5600(105)のブレーキと、R7000(105)のブレーキの違いについて質問を頂きました。
R3000ソラ完成車を買ってまだ半年なのですが、ブレーキの効きがイマイチなので105のブレーキに換えようと思ってます。
R7000ブレーキを買おうと思っていたところ、会社の先輩から古い105だけど5600のブレーキ余っているから安く譲ろうか?といわれました。そこで質問なのですが、5600とR7000だと、差はありますか?
あまり変わらないようなら5600にしようと思ってます。
回答いたします。
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単純に性能差を比較できない理由
5600とR7000のブレーキについてですが、単純に比較することが実は難しいのです。
というのも、あるところからシマノの場合、ブレーキのワイヤー比が変わっているからです。
ワイヤー比が変わる前を旧型、変わった後を新型と定義すると、各コンポの変わり目はこうなります。
旧型 | 新型 | |
デュラエース | 7800以前 | 7900以降 |
アルテグラ | 6600以前 | 6700以降 |
105 | 5600以前 | 5700以降 |
ティアグラ | 4500以前 | 4600以降 |
ソラ | 3400以前 | 3500以降 |
で、ここからが本題ですが、
・新型STI+旧型キャリパーブレーキ ⇒ 本来の制動力の75%しか発揮されません。
(シマノは禁止にはしてませんが、お勧めしないとしています)
・旧型STI+新型キャリパーブレーキ ⇒ 本来の制動力の125%になり、簡単にロックしてしまうためシマノは禁止にしています。
今回の例でいうと、質問者さんはSTIがR3000(新型)ですので、旧型の5600ブレーキを組み合わせてしまうと、今使っているR3000ブレーキよりも効かなくなります。
なのでR3000のSTIを使うなら、R7000ブレーキじゃないと変える意味がありません。
互換性はややこしいので
なぜシマノが急にブレーキのワイヤー比を変えたのかというと、一説によるとスラムのせいとも言われています。
スラムはコンポメーカーとしては後発ですが、とにかくシマノとの互換性を重視して作っていました。
そのため、昔はブレーキだけスラムということも可能だったのですが、シマノとしては面白くなかったんでしょう。
マジあいつらウゼーみたいな感じですかね。
ぶちきれてワイヤー比を変えて、スラムとの互換性をなくしたのではないかと言われています。
そういういろんな歴史もあって、古いコンポとの互換性というのは、ちょっと難しいのです。
105だからソラよりいいだろうと思って古い105を買うと、今よりもブレーキの質が落ちる結果になります。
安く買えるというのはメリットでしょうけど、今回の質問者さんには5600ブレーキを買うメリットは全くありませんので、素直にR7000ブレーキを買うことをオススメします。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
真偽は不明ですが、私の聞いた話ではSTIの構造上の欠点を補うためとのことでした。
というのも、ご存じのようにシマノSTIのブレーキレバーの支点位置はその他のレバーに比べて低い位置にあります。そのため、ブラケットポジションで支点と力点の位置が近くなり、十分な力を発生させられないため、レバー比で解決しようとしたとのことでした。ただ、そうだとしてもなぜこのタイミング?という疑問はあります。
コメントありがとうございます。
こちらが聞いた話では、単にスラムとの互換性を無くしたいだけと聞きました。