2018年、定番ホイールとして有名なレーシング3がワイドリム化したという話はここでも何度も取り上げています。
http://roadbike-navi.xyz/archives/2609
ワイドリム化して何が変わったのか、レーシング3 C17を徹底解剖してみたいと思います。
Contents
レーシング3とレーシング3 C17の比較
いまだレーシング3 C17が売られているのを見たことがないのですが、公表されているスペックを比較してみます。
見た目
まずは旧モデル(C15)のレーシング3。
オーソドックスなローハイトリムという印象で、白抜きのロゴが特徴ですね。
リアのスポーキングパターンは2:1。
ハブ胴のカラーはホワイト。
このハブがレーシング3らしさを出していたような気がします。
一方、2018年モデルのレーシング3 C17。
リムのデザインが変わり、旧レーシング3に比べるとブラック系にまとめた印象。
フロントリムはリムハイトが旧レーシング3よりもわずかですが高くなっています。
ハブ胴も旧レーシング3がホワイトだったのに対し、ブラックで決めてきました。
またリアハブの肉抜きも旧レーシング3よりも強くなっている印象。
リム
ワイドリム化したことで、C15⇒C17となっているのですが、まとめるとこんな感じです。
C15 | C17 | |
リムハイト | F25mm
R30mm |
F27mm
R30mm |
リム内幅 | 15mm | 17mm |
リム外幅 | 20.5mm | 22.5mm |
リム幅が広がったわけですが、普通の感覚でいうとリム幅が広がるとリム重量は増えます。
そこでニューモデルのレーシング3ですが、まずはリムのアルミ素材の変更を行い、T6処理された6082アルミニウム・リムを使用。
また二面切削加工を施すことで重量の増加を最小限に抑えることに成功しました。
実際、ホイールの総重量は2017年モデルが1555g、2018年モデルが1560gとたった5gの増加で抑えてきています。
T6処理された6082アルミリムということですが、名前だけ聞くと凄そうですね。
まあ、実態としてものすごい変化をもたらすというわけではないでしょうけど、ワイドリム化でリム重量が増えるのを嫌がって、リムを軽くするためのアルミ素材の変更と考えればいいのではないでしょうか?
ほかのアルミ素材よりも強度や剛性が高いという話を聞きますが、強度や剛性が高い分、軽量化できるとも言えます。
要は普通のアルミを切削すると強度が弱くなりすぎてしまうことがありますが、強度が高いアルミを切削する分には切削しても強度が落ちにくいという話です。
ハブの変更
ハブはホワイト⇒ブラックとカラーリングの変更だけでなく、リアハブに若干ですが肉抜き加工がなされたような印象です。
それ以外部分には特に変化はありません。
ベアリングは従来通り、カップ&コーンのベアリングを採用。
フリーボディも従来通り、スチールです。
スポーキングパターン
これについても変化はなく、フロント16本、リア21本、リアはフルクラムが誇る2:1です。
スペックまとめ
旧レーシング3(C15)のニューレーシング3(C17)を比較してまとめてみます。
C15 | C17 | |
重量 | 1555g | 1560g |
リムハイト | F25mm
R30mm |
F27mm
R30mm |
リム外幅 | 20.5mm | 22.5mm |
リム内幅 | 15mm | 17mm |
推奨タイヤ幅 | 23c~ | 25c~ |
スポーク数 | F16,R21 | F16,R21 |
ベアリング | カップ&コーン | カップ&コーン |
フリーボディ | スチール | スチール |
定価(税別) | 70,500 | 84,000 |
ワイドリム化したということが大きな要素なのですが、ついでに価格もワイドに値上がりしています。
フルクラムは昨年大幅な値上げがあったのですが、輸入品なので為替の影響を受けます。
なので値上がりしたのは為替の影響がメインで、リムの切削技術料なども含めての価格なのではないでしょうか?
旧レーシング3と新レーシング3(C17)はどっちがいいのか?
私はワイドリムは日本では必要ないと考えているのですが、そういう意味では23cタイヤが使える旧レーシング3のほうが好きです。
http://roadbike-navi.xyz/archives/498
とはいえ、世間の流れはワイドリムです。
2018年モデルのホイールのラインアップを見たときに、ワイドリムではないアルミクリンチャーを探すほうが難しく、カンパニョーロ、フルクラム、マヴィックは原則として全てワイドリム化しました(一部R-SYSなどに例外はありますが)。
シマノのアルミクリンチャーについてはワイドリム化していません。
ワイドリム&25cにもメリットはありますので、この辺は好み次第という感じでしょうか。
一ついいなと思う点ですが、新レーシング3ではハブがホワイトではなくブラックに変わりました。
使ってみたことがある人はわかると思いますが、特にリアハブはオイル汚れが飛び散るので、ホワイトハブは残念なくらい汚れます。
しかも汚れが落ちにくくなる。
毎回乗るたびにハブも拭いてあげないと残念な姿になっていくのがホワイトハブの特徴ですが、ブラックになったことで汚れが目立ちにくくなったのは好印象です。
またワイドリム化したにも関わらず、総重量が5gしか増えなかったのはポイント高いところ。
レーシング3というと、この価格帯ではかなりキレがいい走りを演出するホイールなのですが、重量増加でモッサリした乗り心地にならないようにとフルクラムが総力を挙げて開発したんだろうなと思いますね。
問題点を挙げるとしたら、価格でしょうか。
価格までワイドに値上がりしなくてもいいのに・・・というのが私の意見です。
というより国民の意見です。
2018年1月10日現在ですが、ウイグル価格で旧レーシング3が43,667円です。
Fulcrum – Racing (レーシング) 3 クリンチャーホイールセット
CRCもウイグルも同じ会社なのですが、在庫管理を別にしていることから価格もバラバラです。
それは置いといて、新レーシング3は税別定価が84000円となりましたので、旧レーシング3より1万円以上の値上げです。
そうなってくると、旧レーシング3のように【4万ちょい】という価格帯まで割引になることは今後ひたすら考えにくいことでしょう。
84000円からもし35%オフになっても、5万円台中盤です。
毎週このブログではウイグルでのお買い得ホイールまとめを書いていますが、旧レーシング3も43,667円になっているのはかなり安いほうです。
ちょっと前までは57000円くらいでしたし、最近の旧レーシング3の価格はニューモデル登場前の大幅割引価格なんじゃないかと思うわけですね。
そうするとニューモデルに期待というのもアリですが、在庫があるうちに旧レーシング3を買ってしまったほうが個人的にはお得なんじゃないかと思います。
もちろん、25cタイヤと合わせるならば新レーシング3のほうが性能的にはいいでしょうけど、旧レーシング3でも25cタイヤは使えますし。
Fulcrum – Racing (レーシング) 3 クリンチャーホイールセット
ニューモデルに期待して待つ・・・という方は、もうちょっとお待ちください。
毎週のようにウイグルなどで探していますが、今のところ通販系では見かけないです。
というよりも国内でもまだ予約受付中のようで、流通していないのかもしれません。
私の勝手な予想ですが、もし新型レーシング3が大幅な割引になるとしたら、今年の夏過ぎ以降ではないでしょうか?
旧レーシング3も、ちょっと前までかなり割引率が悪く5万円台後半でした。
ニューモデルが30%以上の割引になるのは相当先な気がします。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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