こちらの報道。

小学校四年生がプールの授業で溺死した事件について、担任が業務上過失致死罪に問われている。
なお校長と教頭も同罪で起訴されており、それぞれ問われている過失の内容は異なると思われます。
この件について「現場の教師を罪に問うことの是非」があるでしょうけど、この件の事故報告書が公開されてます。
https://www.city.kochi.kochi.jp/uploaded/life/241392_993307_misc.pdf
ボリュームがかなりあるので読むのは大変ですが、現場教師の過失は明らかですし、刑事責任を追及されるのは仕方ない。
なお、悪質な不注意とは思わないので、実刑になるとは考えにくい。
ところでこの件、小学校のプールが故障したことから小学校四年生以上は中学校のプールを借りて授業をした。
そもそも日本の義務教育に水泳が導入された経緯を知らなかったのですが、
1 南海中学校とプール授業との関係等(「友は海神に抱かれて」より)
⑴ 紫雲丸事故
ア 昭和30年5月11日の早朝、濃霧の中、高松港を出港し、宇野港へ航行中の宇高連絡船紫雲丸は、高松沖約4キロメートルの海上で、僚船第三宇高丸からの右舷後方への衝突を受け、その約4分後に沈没した。
当時、紫雲丸には、修学旅行中であった南海中学校の生徒合計117名と、島根県、広島県、愛媛県の3つの小学校の小学生が乗船していた。
イ 上記事故により、乗客乗員847名中合計168名が死亡した。
このうち、南海中学校の生徒28名が死亡し、小中学校生の死亡者は100名を数えた(以下「紫雲丸事故」)という。)。
⑵ プール建設機運の高まり
ア 紫雲丸事故により、子供が水泳ができておれば死なずにすんだ、泳げないと海に飛び込む勇気は出てこない、まず幼い小学生の頃から水泳をおぼえさせようとの思いから、学校にプールを建設するとの機運が高まった。
イ 紫雲丸事故の直後である昭和30年7月には南海中学校の正門横の校庭に死亡した28名の「遭難記念碑」が建立され、これと同時進行で長浜小学校のプール建設募金運動も進められた。
ウ 政府においても、全国の学校にプール設置を目指すとともに、四国が陸続きになれば紫雲丸の悲劇は二度と起きないと瀬戸大橋建設に動き出すきっかけとなった。
今回事故が起きたのは、この南海中学校なのでして。
報告書をみる限り、この教師が問われている過失とは「授業中の監視体制」と思われる(校長と教頭も業務上過失致死罪に問われているが、過失の内容は異なると思われる)。
監視体制に不備があったのは明らかなので業務上過失致死罪に問われるのは当然と言えますが、
この手の報道って「教師を罪に問うのはどうなのか?成り手がいなくなる」という論調は必ず出てきます。
その意見自体は否定しませんが(悪質な注意義務違反とは思わないので)、報道「だけ」で安易に結論を導くのではなく、報告書を読み事実関係を確認してから意見した方がいいと思った。
以前取り上げた都立大学自転車部の死亡事故にしても、報道から推測するイメージと報告書の内容にはずいぶん差がある。

事故が起きた後に「ああしておけば良かった」「こうしておけば良かった」というのは簡単ですが、事故発生以前に気づけるかというとなかなか難しい。
都立大学の事故については、結果的にいえば「下ハンドルを怖がって練習しなかった時点で、ドロップハンドル車ではなくフラットバー車にする選択肢もあった」ように思えますが、それを事故発生以前に進言できるかというと、多くの人は「ブラケットポジションでブレーキ操作出来てるし、まあ大丈夫だろ」になるのよね。
他人の事故から学ぶことは大事ですが、学ぶことよりも非難することが先に来ると、活かせないよね…
私にとっては、他人の事故でどのように処罰されるか、刑罰の軽重についてはさほど興味がない。
理由はシンプルで、懲役何年だろうと「他人の事故から学ぶ」という点には何の影響もないからなのよ。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


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