だいぶ前の記事で、ロードバイクにバルブキャップは必要なのかという記事を書いたことがあります。
https://roadbike-navi.xyz/archives/1039
これについて、私の意見は【別に無くてもいいパーツ】という意見は変わりません。
これについては多くの人が同意することだと思っています。
この記事についてはだいぶ前に、誹謗中傷のコメントが来たことがあるのですが、
https://roadbike-navi.xyz/archives/1846
これについて、【このサイトはシマノ互換性に準拠すると書かれている。チューブメーカーはキャップを付けろとしていているのに矛盾してないか?】というコメントがありました。
これについて、もう一回考えてみたいと思います。
そもそもバルブキャップの役割
チューブの先端についているバルブキャップですが、バルブキャップが付いている大きな理由は以下の通りです。
・チューブが箱などに梱包されているとき(チューブが折りたたまれているとき)、バルブ先端でチューブのゴムを傷つけないようにするため
・チューブが箱などに梱包されているとき、バルブが曲がってしまうなど破損しないようにするため
実はこの二つが大きな役割です。
それ以外の目的ですが、
・走行中に異物のヒットなどにより、バルブが破損しないようにするため
・バルブに汚れなどが溜まらないようにするため
ちなみにチューブメーカーは、バルブキャップは付けろと説明書などに書いてあることが多いようです。
ちなみに手元にヴィットリアのチューブがあったので、中の説明書を読んでみましたが、キャップを付けて走行しろという記載は確認できませんでしたが。
ほとんどの自転車屋では、【別になくてもいいよ】というでしょうし、プロ選手なども付けていません。
頂いたコメント
サイト全体でメーカーの仕様に準じる(シマノの互換など)
の方針から外れますね。
必ず、キャップはするようにメーカーが
注意書きしてるのに、
なくてよい、バルブにモノが当たって
曲がることなんて稀だから不要では
ヘルメットや保険も同じことになりませんか?
全チューブメーカーが必要と書いてるのに
ご自分の中で付けないのが常識とは
おかしいと感じられませんか?
当サイトでは、コンポについては基本的にはシマノ発表の互換性に準拠するようにしています。
ただし例外もあります(後述)。
メーカーの仕様に準ずる、と書いた記憶自体がないのですが、どこに書いたんでしたっけ・・・??
コンポの互換性に準ずる理由ですが、単に変速しないとかその程度の問題ではなく、チェーン落ちから落車する可能性があるからです。
フロントのチェーン落ちでクランクロックするとか、リアのチェーン落ちでフリーハブのロックがかかる場合があります。
そこそこスピードが出ている状態でそういうことになると、落車する危険性があるので当サイトでは勧めていません。
ただしいくつか例外もあります。
例えばですが、プーリーだけデュラエースというカスタマイズがありますが、一度シマノに電話して聞いてみたところ、例えば9000プーリーは9000RDにしか使えないし、6800プーリーは6800にしか使えないということになっているようです。
何でも、微妙に寸法が違うとか。

ただ、プーリーだけデュラエースは大手雑誌などでも紹介されていることですし、本気でダメならとっくの昔にシマノからクレームがついているはずです。
また寸法を見ても違いがあるようには見えないので、一部を除けば問題ないだろうと考えています。
一部というのは、R9100デュラエースのプーリーは、例えば9000デュラとか6800アルテグラには使えません。
これは明確に寸法が違うからです。
それ以外でも、例えばマヴィックのフリーボディメンテナンスでは、マヴィックからは専用オイルを使うように指定されていますが、当サイトでは専用オイルよりも違うオイルのほうがいいと紹介しています。
なので必ずしも、メーカーの仕様に準拠しているわけではなく、様々な角度から物事を見て問題ないと私が判断したことについてはそのように書いています。
これを違う表現で書くと、【自己責任】と言います。
せっかくなのでメーカーに電話してみた
正直なところ、チューブメーカーに電話して【フレンチバルブってキャップがなくてもいいですよね??】なんて聞いても、【ちゃんとつけてください】と言われるに決まっています。
それを承知で電話してみました。
今回電話して聞いてみたのは、某大手のタイヤやチューブなど自転車パーツ総合メーカーです。
(本来なら社名を書くべきだと思いますが、社名を書くと問題を生じる可能性もあるので伏せさせて頂きます。)
俺【ロードバイク用のフレンチバルブのチューブについてお伺いしたいのですが、キャップは付けなければならないものなのでしょうか?】
こちらでは付けることを推奨していますが、付けていない人のほうが多いと思います。
特に競技者の場合は、ほとんどの方が付けていないと思われます。
俺【キャップを付けなくてもいいのでしょうか?】
キャップを付けることで、浸水を防ぐとか、落車時にバルブ先端が皮膚に当たって怪我をすることを防ぐ効果があると考えています。
こちらでは付けることを推奨しておりますが、付けなくても問題があるとも限りません。
あ、あれ??
大手メーカーなので【必ず付けてくれ】と言われるのかと思ったら、あくまでも【推奨】だそうですし、付けてなくても問題があるわけでもないと明言されています。
ほかにも聞いてみたい会社があったのですが、なぜかお問い合わせ電話番号すらないところも多く、とりあえずは大手一社だけの回答です。
浸水を防ぐ、というのは、雨天時に走行しない限りは関係ない話と言えます。
そもそもフレンチバルブの構造上、浸水するとは思えないのですが・・・
落車時にバルブが皮膚と当たって怪我をすることを防ぐ、というのは一理あるなと思いました。
バルブ先端でえぐられたら、痛そう・・・
ですが、バルブに接触するような落車をした場合、その前にスポークに巻き込まれていてそれどころではない気もします。
付けることで効果はあるんだけど、キャップが無いからと言って大きな問題が起こるとは考えていないようです。
前の記事で、【キャップを付けろと説明書などで書いているのは、恐らくはクレーマー対策なのではないか】ということを書きました。
例えばですが、メーカーが説明してきた【落車時にバルブ先端が皮膚と当たって怪我をして】というのもそうですが、どういう落車するとそうなるのか、イマイチ理解しがたい部分はあります。
バルブ先端で怪我するというよりも、その前にスポークに巻き込まれていると思うのですが・・・
ですが万が一そういう事故が起こったときに、メーカーは【金属の尖った部分を剥き出しにして怪我を負ったから損害賠償!!】と訴えられる危険性があります。
そういう事態に備えて、説明書では【キャップを付けろ】と書いているのではないでしょうか?
日本ではともかく、アメリカなどの訴訟大国ではこういった注意書きがないと、訴訟で負けることがあります。
アメリカはいろいろ厳しくて、例えばロードバイクのリアホイールについてくる【スポークプロテクター】があります。
スポークプロテクターは、チェーンが内側(ロー側)に落ちた時に、スポークが傷ついたり曲がったりするのを防ぐためのパーツですが、アメリカではスポークプロテクターをつけてないと自転車を販売することができません。
そういう法律のようです。
キャップ付けるなと言っているわけではないのですが
このコメントを書いた方からはさらにコメントが来たのですが、誹謗中傷の内容がひどかったので、コメントは非掲載にします。
誹謗中傷ではなく建設的な理論や主張なら議論させていただきたいと思っていましたが、本当に残念です。
で、前の記事で書いた内容を見直したのですが、
メーカーがなぜバルブキャップを付けろと書くかというと、要は異物ヒットでバルブ先端が破損した場合に、【お前のとこのチューブは、こんな脆い作りしやがって!弁償しろ!不良品だ!】というクレーマーからのクレームを想定してのことだと思います。
(中略)
バルブキャップを外しても、正直体感できるような軽量化の効果はありません。
なら、常にバルブキャップを付けさせておくことにデメリットはないので、付けろと書いておくほうがまだマシというだけの話です。まあ、デメリットがない代わりに、メリットは上に書いた【超レアケース】のときくらいしかないので、個人的にはあってもなくても同じという結論になります。
【個人的には】と書いているように、あくまでも私の意見としては付けたきゃ付ければいいし、付けない派ならそれでもいいんじゃね?というだけの話です。
ちなみにバルブ先端が曲がった場合、エア漏れの原因となることがあります。
しかし構造的に一気に空気が抜けるようなことがあるとしたら、先端が曲がった折れたではなく、バルブ根元が折れた場合です。
これは実例を見たことがあります。
当然ですがバルブの根元なので、キャップが付いていようが関係ありません。
正直なところ、キャップの有無をヘルメットや保険の話と結び付けるのは、飛躍しすぎだと思います。
ただ、キャップを付けるべしという意見はメーカーが推奨していることですし、この方が言いたい意味もわかります。
その上で書きますが、私は実はバルブキャップは付けています。
ただし、キャップを無くしたからと言ってバルブキャップを買いに行くようなことはしません。
キャップがないことで走行中に異物がヒットしてバルブ先端が曲がって、即座に空気が抜けて落車したという話は聞いたことも見たこともありませんし、可能性として限りなくゼロに近いと考えているので、私はどっちでもいいという結論です。
私が知る限り、バルブ先端を壊してしまう原因のほとんどは、空気入れ時のラフプレーです。
走行中に急にバルブ先端が壊れたという話は、聞いたことがありません。
付けていてデメリットがあるわけでもないですので、上でも書いたように私は何となく付けていますが、無くしても買いません。
ただ、この方が言いたいことはわかります。
確かにチューブメーカー(全てではなさそうですが)はキャップを付けることを推奨していることは間違いないですし、付けていることでメリットもあります。
ですが、付けていることにより確保される安全性って、ほぼ起こらないようなことだと思うんですね。
それこそ、チェーン落ちでスポークを傷つけることを防ぐ、スポークプロテクターのほうがよっぽど有益です。
スポークプロテクターは日本では義務化されていませんし、付いてくること自体がマレです。
ですがチェーン落ちからスポーク巻き込んで落車することだってありますし、バルブキャップなんかよりもむしろ有益です。
でもほぼ誰も付けてないですよね。
こういうのって、言い出したらキリがないと思うんです。
・スポークは、落車して手などを巻き込んだら危ない
・クリンチャータイヤは、パンクするとすぐに空気が抜けて落車する可能性があるから危ない
・ディスクローター剥き出しは、接触したら怪我するかもしれないから危ない
言い出したらキリがないのです。
だから、危険性の起こりうる確率を考えて判断すべきだと思うんですね。
個人的に意外だったのは、大手メーカーに電話してみたところ、担当者さんが【付けてない人多いですしね】と言ってきたことです。
本気でキャップを付けてないと危ないと思っているなら、そういうことを言い出さないもんですよ。
あと根本的なところで書きますと、ぶっちゃけ人それぞれ好きにすればいいと思うんですね。
こう書いてしまうと身も蓋もないのは承知ですが、メーカー(と言っても一社だけですが)は付けることを推奨しながらも別に付けなくてもいいんじゃね?というニュアンスで言ってましたし、私自身もあれば付けるし無ければ付けないというだけの【どっちでもいい派】です。
どっちでもいい理由は、キャップを付けることで安全性が飛躍的に高まるとは思っていないからです。
ちなみにですが、ハンドルに付けるバーエンドプラグについては、あれは必須の部品です。
レースでは、バーエンドプラグを付けていないと失格になります。
理由ですが、ハンドルの場合は落車時に自分や誰かに突き刺さる危険性があるからです。
http://roadbike-navi.xyz/archives/5263
バルブキャップとは危険性がまるで違います。
コメントやメールについて
当サイトにはかなりの数のメールが来ますが、原則として全て返信させて頂いております。
結構長文で、考えて、調べて書いているので、【こんなに早く長文で返信が来るとは思ってなかった】と驚かれることもあります。
で、中には誹謗中傷したいだけなんだろうなというメールやコメントも来ます。
私の意見が必ず正しいとは思っていませんし、間違いがあったら指摘してもらえると助かります。
また私と真逆の意見を持っている方とメールで意見の交換をすることもあり、勉強になることもあります。
人間なんて考え方は人それぞれですので、全ての人が同じ考え方なわけがありません。
どこぞの北朝鮮なら、表向きはみんな同じ考え方でマンセーなんでしょうけど。
私と違う意見があったとして、きちんとした理屈を書いてもらえばこちらも納得しますが、誹謗中傷するような内容を含めてメールなりコメントされると、こっちも読む気が失せます。
丁寧に私の考え方を伝えようとしても、誹謗中傷するような方なので最初から聞く耳を持ってないような感触がありますし。
ご意見があれば、聞きます。
ただ、その内容に誹謗中傷があったら、せっかくのいいご意見が台無しになり、意見の信憑性も無くなるということはご理解いただければと思っています。
見知らぬ人にバカにされて、その人の意見を聞き入れます??
他のブロガーさんとやり取りしたことがありますが、最近はコメント欄自体を閉鎖して、誹謗中傷が起こらないようにしているサイトも多いそうです。
当サイトがあえてコメント欄を閉鎖せず、メールフォームも設けているかというと、少しでも読者様の意見は聞きたいと思っているからです。
誹謗中傷系は、感覚的にですが1%あるかないかですので。
読者様からいろんなご意見をお聞きしますが、ほかのロードバイクサイトでも、コメント欄から質問しても何も回答してもらえないとか、そういうそこそこ大きなサイトもあるようです。
それはその方の方針だから仕方ないですし、荒らし対策なのかもしれません。
私は読者様に支えられて記事を書いていると思っているので、コメント欄は閉鎖しませんし、今後もご意見はお伺いします。
ただし、誹謗中傷系のコメントは非掲載のままです。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
こんにちは。今回の記事と関連記事を興味深く読ませて頂きました。
本件については色々と反響があったようですが、最初の記事で roadbikenavi さんが「バルブキャップが存在する理由ですが、丸められて箱詰めされているときに、チューブ先端でゴムを破損しないようにするためにあるのです。」と断言したことが、「いやいや」という向きの(時に感情も表に出しつつの)反論コメントに繋がったのではないかと感じました。これが roadbikenavi さん「個人の見解」だったのかどうかは分からないのですが、当初この文言を見た際には、見解ではなく事実として表明されているものと私は受け止めました。
結果的には、某大手メーカーの回答のように、「キャップを付けることで、浸水を防ぐとか、落車時にバルブ先端が皮膚に当たって怪我をすることを防ぐ効果」も、可能性としては非常にレアながら想定されていた訳で。もちろん、訴訟時の免責の意味合いも大きいのかも知れませんが。
『ロードバイクが欲しい!初心者向けナビ』のように影響力のあるサイトが、(もしかすると個人の見解だったのかもしれませんが)「箱詰め時の養生です。それ以外は不要です」と断言したことに違和感を覚えた閲覧者もあったのではないでしょうか。最初の記事にも同様の記載がありましたが、「その上で書きますが、私は実はバルブキャップは付けています。ただし、キャップを無くしたからと言ってバルブキャップを買いに行くようなことはしません。」が、正解のようにも
本コメントも、あくまでも個人の見解です。それはそれとして、一連の記事が、反論(誹謗中傷は置いておいて)も含め、それまであまり意識することのなかったバルブキャップの存在意義を考える契機となったことは、私にとっては非常に有意義でした。
これからも応援しています。このサイトの記事を読んで、思い切ってラテックスチューブを試してみたのですが、ロードバイク初心者の私にも分かる違いを味わうことができました。ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
確かにご指摘のように、断言してしまったことに違和感を持たれたのかなと思います。
そこは反省しています。
ただ、私の意図としては【別になくても構わないパーツなので、無くしたからと言って買いに行く必要性はないと思いますよ】ということを伝えたかっただけです。
前記事の【頂いたコメントへの反論】についても、最初から誹謗中傷したい意図を感じさせる内容だったので、ムキになってしまったということで大人げなかったです。
コメントありがとうございました。
こんばんは。
バルブキャップの有無で検索して、こちらに辿り着きました。
いや、なんだろ、お疲れ様です感が凄いですが…
私は、バルブキャップ着けてます。
自己満足と言われようと、数グラムで差が出るほど高レベルなライドはしてませんし、それなら万一でも危険性が無い方が良いからです。
いや、正直に言います。
あった方が、カッコよくないですか?!
空気抜けるわけじゃないし、そこにヒットして怪我する事も今時のリムハイトならほぼ無いでしょう。
まぁロングライドが多いので、飛び石で何か起きる可能性を僅かでも減らす事ができるのはメリットですね。
パンク時の交換にも1ステップ作業増えるし、数グラムとはいえ重量増える(それ気にするくらいなら私はダイエットします)し、無くていいじゃんって人の意見は本当に分かるのです。
でも、あの仏式バルブの口が表に出てるのって、内臓が飛び出してる感じでなんかカッコ悪く感じるんですよね。
ドレスアップパーツとしても色々なのがあって楽しいし、それが一番の理由で着けてますね(笑)
コメントありがとうございます。
私も普通につけてますが、無くしたときはそのままです。
あってもなくても構わないものについてやたら噛みついてくる人もいまして、、、醜い文章ですみません笑。
内臓が飛び出してる感じというのは、私にはなかった視点でした。
思うに、キャップの有無で争いが起きる時点で変な世界だなと笑。
つける派、つけない派はどちらも正解なので。