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その踏切に信号はあるか?

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こちらの件。

要するに道路交通法33条1項の解釈問題です。

(踏切の通過)
第三十三条 車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる

この規定でいう「信号機」とは、踏切への進入を許可/禁止する信号機を意味しますが、

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要するに、踏切と信号交差点の距離が近いため、交差点の信号が踏切の信号のように勘違いされるのかと。

 

で。
理屈の上では踏切に信号機はないので、一時停止義務が生じる。

 

さて、ではこの踏切でほとんどの車両が一時停止してない現実が違法なのか?という問題があり、33条1項の違反に対しては故意犯は119条1項5号、過失犯は119条3項に罰則規定がある。
問題なのは、交差点の信号を「踏切の信号」だと誤認したことから一時停止しなかったことを、故意犯なり過失犯として処罰できるのか?という話なんじゃないかと思うのよね。

 

青切符は「反則金を払えば刑事訴追しない」仕組み。
つまりその先には書類送検や起訴、有罪が待ち構えてますが(逆にいえば罪にならないのに青切符は切れない)、

 

一見して「踏切に信号がある」と勘違いする人が多数の状況において、「信号がない踏切」だという認識がないのだから故意犯(33条1項、119条1項5号)は成立しない。
では交差点の信号を踏切の信号だと誤認したことを不注意(過失)と評価できるのか?という話になりますが、たぶんそれは厳しいのではなかろうか。
すると33条1項の違反をしたことについて、故意もなければ過失もないことになる。

 

恋もなければ愛もないんです!

 

加えて、この踏切は神奈川臨海鉄道の貨物線であって、めったに列車は通らない。

 

そう考えると、一時停止義務があるとはいえ取り締まりは困難だし、取り締まりする必要性も薄いという判断なのではないかと思う。

 

ところでどうでもいい話をしますが、踏切の「遮断機」が信号機と言えるかについて説示された裁判がいくつかある。
最高裁判所第二小法廷 昭和33年7月9日決定や、札幌高裁函館支部 昭和33年12月2日判決など。

遮断機は道路交通取締法一五条所定の信号機にあたるものではなく、また遮断機の上昇開放をもって、直ちに同条但書の「事由」と解すべきでないとする原判旨は正当である。

最高裁判所第二小法廷 昭和33年7月9日

道路交通法の判例ではなく道路交通取締法の判例ですが、旧法においては現行法と異なり、「その他の事由により安全であることを確認したとき」という一時停止除外規定があったことから、「左右の見通しがよく、しかも遮断機があいていたらいいんじゃないか?」という疑問もあったらしい。

 

○道路交通取締法

第十五条 車馬は、鉄道又は軌道の踏切を通過しようとするときは、安全かどうかを確認するため、一時停車しなければならない。但し、信号機の表示警察官又は信号人の指示その他の事由により安全であることを確認したときは、この限りでない

昭和35年に道路交通法になったときに、信号機以外の除外規定を削除した理由はなんだったのだろうか。

 

話を戻しますが、おそらく、「踏切に信号があると誤認した」ことを過失として評価できるのかビミョーなのと、貨物線でほとんど通らない実情を踏まえて、警察は取り締まりできないと思われる。
そういう実情から、「一時停止しなくてもOK」みたいな都市伝説につながっただけなんじゃないですかね。

 

なにせ法の錯誤でもなく、事実の錯誤でしょ。
と、考えますが、異論反論お待ちしてます。

コメント

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