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新名神高速逆走は当て逃げ(事故不申告)だけ?

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読者様からこちらの新名神高速逆走事故について質問を頂いたのですが、

新名神高速逆走 逮捕前の調べに容疑者「道を間違えた」と説明 | NHK
【NHK】三重県の新名神高速道路で乗用車が逆走し、よけようとした車などが巻き込まれた事故で、当て逃げの疑いで逮捕された容疑者が、逮…
読者様
読者様
新名神高速逆走事故が当て逃げ(事故不申告)のみでは納得いきません。
過失運転致傷や危険運転致傷も併合すべきですよ。

この事故は新名神高速を逆走した被疑者が順走車と接触(第一事故)。
第一事故に対して事故報告義務(道路交通法72条1項後段)が生じるので、事故報告義務違反として逮捕送検してますが、

 

逆走した被疑者車両を避けるために停止した車両に後続車が追突している(第二事故)。
第二事故について過失運転致傷罪や危険運転致傷罪が成立するかですが、

管理人
管理人
過失運転にせよ危険運転にせよ、過失又は危険運転行為と致傷に因果関係があると思われるので、追突車に車間距離不保持等の違反があるとしても、過失運転致傷罪又は危険運転致傷罪は成立すると思いますよ。

何か例があるかなと考えたのですが、東名高速煽り運転事故とか。

東名高速夫婦死亡事故 - Wikipedia

この事故は被告人が第三通行帯で被害者を停止させたところに、「車間距離不保持」+「通行帯違反」+「速度超過」のトラックが追突した事故。
直接的に事故を起こしたのは後続トラックですが、第三通行帯で停止に至らせた行為と致死傷に因果関係があるとして危険運転致死傷罪の成立を認めている。

2 その上で、原判決は、本件危険運転致死傷に関する上記争点①②につき、要旨以下のとおり判断した。
⑵ 因果関係の有無について(原判決21~27頁)

本件妨害運転行為は、被害車両の運転者をして、妨害運転から逃れるなどするために高速道路上に被害車両を停止させ、これに後続車両が追突する高い危険性を有するものであり、上記死傷結果はその危険性が現実化したものとみることができる。本件妨害運転行為と被害者らの死傷の間の介在事情として、①被害車両の第3通行帯上での停止、②被告人車両の停止とその後の被告人の被害男性に対する上記暴行、③被害女性及び被害男性の被害車両からの降車が存在するものの、①は本件妨害運転行為により直接引き起こされたもの、②は本件妨害運転に引き続いて生じる事態としてごく自然なもの、③は、本件妨害運転及びこれに引き続く上記暴行の心理的な影響によるものであって、本件の因果関係が否定されるような異常な介在事情には当たらない。さらに、④本件トラックの追突についても、先行車両との車間距離を十分とらずに時速約91kmで第3通行帯を走行した本件トラック運転手には、車間保持義務違反及び通行帯・速度違反があるものの、前者の過失は高速道路上の運転行為として異常ないし重大なものとまではいえず、後者の過失も本件事故を招いた直接的なものとはいえず、異常ないし重大なものでもないから、異常な介在事情には当たらない。したがって、本件妨害運転行為と死傷結果との間には因果関係が認められる。

以上の第二次一審の判断に対し、第二次控訴審の東京高裁は以下判断。

⑵ 本件妨害運転行為と被害者らの死傷結果との間に因果関係は認められないとの所論(控訴趣意書32~36頁)について

所論は、①被害車両の停止、②被害男性及び被害女性が被害車両を降車したこと、③本件トラックの被害車両への追突は、いずれも本件妨害運転の危険の現実化とはいえないとして、被害者らの死傷結果は被告人の運転が原因ではないと主張する。
しかし、①について、原判決は、原審弁護人が主張するように、自分が被告人と話をつけるなどと被害男性が言ったことから、被害女性が自らの意思で被害車両を停止させたとは到底考えられないとして、被害女性は、本件妨害運転の影響により冷静な判断ができず、被告人の求めに応じて停止するほかないとの判断に追い込まれたとの経緯以外想定できず、被害車両の停止は因果関係を否定する異常な介在事情に当たらない旨判断しており、上記主張と同趣旨の所論を踏まえても、原判決の上記判断に誤りがあるとはいえない。
また、②の被害男性らの降車について、原判決は、被害女性が、本件妨害運転の影響で冷静な判断が困難な状態に追い込まれて被害車両を停止し、そのような状況で被告人が被害男性に上記暴行を加えたことと関連して行われたものであることは明らかであり、被告人による本件妨害運転及びこれに引き続く暴行の心理的な影響によるものといえるから、異常な介在事情には当たらないと判断しており、いかなる被告人の運転が被害男性らにどのような心理的影響を及ぼして降車させたのか説明がなく論理の飛躍があるなどと原判決を論難する所論を踏まえても、原判決の上記判断に誤りがあるとはいえない。
③につき、所論は、原判決は、車間距離保持義務違反は重大でないと恣意的に評価するなど、本件トラックの追突に先立つ数々の法令違反を殊更過小評価して異常な介在事情でないとしており、不当であると主張する。しかし、本件トラックの個々の法令違反に対する原判決の評価文言の当否はさておくにしても、本件トラックの当時の走行状況が、高速道路における走行態様として異常なものであったとまではいえず、本件トラック運転手の過失行為は本件因果関係が否定されるような異常な介在事情には当たらないとした原判決の判断が不合理で誤っているとはいえない

東京高裁 令和6年2月26日

逆走行為が故意なのか過失なのかは置いといて、逆走したら他の正常に通行する車両を妨害し停止させることになることは予見可能だし(過失)、異常な停止をした車両に後続車が追突するリスクがあることも言うまでもない。
故意(危険運転)と捉えた場合でも、逆走行為による危険性とは正面衝突や正常な通行車両を停止させることにつながるし、その結果として後続車が追突することも「危険運転行為の具現化」。

 

おそらく明らかに違反が認められる事故不申告のみで逮捕したのは単に身柄を取るためで、過失運転なのか危険運転なのか、因果関係をどう捉えるかなど立証に時間が掛かりそうなものは後回しにしただけなんじゃないですかね。

 

そもそも過失運転致傷や危険運転致傷が仮に成立しないとしても、通行区分違反は成立するはずで(この場合は通行区分違反罪ではなく8条の通行禁止違反罪でしたっけ?)、事故で青切符の適用がないのだし事故不申告とは併合罪の関係にある。

 

ただまあ、今回の事故を見る限りではそもそもの動機が解明されないと、問題点が曖昧なまま単に処罰して終わりになってしまうと思う。
処罰することも大事なんだけど、本質的に大事なのはそこではないのよね。

 

もちろん民事責任上も、被疑者の逆走が第二事故を誘因しているのは明らかなので被疑者にも賠償責任はあるでしょう。

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