先日書きました、ロードバイクの修理やメンテナンスの工賃について。
http://roadbike-navi.xyz/archives/9083
結構反響があったようで、いろいろとご意見を頂きました。
変速とブレーキ、ワイヤー交換なら妥当では?
先日の記事で工賃についての話があったと思いますが、変速とブレーキの「ワイヤー調整」だけで1万円ならかなり高いでしょうけど、ワイヤー交換を伴っているなら妥当かむしろやや安いくらいではないでしょうか?
ワイヤー交換だと、ワイヤー代、ワイヤー交換工賃、バーテープ代、バーテープ巻き工賃が入ると思うんですが、1万円をちょっと超えるくらい、12000円くらいまでかなと。何をどうするかという提示を受けていないのか、提示されても理解できなかったのかは知りませんが、何をするのかちゃんと聞けば納得する話だと思うんですけどね。
前回の記事では、購入店以外のショップで見てもらったところ、変速とブレーキがかなりおかしいからちゃんと直したほうがいい、という提案を受けて1万円くらいかかるという説明を受けているそうです。
ほぼ素人のような方なので、確かに変速とブレーキを直すのに1万円と言われると、高く感じるのかもしれません。
ですが、そもそも何をどうするのかをきちんと聞いて、工賃表とにらめっこすれば、それが普通の料金であることが理解できると思います。
もちろんですが、説明されても知識がないとわからない部分もあると思いますし、知識がないばかりに相場がわからないという問題もあるかもしれませんが、今の世の中テキトーにネットで検索すれば、プロショップの工賃表くらい出てきます。
それと比較してあまりにも高いようならボッタクリ感はあるかもしれませんが、恐らくは適正範囲の常識的な値段かと。
そもそもですが、今の時代にボッタクリのようなことすることは考えづらいです。
普通にツイッターとかで炎上しますので。
元プロショップ店員です
「工賃が確定するのは、全ての作業が完了したときです」←まさにその通りです。
実際のところ、作業が全部完了しない限り、工賃は確定しません。しかしながら、これを理解していただけない方もごくまれにいまして、「変速がおかしいんだけど、いくらかかる?」と聞かれることは正直あります。
その度に、単にワイヤーを調整する程度なら1000円程度ですが、ディレーラーハンガーが曲がっているとか、ワイヤーの一部が切れているとか他の要素があれば、それに応じて値段が上がります、と説明します。
「じゃあ見てよ、いくら?」と聞かれるのですが、あいにく他のお客様の作業中で手が離せないこともあります。
他のお客様の作業中という事情を説明し、2時間後には手が空くと思いますのでお預かりさせていただいて、手が空き次第見させて頂いて作業箇所を確定して、それからお電話でお見積もりをさせていただいてもいいですか?などと返答するしかありません。
そういう方に限ってレジ前に貼ってある工賃表の「変速調整 800円」というのを見て、「800円って書いてるじゃん、800円なんでしょ?」と言われたりするので、それはワイヤーの調整、つまりここのボルトを回すだけで直るケースでして・・・などと説明が長くなり、結局は他のお客様の作業を中断して説明し、行きがかり上簡単にチェックして見積もりしなくてはならなかったりするので、作業が押すということに繋がってモヤモヤしたことを思い出します。そういう説明も含めてショップ店員の仕事だということもわかっているつもりですが、結果的に割り込まれた形になり、待っているお客さんにも申し訳なかったりするので、どうやったら納得してもらえるのか考えていたことを思い出しました。
あと、お客様が思っていたよりも工賃が高いということで取りやめになったケースもあるのですが、そういうのも診断料くらい貰ったほうがいいのでは?と思ってました。
ショップによってはそういうのを取るとか取らないとか聞きますが。
元ショップの店員さんという方ですが、私も自転車とは関係ない商売をしているのでわかりますが、お客様に対して納得いただけるような説明は必須です。
きちんと納得していただかないと、後々トラブルに発展することもありますので。
他のお客様の作業中に割り込まれるのは、なかなかツライところですよね。
今の時代、邪険に扱うとネット上で悪いこと書かれたりしますので、難しいところだと思います。
私の場合、どうしても手が離せない状態で電話の問い合わせがあった場合には、【今手が離せない作業をしている関係で、折り返し電話してもいいですか?恐らく2時間後くらいになってしまいますが】と答えるようにしています。
お客さん候補(電話問い合わせ)も大切ですが、既に依頼を受けて作業中のお客様のほうが大切だと思っているので。
自転車屋さんでも、ちょっと見させてもらって、おおよその金額を提示した後に、同意があれば作業開始します。
恐らくですが、実際に作業を開始してみたらもっと根が深い問題が見つかることだってあると思うんです。
そういう場合、お客さんにきちんと【ここにもこういう不具合があるので、パーツ交換してもいいか?工賃とパーツ代で〇X円ほど追加になります】と伝えるか、【実は他にも不具合があったのですが、最初に見抜けなかったのでそこはサービスしておきました】という場合もあるでしょう。
もしくは作業完了後に【こういう不具合も見つかってパーツ交換したので、料金が変わります】と事後報告のケースもあるのかもしれません。
もしくは見て見ぬフリのケースもあるのかもしれません。
どれが筋が通っているかと言うと、【ここにもこういう不具合があるので、パーツ交換してもいいか?工賃とパーツ代で〇X円ほど追加になります】ではないでしょうか?
事後報告は、だいたいトラブルの原因になります。
見て見ぬフリは論外です。
どういう作業をするか、それに対する費用は?など同意を取ってやることが、一番トラブルは少ないでしょう。
当たり前の話ですが。
ちょっと話は変わりますが、メンテナンスを依頼するときに、いつも依頼していて信頼できる人なのか、普段からお世話になっている店がなく、仕方なしにこのショップに来た、という人では扱いは若干変わります。
店員さん的にも、作業開始後に見つかった不具合に対して、いつも通い慣れているお客様だと報告と相談がしやすいでしょうから。
何度頼んでも直らない場合の工賃
ある部分でショップに相談して調整してもらい、乗ってみたら直ってなくて、またショップに持って行って・・・を何度か繰り返しているのですが、どうもこういう場合に毎回気持ちよく工賃を払う気になれないと思ってます。
管理人さんが言うように、工賃は作業してくれたことに対する対価というのはよく分かっていますし、お金が惜しいとかそういう気持でもないのですが、頼んだ⇒直った、ということで気持ちよく支払いしたいんですよね。
さすがに払うつもりはないなどとゴネるつもりはありませんが・・・
これは難しいところですね。
ただ、1つ覚えておいたほうがいいのは、プロと言っても万能ではありませんから、必ず直るわけではありません。
特に異音問題などは、プロでも特定が難しいと言われています。
こういうケースのとき、ショップによって対応は結構違います。
例えばですが、ショップで見てもらって再現性があるトラブルなのか、再現性がないトラブルなのかでも違うかもしれません。
再現性があるトラブルというのは、実走でもショップのメンテスタンド上でも同じ不具合が出るということです。
こういうタイプのほうが作業はしやすいでしょう。
作業後に改善したかどうかがわかりますので。
再現性がないトラブルというのは、実走ではトラブルが出るものの、ショップのメンテスタンド上では何ら問題がないケースです。
この場合、店員さんはお客さんから状況を聞いて、怪しいと思う場所をチェックして作業するしかなく、原因の特定が難しいです。
しかも作業後に改善したかどうかは、外を走らないと分からないので、ショップの中では変わったかどうかの判定ができないわけで。
後者のようなケースで、私自身が前に遭ったことですが、店員さんから【これ、直ったかどうかわかんないから、今日は工賃いいや。その代わりまた様子教えて?】と言われたこともあります。
こちらとしては作業した以上は工賃を取ってもらいたいところですが・・・
そういう場合は、なんか申し訳ないので、チェーンオイルでも買って帰ります。
再現性がないトラブルの場合、最初だけ工賃取って、2回目に来た時にまだ直ってないなら次は工賃取らないで、という対応をするショップもあるでしょうし、毎回作業はしているからと工賃取るショップもあるでしょう。
どっちが正しいとかではなくて、それは店の方針だと思うので、難しいですね。
直せなかったときは工賃取らないというショップもあるそうですね。
プロ意識が高いのでしょう。
私もあまり詳しくはありませんが、こういうのって要はショップ側の考え方次第なんでしょう。
直せなかったときは工賃取らないというのは、請負契約だと考えてのことなんだと思います。
請負契約というのは、
仕事の完成を約束し、完成と同時に報酬を受ける
なので、完成させられなかったということで工賃を取らないという考え方ですかね。
一方、何かしら作業をした以上は工賃を取るというショップは、考え方としては準委任契約に近いのかもしれません。
準委任契約というのは、
一定の事務処理を履行する
なので、頼まれた作業を履行しただけで完成を約束していないという意味で、工賃を取るのかもしれません。
ただし、何回頼んでも直らない、直せないというときは、他のショップに依頼すべきです。
もしくは複数の店員さんがいるショップなら、直せなかった店員が他の店員に意見を求めるのが筋かと。
これは日常生活でもそうですが、目線を変えると解決することってありますよね。
頭の中で決め付けが起きていると、ほかの要素が浮かばなくなるなど。
2回頼んでも直らないなら、他のショップに行ってセカンドオピニオンを求めたほうがいいですね。
工賃に対する考え方
ちょっと前に取り上げた記事ですが、
http://roadbike-navi.xyz/archives/9021
この記事で取り上げたのは、ある方がブレーキシュー交換で工賃を取られたことに不満を持ち、前の店長のときは工賃なんて取らなかったのに・・・とツイッターでつぶやいたことです。
それに対する見解は記事で書いていますが、工賃を払いたくないなら、自分でやれという話です。
いわゆる街の自転車屋(ママチャリ専門)って、どんどんと潰れていって、残るは大手のみ、みたいな状況になっています。
そういう大手の自転車屋では、残念ながらアルバイトでほとんど経験もないような人も働いています。
うちの近所にあるショッピングセンター内の自転車コーナーなんてなかなか凄くて、一度ママチャリのパンク修理をお願いしたら、1週間かかると言われました。
ちなみにそのおっちゃんは、座っていて特に何もしておらず、その時間自転車コーナーには客は私一人でした。
後から知った事実ですが、そこにいつもいるおっちゃんは単なる販売員で、修理などを行う技術者は、巡回で週に一度来るか来ないかというだけの話のようです。
ママチャリは、使い捨て感覚でメンテナンスするという考え自体が軽薄ですが、ロードバイクはメンテナンスしてこそ、です。
誰がメンテナンスするかによっても性能が変わるわけで、そこが1つの醍醐味でもあります。
下手な作業するだけで、こんなに回転性が落ちるの??とか、その逆で【こうすれば回転性が上がるのか!】など神業的な店員さんもいるわけです。
そういう神業的なプロがやる作業には、敬意を表して工賃を払いたいですね。
この人の作業には、この工賃は安すぎる!という例もあるでしょう。
ちなみに、工賃に対するアンケートはまだ実施中です。
- 1000~1500円程度 32%, 188 votes188 votes 32%188 votes - 32% of all votes
- 1500~2000円程度 27%, 155 votes155 votes 27%155 votes - 27% of all votes
- 2000~2500円程度 14%, 81 vote81 vote 14%81 vote - 14% of all votes
- 500~1000円程度 13%, 74 votes74 votes 13%74 votes - 13% of all votes
- 500円以下 8%, 49 votes49 votes 8%49 votes - 8% of all votes
- 2500~3000円程度 6%, 36 votes36 votes 6%36 votes - 6% of all votes
- 5000円程度 36%, 193 votes193 votes 36%193 votes - 36% of all votes
- 3000円程度 32%, 173 votes173 votes 32%173 votes - 32% of all votes
- 4000円程度 17%, 89 votes89 votes 17%89 votes - 17% of all votes
- 2000円程度 12%, 63 votes63 votes 12%63 votes - 12% of all votes
- 1000円程度 3%, 16 votes16 votes 3%16 votes - 3% of all votes
- 7000円程度 42%, 205 votes205 votes 42%205 votes - 42% of all votes
- 5000円程度 28%, 135 votes135 votes 28%135 votes - 28% of all votes
- 6000円程度 10%, 47 votes47 votes 10%47 votes - 10% of all votes
- 3000円程度 9%, 42 votes42 votes 9%42 votes - 9% of all votes
- 2000円程度 5%, 24 votes24 votes 5%24 votes - 5% of all votes
- 4000円程度 4%, 18 votes18 votes 4%18 votes - 4% of all votes
- 1000円程度 2%, 12 votes12 votes 2%12 votes - 2% of all votes
最後のリム交換のアンケートですが、すみません。
私が大きな誤解をしていました。
これ、あくまでも手組ホイールの組み立て工賃の話だったというか、私が行くショップでは、完組のリム交換でも、手組ホイールの組み立てでも工賃は変わらないと前に聞いた気がしていたので、【リム交換】というキーワードにしました。
しかしいろいろ調べていくと、必ずしもそういうショップだけではないようで、例えば
・ホイールのバラし工賃
・完組ホイールのリム交換工賃(カンパ・フルクラム)
・完組ホイールのリム交換工賃(マヴィック)
・手組ホイールの組み立て工賃
このように、手組の組み立てと、完組のリム交換で工賃が違うケースも見つけましたし、ホイールのバラし工賃という項目があるショップもありました。
リム交換では、一度バラしてリムを取り変えますので、バラし工賃と組み立て工賃の両方がかかるケースもあるのかもしれません。
Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ホイールセット
カンパニョーロ・フルクラムと、マヴィックでリム交換工賃が違うショップがありましたが、G3や2:1のほうが組むのが大変ということでしょうか?
あと、リム内部にホールが開いていない、リムテープ不要のホイールの場合、ニップルをマグネットで誘導してきて組むはずですが、それは大変でしょうから、同じ工賃だと割に合わないでしょうし。
あと、一般的にはママチャリのリム交換のほうが、ロードバイクよりも高価です。
これは理由が合って、ホイール外すこと自体が面倒だからです。
ママチャリの後輪だと、ホイール外す工賃が加算されています。
ロードバイクはクイックですから、あれを面倒という人はいないですよね。
工賃も調べて見ると、ショップによって差はあります。
でも安ければいいのではなくて、信頼できる人に出会えて、信頼した人に敬意を表して支払いたいところですね。
前にあったフレームの製造国を気にしますか?というアンケートでも、【どこで作られたかよりも、誰が組んだかのほうが大切です。】という選択肢を追加された方がいましたが、まさにそれですよね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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