何度か取り上げている、電動キックボード問題。

報道によると、違反者については青切符対応にするらしい。

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特定小型原付き自転車
以前は「小型低速車」という仮称になってましたが、
「特定小型原付き自転車」という名前にするんかな。
あくまでも原付の仲間だよと明確にしたかったのかもしれません。
免許不要、16歳以上が乗れるわけですが、交通違反については青切符対応にするらしい。
赤切符だと、検察送致して略式起訴してと手続きが面倒になることから、今の自転車を見ればわかるように、警察も取り締まりを積極的にしません。
簡単に処理できる青切符対応にすることには賛成。
ところでですが、免許不要なので身分証がないと本人確認出来ない問題はあります。
しかし16歳以上が対象という点を考えると、事実上身分証は携帯した上じゃないと、問題が起こる可能性はあります。
年齢確認出来ないとね。
ちょっと前に違う報道に出てましたが、時速6キロしか出ないモードに切り替えたことが「外見上明らか」な場合には、歩道通行も可能です。
モードを切り替えたかどうかは、ランプにより分けることを検討している模様。
有識者会議では、全ての歩道を対象にするわけではなく、一部の歩道に限定する趣旨も記されてましたが、このあたりはどうなるのですかね。
とりあえず、このあたりはほぼ決定。
・MAX20キロまでの電動キックボード
・免許不要
・16歳以上
・ヘルメットが任意
細かいところは、まだ不明ですが、恐らくは自転車と同じ通行位置になるかと。
つまりは
・車道の左側端(18条1項)
・車両通行帯(20条1項、2項)
こうなることが予想されます。
嫌な予感
道路交通法では、複数車線道路と車両通行帯は別物。
複数車線あっても、ほとんどの道路は車両通行帯ではないため、自転車は「車道の左側端」を通行する義務があります。
けどさ、勘違いしたこういう奴が現れて、第1車線のど真ん中を走るような奴はいずれ出てくると思う。


この人、何か勘違いしているみたいだけど、警察庁の解説書でも以下と同じ内容になっている。
車両通行帯は、公安委員会が本条1項の規定により車両通行帯とすることの意思決定を行い、標識令に規定する規制標示「車両通行帯」(109)を設置して行わなければならない(警察署長にはこの権限がない。)。したがって、右要件を欠く単なる白色の線で区切っただけでは車両通行帯とはならない。
また、道路管理者が設ける車線境界線は、外観が公安委員会の設ける車両通行帯境界線と同一であるが、標識令において車両通行帯とみなすこととされていないため、この法律上、これらの車線境界線のある道路は、外観が車両通行帯境界線と同一であっても、法第18条の車両通行帯の設けられていない道路における通行区分(キープレフト)に従うことになる(警視庁道交法)。したがって、実際上において混乱をさけるため、道路管理者と公安委員会の事前の協議が必要であると考えられる。
なお、公安委員会が車両通行帯を設けるときは、令第1条の2第4項に定める次の事項を遵守しなければならないことになっている。
野下文生、道路交通執務研究会、執務資料道路交通法解説(2018)、p209-210、東京法令出版
たぶん、「車両通行帯だから」などと「言い訳」して社会に迷惑掛ける電動キックボードが出てくるのかなと思うと、ちゃんとルールの啓蒙しないと危ういなと思っています。
新しく出る電動キックボードについては、ほぼ自転車と同じ通行方法になると思われますが、自転車ですらルール無視のやりたい放題だと、電動キックボードも同じ運命をたどるかもしれません。
道路上には法律を理解してない多数の「ヤベー奴」が存在してますが、逆走自転車に高輝度ライトをハイビーム照射するとかも普通に違法(道路交通法76条4項7号、刑法の暴行罪)。
ダメな奴にはダメとしっかり指摘することが大切です。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
いつも参考になる話題をありがとうございます。全て自分で調べきれていないのに尋ねるのは恐縮なのですが、“普通自転車”が法律で定義されているのと同様に“キックボード”は定義があるのでしょうか。(今のところ見つけられていません。)「見りゃわかるだろ。オマエはキックボードと自転車の区別をできんのか?」ということが“常識”であるためにキックボードの法的定義は不要であるということでしたらゴメンナサイ。以下も無視してください。■ここまでが前振りです。疑問に思ったのは、普通自転車の格好をした特定小型原動機付自転車も「アリ」ですよね?ということ。電動アシスト自転車は、文字通りペダルをアシストする機能を持ちますが、特定小型原動機付自転車が人間の力無しでも時速20km/h以下で走行できる乗り物であるならば、性能の低い原動機付き自転車が無免許・ノーヘルで、あまっさえ6km/h以下ならば歩道も走れてしまうことになるのかな?と。電動キックボードよりも質量の大きな物体が20km/hで走り回る姿は恐怖です。
コメントありがとうございます。
こちらでも報道されていますが、
https://news.yahoo.co.jp/articles/ea4971c67534db9d08c22458ee028277c14b42c8
道路運送車両法でどのような要件を満たしたらいいのかが定義されるようです。
二色のライトにより、技術基準を満たした特定小型原動機付自転車なのか見分けることが可能になり、歩道通行モードに切り替えたかどうかもライトにより判別可能になります。
細かいことについては、道路交通法施行規則や保安基準(道路車両運送法)で発表されると思いますが、立ち乗り限定なのか、自転車と同じ格好をした特定小型原動機付自転車が認められるかについてはちょっとわかりません。
ただまあ、仮に自転車と同じ格好のものもOKになったとして、一応はライトで判別可能なことと、製品として需要があるのかは疑問です。