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笹子トンネル追突事故に思う前方注視義務と最高速度遵守義務。

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昨年起きた笹子トンネル追突事故について、過失運転致死傷罪に問われた追突ドライバーの公判が開かれましたが、

過失運転致死傷の罪に問われていて、17日の初公判で「間違いありません」などと起訴内容を認めました

検察側は事故当時、母親が車両に異常を感じて路肩の非常駐車帯でいったん停止した後、ハザードランプを点けて時速7キロで走行していたことを明らかにしました。

その上で、田所被告が事故直前の19秒間、距離にして492メートルにわたって考え事をしていて前方の車に気付けなかったと指摘し、禁固2年6カ月を求刑しました。

中央道の1歳児死亡事故 追突の運転手「19秒間考えごとし気付かず」検察が指摘 山梨(YBS山梨放送) - Yahoo!ニュース
去年4月、中央道で1歳の男の子が死亡した事故の裁判で、検察側は追突した大型トラックの運転手が事故直前の19秒間、考え事をしていて前方の車に気付けなかったと明らかにしました。 事故は去年4月4日

この事故については被害車両(追突された車両)はなぜこのように非常駐車帯で停止し、なぜ低速で発車したか?

検察は、事故のいきさつについて説明し、「軽乗用車はスピードが上がらなくなったことから非常駐車帯に停車したあと、時速7キロメートルほどで走行車線に出ようとしたところ、大型トラックと衝突した。軽乗用車は前日にも同様の異常があり、無段変速機が故障していた可能性がある」と明らかにしました。

その上で、「被害者がハザードランプで異常を知らせていたにもかかわらず、考えごとをしながら運転したことで衝突した。1歳の子どもが死亡していて結果は重大だ」と指摘し、禁錮2年6か月を求刑しました。

一方、弁護側は「非常駐車帯からほぼ止まっているようなスピードで車が出てくることを予見するのは現実的には容易ではなくくむべき事情がある」として執行猶予付きの寛大な判決を求めました。

甲州市 中央道1歳児死亡事故初公判 軽乗用車の変速機故障か|NHK 山梨県のニュース
【NHK】去年、中央自動車道の笹子トンネルで大型トラックが軽乗用車に追突して1歳の男の子が死亡した事故の初公判で、検察は軽乗用車の無段変速機と呼ばれ…

ここでポイントになるのは、以下。

 

①被告人や弁護人は、「過失運転致死傷罪」の成立自体は争っていない。
②ということは、被害車両は後方確認して安全に合流できる距離だと確認してから合流したけど、無段変速機の故障により速度が上がらなかった可能性が高い。
③その状態で前方不注視の被告人車が追突した。

 

要は被害車両にも過失はあるけど、それとは別に被告人が前方注視していたら回避可能だったというのが検察官の主張。
そして被告人も過失運転致死傷罪の成立は争ってなくて、成立するけど事情を鑑みれば予見は難しかったし被害者にも過失があるから執行猶予付き判決を求めているということが読み取れる。

 

もし回避可能性がないタイミングで被害車両が非常駐車帯から出てきたなら、無罪を主張することになる。
そうではなくて、前方注視していたら回避自体は可能だったところ、難しい事案なんだし執行猶予付き判決を求めているという話になる。

 

過失運転致死傷罪の成立は、①予見可能か?②回避可能か?が問われる。
過失運転致死傷罪を「どっちが悪いか?」の裁判と勘違いしている人が多いけど、予見可能で回避可能なら成立する。

情報との向き合い方。
こちらについてご意見を頂いたのですが、それと関係して情報との向き合い方について。過失運転致傷罪が不起訴になる理由を説明してますが、運転レベル向上委員会より引用検察官向けの解説書をみるとわかるんだけど、運転レベル向上委員会が説明する「これが一...

これってもしもですが、被告人が著しい前方不注視だったとしても、「前方注視していても回避不可能なタイミングで非常駐車帯から出てきたなら」過失は認められないことになる。
起訴して被告人も過失運転致死傷罪の成立を争っていないことからしても、回避不可能な事故ではなかったのだろうと思われますが、若干疑問なのは被害車両の運転者も理屈の上では過失運転致死罪の被疑者になりうる。

 

とはいえ、故障により速度が「上がらなかった」のだから過失とは評価しがたいのかな。
前日から故障の可能性を認識していたなら運転を差し控えるべき注意義務があった…という可能性もあるけど、低速進行が致死と相当因果関係があるのか?と聞かれたら疑問が残る。

 

ちなみに他人がどのように処罰されるか?ではなく、自分の運転に活かしましょう。
これにしても、非常駐車帯から合流するタイミング次第では被害車両も過失運転致死罪に問われる事案。

 

結局、被害者の過失は量刑で判断されるもので、他人の過失は自分の過失を帳消しにするわけではないというのが刑事の概念ですが、過失運転致死傷罪の成立を「どっちが悪いか?」と勘違いしている人が多いから話がややこしくなるし、理解がおかしくなる。

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