直進車の運転者。
○直進車(被告人)
・時速35キロで進行中に誤ってレバーに触れて左折合図が作動。
・左折合図をしていることに気がつかないまま、交差点を直進しようと進入。
・対向右折車を認めたが、直進車に進路を譲ると思い加速。
・対向右折車と衝突し、右折車の運転者と同乗者が負傷。
○右折車
・被告人車が左折合図をしているのを、交差点50m手前で現認。
・被告人車とほぼ同時に交差点に進入。
・衝突。
イメージはこんな感じですかね。
右折車は対向車の左折ウインカーを信用して右折しようとしたところ、
実は左折合図は「間違い」で、被告人車は直進し事故発生。
直進車からすれば左折合図をしていることに気がつかないまま進入したので、直進車優先と思っている。
右折車からすれば、対向車は左折するものと信じているので右折。
この判例、詳細が残ってないのですが、二審は一審を破棄して直進車を有罪に(右折車は刑事責任を問われたか不明)。
本件事故の原因は、被告人が対向車の動静注視等を怠ったというよりはむしろ、被告人が誤って左折の方向指示を出しながら、指示とは異なり、交差点を直進しようとして加速したため、右交差点を右折進行しようとしていた対向車の運転者をして、その際の具体的状況上、直進車に道を譲るべきか、それとも自車が先に右折を完了すべきか等につき、去就を迷わせた点に求めるのが相当である。
東京高裁 昭和46年2月24日
偽合図により誤認させた点を過失として有罪に。
まあ、悪気はないにせよ過失には違いないので。
合図と信頼の原則
右左折との関係で、合図を適法に出して確認していたことから信頼の原則を認めた判例はまあまあありますが、不適法な合図を過失として有罪にした判例はちょっと珍しいかも。
確かに左折合図を出しながら交差点に向かえば、他の通行者からすればその車両が左折することを期待する。
左折合図しながら直進されたら不意打ちみたいになりますが、そもそも間違って合図を出す事例なんて滅多にないからこういう判例もほとんどないのでしょう。
路面の凹凸で車体が揺れて、レバーを触ったみたいに書いてありますが…
若干疑問なのは
右折車ドライバーは同乗者をケガさせた扱いにもなるため、右折車ドライバーも刑事責任を問われかねないのですが、起訴したのかも不明です。
たまに両者ともに起訴されている事例を見かけます。
例えばこちら。
今の時代には間違いウインカーなんてあまり無い気がしますが、偽合図は危険。
けど右折車にしても、左折車を妨害しちゃダメなので慎重に右折を開始すべきと思うのですが、詳しいタイミングの記録がないのでよくわかりません。
合図を確認してから、実際に左折を開始したのを確認して右折すべきだと思う。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
そう言えば、自転車で後ろに接近した瞬間に左ウィンカーをワザと出す車が偶にいますね。交差点で左折せずに直進するので、おそらく左すり抜けを牽制したかったのだと思います。
後、誤りではないですが、停留所で乗降中のまま、右ウィンカーを出し始めるバスもよく見かけますね。譲らない車が多いのもあるんでしょうが、ちょっと何だかな、と感じる所はあります。
コメントありがとうございます。
合図をテキトーに出されると困りますよね。
全く出さないのもいますし…
対向車が曲がり始める前に右折を開始するのはダメですね。私も同様のケースで怖い思いをしたことがありますが開始していなかったのでセーフでした。過失相殺割合が気になります。
コメントありがとうございます。
民事はまた別なのでどうなったのかわかりませんが、左折すると思い込んだとしても実際に左折を開始したのを見てから右折すると思うんですよね。