何度もお伝えしている、大型車とロードバイクの追い抜き事故の件。
https://roadbike-navi.xyz/archives/10466

そしてアンケート。
http://roadbike-navi.xyz/archives/10951
この判決について、判決がおかしいんじゃないかと思う人がそれなりにいるようです。
これは何度も書いている件ですが、私自身、今ある件で裁判中です。
本人訴訟といって弁護士も立てずにやっていますが、そのため、いろいろと自力で調べることが異常に多いです。
世の中にはおかしな判決もありますが
まず大前提として、日本では三審制を取っています。
地裁、高裁、最高裁となるわけですが、最高裁はちょっと特殊でして、原則としては【高裁の判決に憲法解釈の誤りがある】などの理由がないと、そもそも審理すらされません。
棄却されてしまいます。
で、これは私も驚いたことですが、地裁判決って、実は時々おかしな判決が下ることはあります。
これはいろいろ理由があるそうですが、単に目立ちたがりの裁判官が、アピールするために画期的な判決をすることってそこそこあるそうです(出世目的だったり、定年退職前の悪あがき的なものもあるらしいですが)。
良くも悪くも画期的な判決になることはあるのですが、この事故の判決については、ごくまともな判決だと思ってみています。
その一つの証拠としてですが、この後、もし検察側が判決が不服であれば控訴するでしょう。
控訴すれば高裁にいくわけですが、どうも控訴自体してないようなんですね。
控訴は、地裁判決を知ってから2週間しか出来ませんので、今の段階で報道がないことを見ると、地裁で確定判決なんでしょう。
つまり、検察も控訴しても覆せないと考えたのではないでしょうか?
(一般的には控訴断念はマレです)
頂いたご意見
いろいろなご意見を頂いていますが、ちょっと気になったのをピックアップさせていただきます。

死んだやつが悪い事にしておこう、とされたようにしか思えないです。

すり抜けしたロードバイクもどうかと思うけど、判決もおかしいと思います。
まず先のご意見のほうから。

これについては、報道などを見る限り争いがない事実として認定されているようですよ。
裁判って、検察がいろいろ主張してきたことに対し、どこを認めて、どこを争うのかをハッキリさせます。
報道などを見る限り、前車が大型トラック、後車がロードバイクであり、ロードバイクが左から追い抜きしていたことは事実として認定されています。
私としてすごく気になった点があるのですが、

お話を伺う限り、この事故の詳細を知らないわけですよね。
どうしてトラックが悪意をもって幅寄せしたと断言できるのでしょうか?
ご自身が毎日幅寄せされているとして、この事故と何の関係があるのでしょう?
あと大変失礼な表現になるかもしれませんが、毎日幅寄せされるというならば、自転車の乗り方にも問題があると思います。
もうスポーツサイクルに乗るようになって10年経ちますが、ちょっと危ないかも、と思ったことはあっても、幅寄せされたことって一度もありません。
大型車のドライバーって、事故起こせば一発で仕事を失う危険性を持っています。
だから、どのドライバーも、事故を起こしたいと思っている人はいないわけです。
だから、無理な追い抜きなどしないドライバーが多い印象ですが、ドライバーだって人間なので、おかしな走り方している自転車が邪魔に見えたら、ちょっと危ない思いでもさせてやろうかと思うヤバイヤツがいてもおかしくはないでしょうし、おかしな走り方しているロードバイクを安全に追い越そうとしたけど、結果的に事故にはならなくても危険だったと言うケースもあるでしょう。
失礼な言い方になりますが、幅寄せされるような走り方しているのでは?と思うのです。
ロードバイクと大型車が事故にあえば、どうなるかは誰でも予想が付くと思います。
具体的には、ロードバイク側は死亡、もしくは大怪我ですよね。
大型車のドライバーは、無傷でしょう。
過失割合は大型車のほうが大きくなっても、ロードバイク側は事故にあえば生きていられるかすら危ういわけで、大型車を優先させるように乗ったほうが確実に安全です。
大型車の左すり抜けをしないとか、なるべく大型車が走りやすいように譲るとか。
道路交通法上で大型車に譲る義務なんてないですが、命が惜しいなら譲ったほうが安全ですよね。
大型車が自転車に対して注意義務を負うのは当然ですが、人間の注意なんて完璧ではないですから、自分を守るには自分の努力だと思うんですよね。

続いてのご意見ですが、

すり抜けしたロードバイクもどうかと思うけど、判決もおかしいと思います。
これ、刑事と民事を混同している人が多い気がします。
あくまでも自動車運転処罰法における過失(危険運転)があったのかどうかが争点だと思うので、民事上では過失ゼロにはならないかと。
危険運転の立件ってかなり難しいようで、例えば上級国民のケースでも、いまだに立件されていません。
ちょっと前に高速道路で威嚇しまくって殴ったM容疑者も、傷害で逮捕されても、危険運転では立件されていません。
高速道路で車を停止させたにも関わらず、です。
危険運転での立件は非常に難しいようですし、ロードバイクの事故のケースでは、そもそも大型車が普通に走っていただけでも、路肩のすり抜けは不可能だと結論付けられているわけですから、これでドライバーの危険運転を取るわけにはいかないでしょう。
安全に走るために
信号待ちで停車中、後ろから大型車が来たとします。
私がよくやるのは、信号が青になったとき、大型車を先に行かせるように、場合によっては一度歩道に乗り上げます。
何でこんなことするかと言うと、死にたくないので。
ずっと時速60キロキープで走れる実力があれば別でしょうけど、信号が青になれば、大型車はロードバイクを追い越して先に行きたいでしょう。
追い越すときに危険が伴うわけで、それなら安全に先に行ってもらったほうがマシ。
これ結構大型車のドライバーからは好評で、手を振ってくれたり会釈してくれたりします。

それを、

このように思うのは勝手ですが、大型車に譲る法的な義務はありません。
しかし、事故ればどうなるかは誰でも想像付くので、譲って先に行ってもらったほうが安全なのは間違いないわけで。
事故のケースでも、そもそも大型車は時速35キロで走行していたとなっています。
別に後ろで待機して走ってれば、事故には遭わなかったはずです。
危険を承知で追い抜きして、失敗して大型車の責任を求めるほうがおかしいと思うのですが・・・
いろいろ判例とか見ていると、追い越しするときは後ろの車、つまり追越する側に注意義務が大きくなります。
今回のケースでは追越ではなく追い抜きなのですが、本質的には同じで、後ろの追い抜きする側の責任でやるべき話ではないでしょうか?


2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
世の中自分を中心に置いた考えの人がいますよね。天動説の人とわたしは呼んでますが。
いくらあの世であいつが悪い!と叫んでも意味がないのに。
どんなに言い分があろうと、死んでしまったらしょうがないのになあ。
コメントありがとうございます。
まあ、死んだら意味がない、という一言に尽きる気がします。
それを回避するにはどうしたらいいかを考えていくのが交通安全になるのだと思いますし。
高はしです。
「刑事と民事の混同」は、同感です。法律は知的財産以外は専門外ですけど、社会的規範を示して秩序維持を目的とする刑法と、私人間の利益の調整を目的とする民法とでは、過失の考え方から変わってくるはずです。意図を要する刑法、過失も対象となる民法、でしょうか。
マスコミや教育にも問題があるとは思いますけど、「刑の執行は、個人の復讐を国家が代行するもの」と勘違いしてる人が多いと思うのです。
法は最低限の規範であって、各人の意識や裁量でうまく回ってゆけたら、よいのですよね。
コメントありがとうございます。
この件は刑事での立件が非常に難しいと思ってます。
上級国民の件でもそうですが、危険運転は立件が難しい・・・