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交差点等進入禁止(50条)と自転車の二段階右折の話。

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自転車は全ての交差点において二段階右折ですが、交差点等進入禁止(50条)により交差点内に停止するおそれがあるときは交差点に進入禁止なんだからおかしいのではないか?という意見を見まして。

(交差点等への進入禁止)
第五十条 交通整理の行なわれている交差点に入ろうとする車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、交差点(交差点内に道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線をこえた部分。以下この項において同じ。)に入つた場合においては当該交差点内で停止することとなり、よつて交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるときは、当該交差点に入つてはならない。

例によってバラバラ化しますね。

交通整理の行なわれている交差点に入ろうとする車両等は

その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、交差点(交差点内に道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線をこえた部分。以下この項において同じ。)に入つた場合においては当該交差点内で停止することとなり
よつて交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるとき

当該交差点に入つてはならない

何一つ該当する要素がなさそうですが、この規定は「その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により停止する場合」と「よつて交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるとき」を要件にしている。
つまり、①においてまず「進路前方の車両の状況で停止する場合」、つまり前方が渋滞で詰まっていて停止せざるを得ない状況に限定している。

この時点で「法令(信号)により交差点内で停止する二段階右折自転車」は該当しないことになる。

 

「よって」以下についても、青信号で①に進行した後、②は赤信号なのだから交差道路通行車は全車両が赤信号で停止しているわけで、「妨害するおそれ」にも該当しない。

 

50条は混雑交差点進入禁止規定でして、昭和46年改正時に新設されてますが、かなり要件を限定しているのよね。
おそらく、他条と矛盾がないように配慮したのかと思われますが、昭和46年改正は道路交通法の歴史ではかなり重要な大改正。
詳しいのは月刊交通の1971年8月号「道路交通法の一部を改正する法律(警察庁交通企画課)」で、63ページに渡る解説になってます。

混雑交差点等への進入禁止(50)

交差点、横断歩道、踏切等に入ろうとする車両等が、その進路の前方の交通が混雑しているため、そのまま進行すれば交差点、横断歩道、踏切等の中で停止することとなるときは、交差点にあっては交差道路における車両等の進行を、横断歩道にあっては歩行者の通行を、踏切にあっては汽車、電車等の往来を著しく妨害することとなり、交通の安全と円滑に重大な支障を及ぼすことになる。今回の改正では、このような事態が生ずるおそれがあるときは、車両等は、交差点、横断歩道、踏切等に入ってはならないこととしたのである

前方の車両等の状況により車両等の進入が禁止される交差点を「交通整理の行なわれている交差点」に限ったのは、交通整理の行なわれている交差点では、車両等は信号が青になると前方の交通が混雑していても発進し、交差点内で停止して交差道路における車両等の通行を妨げ、交通の混乱をひき起こすことが多いので、このような事態が予想される場合には、信号が青であっても交差点内に進入することを禁止する必要があるが、交通整理の行なわれていない交差点では、優先道路を通行する車両等の優先、左方の車両等の優先などの優先関係により車両等の交差点への進入が制限されるほか、およそ交通整理の行われていないような交差点では、一方の道路を通行する車両等が停滞することによって交差点の機能がまひすることは通常ないので、交通整理の行われている交差点と同様に扱う必要はないと考えられるからである。
なお、交通整理の行なわれていない交差点においても、もし必要があれば、第50条第2項に規定する道路標示で区画することにより進入禁止規制をとることは、可能である。

交通整理が行われている交差点への車両等の進入が禁止される場合は、「当該交差点内で停止することとやり、よって交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるとき」であるから、交差点内で停止することになる場合であっても、それによって交差道路における車両等の通行の妨害になるおそれがないときは、交差点の中に入って停止すること自体は、第50条第1項の違反にはならないことになる。

道路交通法の一部を改正する法律(警察庁交通企画課)、月刊交通、道路交通法研究会、東京法令出版、昭和46年8月

そもそも新設時の説明も「混雑交差点等進入禁止」になってまして、二段階右折する自転車が交差点内に停止することと何ら関係ない。

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この規定の真意

50条新設の趣旨は月刊交通に書いてある通りですが、要は「青信号の状態のうちに強引に入ってしまえ」みたいなやつを封じたいだけなのよ。
混雑交差点に「青信号のうちに強引に入ってしまえ」をされると、交差道路が青に変わっても交差点内は謎の停止車両の存在によりむしろ混乱する。

 

分かりやすく例えるなら、バーゲンセールで強引に進入してくるオバハン。
かき乱すだけ乱しておいて、迷惑なのよ。
混乱した売り場にさらに進入してきても…

 

ところで、全ての条文は何かしらの意図をもって人間が作ってますが、なぜ立法趣旨を調べないまま条文を読むのだろ。
素人が誤読するのはそこなのよ。
18条3項と4項にしても、立法趣旨を考えないまま条文解釈しだしたら間違えるだけ…

自転車への側方通過義務違反(18条3項)新設により、自転車通行禁止道路が増えるか?
改正道路交通法18条3項は、自転車の側方を通過しようとする車両に義務を課してますが、第十八条3 車両(特定小型原動機付自転車等を除く。)は、当該車両と同一の方向に進行している特定小型原動機付自転車等(歩道又は自転車道を通行しているものを除く...

第213回国会 参議院 内閣委員会 第14号 令和6年5月16日

○塩村あやか君 ありがとうございます。
ということは、やっぱりその自転車を運転する側がしっかりといろいろな方向に注意をしておかなくてはいけないという形で、運転する人がちゃんと、自分は大丈夫なのかというのはやっぱりちゃんと自問自答しながら自転車に乗っていかなきゃいけないなというふうに思いました。ありがとうございます。
十八条、先ほど酒井先生の方からも質問あったと思うんですけれども、自動車などの車両は、特定小型原動機付自転車などの右側を通過する場合において、十分な間隔がないときは、当該特定小型原動機付自転車等の間隔に応じた安全な速度で進行しなければならないという規定を創設するということに今回なっております。
十分な間隔そして間隔に応じた安全な速度とは具体的にどのようなものを想定しているのか、分かりやすく教えてください。

○政府参考人(早川智之君) お答えいたします。
歩道における自転車と歩行者の事故件数が増加傾向にある中、自転車の車道通行の原則の徹底を図るためには自転車利用者が安全に車道を通行できる環境を整備することが重要であると考えております。
御指摘の規定は、車道における自転車と、失礼しました、自動車と自転車の接触事故を防止するため、自動車が自転車の側方を通過する際のそれぞれの通行方法を整備する規定でございます。本規定に定める自動車と自転車との間隔や安全な速度につきましては、自動車と自転車との具体的な走行状況に加えまして、道路状況や交通状況などにより異なることから、具体的な数値は規定していないところでございます。
その上で、あえて申し上げれば、例えばでありますが、都市部の一般的な幹線道路においては、十分な間隔として一メートル程度が一つの目安となるものと考えているところでございます。また、このような十分な間隔を確保できない狭隘な道路におきましては、自転車の実勢速度というものが、いろいろありますが、二十キロメートル毎時程度であるということを踏まえますと、例えばこうした場合には、間隔に応じた安全な速度としては二十キロから三十キロ、これぐらいの速度というのが一つの目安になるのではないかと考えているところであります。
いずれにいたしましても、この規定の趣旨は、自転車の安全を確保しつつ、自動車と自転車の双方が円滑に車道上を通行することを確保することにありまして、自転車に危害を加えるような態様でなければ本規定の趣旨に反するものではないと考えているところであります。

・歩道通行自転車が歩道で事故を起こす事例が多い

・歩道よりも車道通行して欲しい

・けど車道通行しているときに幅寄せされたという意見が多い(警察庁有識者会議のアンケート)

車道通行する自転車が安心して通行できるルールが必要と考えた

・愛媛県条例の「側方間隔1.5m推奨」を参考にしながら18条3項を新設した

・しかし自転車が好き勝手にされても円滑の支障があるから18条4項も新設した

もし「あと30センチ左側に寄れたのに寄らなかったから反則金」みたいな運用をしたら、

いろんな人
いろんな人
車道走るとごちゃごちゃ言われて面倒だから歩道にしよう…

となるのは目に見えた話。
立法趣旨に反する運用にはなり得ないのよ。

第213回国会 参議院 内閣委員会 第14号 令和6年5月16日

○酒井庸行君 いわゆる例外という部分で、これもそういう規定があるんでしょうけれども、これもある意味では大変危険な部分もあるのかなというふうに感じます。
またこれはそれぞれの皆さんからもいろんな形で質問はあるというふうに思いますけれども、次にもう一つ、私がちょっとうんっと思ったのは、今回のその法改正の中で、この十八条にあるんですけれども、当該の特定小型原動付自転車等はできる限り道路の左側端に寄って通行しなきゃならないと書いてあるんです。できる限りという表現が、よく、曖昧のような気がするんです。その辺をまたちょっと、御説明をしていただける時間、大臣に質問する時間がなくなっちゃうので短くお願いしたいと思いますけど、その辺をちょっとまずお伺いしたいと思います。

○政府参考人(早川智之君) 自転車の側方を自動車が通過する場合のその義務に関する規定についての御質問でありますが、先ほどお答え申し上げたように、元々自転車は車道の左側端を走行しなければならないというような規定がございます。自動車が側方を通過する際は、自転車は元々車道の左側端、走行しておるんですが、可能であれば、可能な範囲で左側端に走行してくださいということで、本来、もう元々左側端を走行しているのであればそれで十分であるというような規定の趣旨でございます。

車道を走りたいと思わせる政策なのに、真逆の運用をしたら大問題。
法律家のセンセイ方はともかくとして、素人は立法趣旨を調べないと間違える原因なのよね。

コメント

  1. tk10 より:

    「等」がついているので
    「車両等」ではなく
    「状況等により」「場合等においては」と読み解いているのかも
    そうすると範囲が広く思えてしまいます

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      交差点「等」については、1項が交差点、2項が「横断歩道、自転車横断帯、踏切又は道路標示によつて区画された部分」になっているからです。
      全然違う話になりますが、オ◯ム真理教の後継団体に「山田らの集団」というものがありますが、正式名称が不明なために「山田等」という謎の名前になっているそうです。

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