昨年始まったシマノの11速デュラエース、アルテグラクランクのリコール問題に派生してアメリカでは訴訟に発展してますが、
昨年の時点で既に提訴していたはずが、今さら日経が報じてます。
しかもトレック、スペシャライズド以外にジャイアントも被告になっているらしい。
シマノからも公式にアナウンスされました。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS02673/222b122a/1919/4f90/9712/e2a136d952da/140120240213534274.pdf
この件については昨年時点で訴訟まで公開されていますが、要はクランクの点検で異常が見られなかったライダーには何の解決策も示されていないというところが不満の理由。
「点検で異常が見られなかったから、今後も大丈夫と言えるの？」というところがある種の出発点なわけ。
この件って全世界で「点検して異常が見られた場合のみ交換」「二回目までは点検無料」なのです。
アメリカの政府(gov)サイト(アメリカ消費者製品安全委員会)の発表はこちら。
シマノ、衝突の危険性があるため自転車用クランクセットをリコール
リコール日:
2023 年 9 月 21 日
単位:
約68万台（さらにカナダで8万台販売）療法：
消費者は、2019 年 7 月 1 日より前に製造されたクランクセットの使用を直ちに中止し、シマノ正規ディーラーに連絡して無料のクランクセット検査を予約する必要があります。検査中にクランクセットに接着剥離または層間剥離の兆候が見られた消費者にのみ、無料で交換用のクランクセットと取り付けが提供されます。事故/傷害:
同社はクランクセットの分離事故を4,519件受けており、骨折、関節の変位、裂傷を含む6件の負傷が報告されている。
なぜか「日本だけが点検してから交換、海外では全数交換」とデマを流す人もいるのでビックリしますが、アメリカでも「点検して異常が見られた場合のみ交換」。
それに不満を持つ方々が提訴している。
なぜトレックなどが巻き込まれているかというと、こういう理由。
https://www.classaction.org/media/erazo-et-al-v-shimano-north-america-bicycle-inc-et-al92.pdf
まとめるとイメージはこう。
・トレックは「世界最高の自転車とサイクリング用品」を販売している、「究極のパフォーマンスを発揮する」などと宣伝しているが、シマノ「問題のクランク」がついていた
・トレックの自転車にはクランクを含め「慎重に選択された組み合わせが搭載されている」と伝えており、シマノの製品を絶賛していたが、「問題のクランク」がついていた。
・トレックのバイクには「シマノ」のロゴまでついていた
スペシャライズドも似たような理由により巻き込まれていますが、おそらくジャイアントも同じ理由かと。
この件って本来であれば全数交換が望ましいと思うし、ショップによって検査体制に大きな差が出ているなどユーザーからすれば不満が多い。
実際のところ、9000の予備チェーンリングを持っている人なんかは、もしクランクが交換になってしまったら予備チェーンリングはどうなるのさ？と疑問もある。
アメリカの訴訟システムはよくわかりませんが、まずは集団訴訟の成立を認めるか？という段階らしい。
つまり具体的な審議には入っていないものと思われます。
具体的な請求額は明らかとなっていませんが、原告はクラスアクション（集団訴訟）の成立を求めています。
クラスアクションの成立は裁判所が認証するものですが、裁判は初期の段階であり現時点で認証されておりません。当社は当社子会社と連携し対応を進めており、当社子会社は２月７日付で請求棄却を求める書面を提出しました。
今後どうなるのかわかりませんが、どちらかというとシマノ以外に巻き込まれているブランド(トレック、スペシャライズド、ジャイアント)にどのように影響するのかが心配です。
コメント