鳥取県で自賠責保険と車検切れで長期間運転していた事案が発覚してますが、

自賠責保険切れ(自賠法違反)も車検切れ(道路運送車両法違反)も、過失犯の処罰規定がなく故意犯のみが処罰対象。
したがって形式的な捜査で書類送検はされるでしょうけど、故意がないので嫌疑不十分として不起訴になるかと。
ただし理屈の上では、行政処分は可能です。

18 「無保険運行」とは、自動車損害賠償保障法第五条の規定に違反する行為をいう。
これらは規定に違反したら点数をつけるとしている。
ところが救護義務違反の場合。
救護義務違反は72条1項前段に規定してますが、施行令で点数をつける基準が「72条1項前段の規定に違反した場合」ではなく、救護義務違反の処罰規定である「法第百十七条第一項又は第二項の罪に当たる行為」としている。
117条1項も2項も故意犯の処罰規定なので、過失(不注意)により救護義務違反を犯した場合には点数がつかない。
しかし無保険運行や無車検運行については、「処罰規定の罪を犯した場合」ではなく「当該違反をした場合」に点数をつけるとしていることから、過失(不注意)により無車検運行や無保険運行した場合も点数はつけることは可能のはず。
とはいえ、この件で運転者に行政処分を喰らわせてもあまり意味がない。
本来は管理部門の失態なのですが、管理部門に対し行政処分はできずに運転者に行政処分してもしょうがないので、結局行政処分もナシになりそう。
行政処分に係る施行令の規定ってわりと興味深いところがあり、
酒気帯び運転+速度超過の場合に特別な点数を採用している。

例えば酒気帯び運転単独だと13点、速度超過(25~30キロ)単独は3点のところ、酒気帯び運転+速度超過(25~30キロ)だと15点になる。
これについて以前運転レベル向上委員会は、「酒気帯び運転で速度超過だと割引になる」と語ってましたが、
これはそもそもの発想が逆で、この特別規定がないと「酒気帯び運転13点のみ」になってしまうおそれがある(いわゆる同時違反の問題)。
しかし酒気帯び運転に速度超過という悪質なものをきちんと評価して行政処分の対象にすべく、あえて両者合算の特別規定を置いていると考えられる。
規定の意味を理解することが大事なのよね。
そうじゃないと、真逆の意味に捉えてしまうから。
ところで今回の件、任意保険は生きていたらしい。
そもそも公用車の事故は県が賠償責任を負うため、自賠責保険切れでも被害者には十分な賠償がなされますが、なぜかこのミスが全国で多発している。
管理体制に問題ありなのは間違いない。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


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