こういうのを見ていると、そもそも疑問に思わないのか不思議なんですが、
地方に有るサイクリングロードも多くは自歩道扱い。
そんなところまでLUUPみたいなやつを歩道モードにせよってのもなんだかなぁと。地元のサイクリングロードなんて交差点や一部のアクセス直して街灯つければ立派に旧市街同士をつなぐ幹線になるのに。— fdqagoh (@fdqagoh) September 8, 2024
サイクリングロードが「歩道」なわけがなくて、例えば以下のサイクリングロードは「歩道と車道の区別がない道路(2条1項1号)」。
簡単にいえば、車道と歩道は工作物で仕切るものだと定義しているので、車道がなけりゃ歩道もないのよね。
歩道も路側帯もない道路には車道もない。
サイクリングロードはあくまでも道路であって車道でも歩道でもないから、特定小型原付は通常モードで走れるし、自転車は徐行義務を負わない(63条の4第2項)。
サイクリングロードが歩道だとしたら、自転車は強制徐行義務があることになってしまいますが、おかしいとは思わないのだろうか。
不思議です。
歩道ではなく道路だから自転車は63条の4第2項の徐行義務を負わないし(歩行者がいるときの徐行18条2項があるのは当然ですが)、特定小型原付は通常モードで走れる(歩行者がいるときの徐行18条2項があるのは当然ですが)。
例えばちょっと前に、遊歩道(実態的にはサイクリングロードに近い)で犬のリードとロードバイクが絡まる事例がありましたが、
公園内の遊歩道は道路交通法上は「歩車道の区別がない道路」なのよね。
本件遊歩道は、公園敷地内の、歩車道の区分がなく、自転車・歩行者の通行区分もない見通しが良好な道路で、交通規制もない。
神戸地裁 令和5年7月21日
歩道でもなけりゃ車道でもなく、道路になる。
「遊歩道」という言葉に惑わされて勘違いする人もいるけど、俗称と道路交通法の扱いは別。
それこそ横断歩道を「歩道」だと勘違いする人も多いけど、定義上あり得ないのよね。
縁石も柵も工作物もなく、道路標示で描かれた横断歩道が「歩道」の定義を満たさないのは明らか。
だから横断歩道を「道路の部分」と定義している。
ここを「道路の部分」ではなく「車道の部分」としてしまうと、歩道も路側帯もない道路には車道がないから横断歩道を設置できなくなる。
だから「道路の部分」としてますが、歩道ではない以上車両の通行は禁止されていない。
道路交通法上、車両の横断歩道通行を直接に禁止する規定はない
「小児用の車の意義について」(警察庁交通局交通企画課 中澤見山)、月刊交通1979年7月(昭和54年)、東京法令出版
昭和の時代から、自転車を含む車両が横断歩道を使って横断することを禁止しておらず、車両が横断歩道を使って横断する際には25条の2の義務を負うとされてますが、横断歩道を「歩道」と勘違いしていると永久に噛み合わない。
「横断歩道」とは、歩行者が車両等から危害を受けないで安全に道路を横断できるように道路の一定部分を区間して設けた施設である。(中略)横断歩道は、歩車道の区別のある道路であると歩車道の区別がない道路であるとを問わない。もっとも、歩車道の区別がある道路における場合は、道路のうち車道の部分のみを指すことになる。
横井大三、木宮高彦、「註釈道路交通法」、有斐閣、1961
そもそも、旧法時代には観念上の横断歩道と言って、横断歩道の標示がなくても横断歩道と同等に扱っていた構造があり、それらの名残も含む。
「道路」「車道」「歩道」「路側帯」の区別がつかない人はまあまあいるけど、サイクリングロードを歩道と勘違いしたら全部メチャクチャになってしまうのよね。
Twitterには定期的にこういう間違いをする人が出て、しかも「自転車の歩道徐行義務違反!」とか「電動キックボードのモード違反!」とか騒ぐからややこしい。
ワケわからん迫害につながるから、こういう勘違いはなんとかしてほしいわな。
結局、こういう感じに道路交通法をさっぱり理解してない人なんていくらでもいますが、他人が道路交通法を理解しているとは思わないほうがよい。
まあ、そもそも標識令が悪いという話もありますが…
1つの標識に違う意味を込めるからややこしくなる。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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