ちょっと前にこちらを取り上げていますが、
これについて「クルマにも過失があるだろ!」と語る人がまあまあいてビックリする。
これって自転車乗りがクルマを故意に殴って破壊した事件ですが、もちろん過失相殺になる要素がないので、クルマの持ち主が損害賠償請求訴訟したら満額認容です。
仮に過失相殺の検討がなされるとしたら、「クルマを殴らなければならないような正当防衛的事情があるか?」が問題になりますが、クラクション鳴らされたから殴って破壊していい理由にはならないし、もちろん正当防衛として認められる要素もない。
過失相殺ガー!と語る人って、大丈夫なのか心配になります。
クラクション鳴らして刺されたときに、クラクション鳴らしたことが過失相殺の理由にならないことは言うまでもない。
道路上には道路交通法しかないわけじゃないし、そもそも因果関係がないことが過失割合に反映されるわけもない。
以前「対自転車事故」について、相手方自転車に「ベル」が装備されていなかったとしたら「ベルが付いてないから違反として過失修正を主張できる」みたいに説明している自転車ブログを見てビックリしたのですが、ベルが付いてないことと事故の発生に因果関係がなければ過失修正要素になるわけもない…
道路交通法違反の問題と、過失相殺の問題は必ずしも関係しないのよね。
ましてや器物損壊事件で過失相殺されるとしたら、正当防衛的な事情があった場合くらいしかない。
「クラクションを鳴らしたこと」と「故意に殴って破壊したこと」が別問題だとわからない人がいるのは、むしろ怖いとしか。
なんでもかんでも「自転車は悪くない、クルマが悪い」にしたがる人がいるのはある意味衝撃ですが、おかしな解釈をする人がまあまあいるので関わらないように生きていきたいですよね。
無敵の人はいますから。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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