なんかこれですが、
どこかで炎上気味だったらしい。
世の中凄いなあと驚くけど、もっとビックリしたのはこういう意見を語る人がちらほらいること。
「決まっている」とか「しか来ない」と持論を言われましても、そうではない実例を挙げているのに読んでもらえないのが現実…
全く同じ公安委員会遵守事項を持つ都道府県に以前確認したことがありまして、「ロードバイクに乗る人が常識的な範囲でドリンクを飲む行為まで禁止しているわけではないけど、歩行者がたくさんいる歩車道の区別がない道路でドリンクを飲んだり、下り坂でスピードが出た状況で飲むわけじゃないでしょ?常識的な範囲でドリンクを飲む行為まで規制したものではない」と言われまして。
広島県では自転車走行中に「サイクルボトル」から飲む行為が禁止に。こちらの記事にご意見を頂いたのですが、 広島県では県施行細則(公安委員会遵守事項、道路交通法71条6号)の改正により、自転車走行中にサイクルボトルからドリンクを飲む行為が禁止になるそうな。 ちょっとこれについて掘り下げようと思う。 公安委員...
実例を挙げているのに、無視して話を盛り盛りされてもなあ…
ところで、「全く同じ条文」を持つ他都道府県に以前聞いたことがありますが、記事にしたかは覚えていない。
いくつか挙げておきますね。
◯某警察本部A
「傘を指す、物を持つ」という例示を示している趣旨を考えると、継続的に物を持ちながら二輪車に乗ることを禁止したものと解釈すべきで、ロードバイクに乗りながら数秒サイクルボトルから飲む行為を禁止したものとは考えていない。
継続的に飲み物を持ちながら自転車に乗るなら話は別。
◯某警察本部B
安全を確認して常識的な範囲でロードバイクの人がドリンクを飲む行為を禁止したものとは考えていない。
歩車道の区別がなく歩行者がたくさんいる道路でドリンク飲んだり、下り坂でスピードが出ている中でドリンクを飲むわけじゃないでしょ?
◯某警察本部C
常識的な範囲でロードバイクの人がドリンクを飲む行為を禁止したものとは言えないけど、客観的に危険だと判断したら声を掛けることはあり得ます。
検挙は考えていない。
「しか返ってこない」なんてことは全くないわけで、やたら話を盛り気味にするのはわからんな…
イチイチそれらを記事にはしてないはずだけど、少なくとも「全く同じ条文の某警察本部Bの見解」は前回記事にも書いているのに…
わりと不思議なのは、検挙の話ではなく注意指導の話なので、ブラックとかグレーの話ともちょっと違う。
話がすり変わって、しかも「決まっている」とか「しか来ない」と主張されても
ところで、そもそもこのルールが存在する理由。
前回記事でも書いたけど、安全運転義務違反(法70条)として起訴した2つの判例がある。
出前の岡持ちバイク(森簡裁 S42.12.23、無罪)と左官道具を片手に持ったバイク(遠軽簡裁 S40.11.27、有罪)ですが、どちらの判例も「物を持った片手運転=安全運転義務違反」という見解は否定。
70条の構成要件として、他人に危害を及ぼすおそれがある具体的状況でなければ安全運転義務違反は成立しない。
遠軽簡裁判決は、交差点に至る以前については「物を持った片手運転=安全運転義務違反」を否定。
交差点部について、人車の往来が激しく「他人に危害を及ぼすおそれがある状況」として安全運転義務違反の成立を認定。
要は公安委員会遵守事項って、安全運転義務違反では処罰できなかったけど危険だと考えるプレイを規制したいわけですが、例えば某警察本部の回答はこう。
◯某警察本部A
「傘を指す、物を持つ」という例示を示している趣旨を考えると、継続的に物を持ちながら二輪車に乗ることを禁止したものと解釈すべきで、ロードバイクに乗りながら数秒サイクルボトルから飲む行為を禁止したものとは考えていない。
継続的に飲み物を持ちながら自転車に乗るなら話は別。
サイクルボトルから飲むのに、安全確認をして事故が起きないと考えられるタイミングで飲むのは当然の話。
問題なのは全く同じ条文なのに都道府県によって説明内容が変わってしまうところ。
しかし、「そういう回答がくるに決まっているだろ」とか「そういう回答しか来ない」という人には、書いた内容がさっぱり伝わってないんだなと。
全く同じ条文を持つ他都道府県の回答を挙げても伝わらないとなると厳しいけど、他人に期待してもしょうがないんだろうね。
最初からバイアスがかかって読んでいるのか、きちんと読まなかったのかはわからん。
前回記事に書いた内容を理解して、広島県警本部の注意指導方針がなぜそうなるか理解して、あとは安全運転でどうぞ。
なお、携帯電話使用については改正道路交通法により、公安委員会遵守事項(71条6号)から本法に引き上げされましたが、
今のところ、今回取り上げた規定が本法に引き上げになる雰囲気は無さそうです。
道路交通法絡みってなかなか興味深い事例が多いのですが、それこそ「自転車が横断歩道を乗ったまま渡るのは違反」だと信じる人がそれなりにいる。
しかし警察庁は「車両が横断歩道を通行することを禁止していない」としているし、
道路交通法上、車両の横断歩道通行を直接に禁止する規定はない
「小児用の車の意義について」(警察庁交通局交通企画課 中澤見山)、月刊交通1979年7月(昭和54年)、東京法令出版
同様の話は東京高裁/福岡高裁、国会答弁、パブコメ回答など多数あるのに、世間の認識は必ずしもそうではない。
その理由がなぜかについては、歩行者妨害(25条の2第1項)になることを懸念して警察庁が指導してきたから。
要は「通行妨害にならない範囲なら、車両が横断歩道を乗ったまま渡るのは禁止してない」になる。
しかしこの意味を理解せず、「乗ったままで違反ではない!」ばかりを強調するアホがいるから昭和~平成中期に至るまでは「降りて渡りましょう」と指導してきた。
同じ条文を持つのに都道府県によって説明が変わるのは、このようなリスクをどこまで考えているかの差なのかもしれませんね。
拡大解釈したり、切り抜き解釈する人は一定数いるわけですが、他都道府県の回答実例を挙げているのに話を盛り盛りにする人がいるのもなかなか興味深い。
盛り盛りした前提をベースに論評して何の意味があるのかさっぱりわからんけど、ちゃんと読まない人がいることを考えたら広島県警が一律禁止とアナウンスするのは理解できてしまう。
「グレーと思うことを問い合わせたら、行政はダメという」というのは、「確かにそういうこともあるよね」程度の話。
そんなのケースバイケース/回答者で違うし、何より「ダメと言われなかった実例」を書いておいたのにフル無視して持論を語るのはなんでだろう?
ちゃんと読まない人がいることが証明されたのだろうか。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
これの参照先の投稿のコメント欄で、「改正」の単語にこだわってる方を見て、管理人さんも大変だな、と思いました。
「正したのではなく、悪くしたのだから、改正ではない」と言いたいのだと思いますが、人に押し付けてはいけないですね。
この手の人で、たちが悪いのは、「改悪」という単語を自分から言わず、相手から引き出そうとするところ。X(旧Twitter)などでもよく見ますが、あとから「自分が言った言葉ではない」などと言ってくるヤカラです。
コメントありがとうございます。
「改正」にこだわる理由がわからないので、どうでもいいところにこだわる人は大変だなぁと笑
仮に事故が立て続けに起こったら、あっさり解釈が変更されそうな気もします。現場の匙加減な雰囲気がありますし。
コメントありがとうございます。
結局、処罰を目的としているよりも注意指導がメインなので、その意味では正確な解釈にこだわる理由は薄いんですよね。
違法ではないが、注意指導することはあるので。
まあ、まともなサイクリストはおかしな場面で飲まないですし、誰を対象にした規定なのかは明らかなんですが。