トルクレンチの落とし穴!使い方を間違えば意味がありません。

ロードバイクの整備において、トルクレンチを使う場合も多いわけですが、使い方を間違うと大きな間違いを起こします。
単にトルク値をセットして締めていけばいいというほど単純でもありません。

トルクレンチの注意点

持つ位置に注意

私が使っているのは、バイクハンドのトルクレンチです。

2N~24Nまで指定でき、指定トルク値に達すると、レンチがカクンと動いて知らせてくれます。
プリセット型というタイプですね。

で、トルクレンチを持つ位置次第で、実は指定トルクをオーバーしたり、不足したりします。
この位置で持つのと(ハンドル部の中央)、

やや根元よりで持つのと、

ハンドルの先端で持つのと、

この三つは、同じトルク値を指定していても、カクンとなるトルク値は変わってしまいます。

例えば5N・mにトルクレンチを指定したとしましょう。
トルクレンチの精度がしっかり出ていれば、ハンドルの中央で持てば

きちんと5N・mになります。

で、先端で持つと、てこの原理でトルクがかかりやすいですよね。

なので5Nに指定していても、この位置で持てばより強いトルクがかかっているので、実際には5N・mに達する前にカクンとなって知らせてしまいます。

逆に根元のほうを持てば、

実際には5N・mを超えてからカクンとなるので、オーバートルクになってしまいます。

要は先端を持てば、

軽い力で強いトルクがかかっているわけです。

短く持てばその逆ですね。

トルクレンチでカクンと知らせてくれるのは、あくまでもハンドル中央を持った時の想定値なので、力点が変わればトルクレンチの意味がありません。
ほとんどのトルクレンチはハンドルの中央を持つのが正解ですが、レンチ次第で持つ位置に指定がある場合もあります。

トルクレンチの保存法

トルクレンチで強さを変えられるタイプは、原則として保管するときは一番弱いところにしておきます。
バイクハンドのトルクレンチの場合、2~24N・mまでとなっています。

一番弱いところというのはこのトルクレンチでは2N・mのところです。
ハンドルを回すと強さを変えられるのですが、構造上、回し過ぎれば2N以下になります。
このトルクレンチの場合は、2N・m以下で保存するのはNGで、あくまでも一番弱いところは2N・mになるわけです。

トルクレンチは常に正しいわけでもありません。
精度が狂えば意味が無い道具なので、本来は年に一回など点検に出すのが正解らしいですが、構造上、バネがおかしくならないように、一番弱いところで保管するのが正解。

トルクレンチは常に正しいとも限らない

トルクレンチって、プロの道具であれば定期的に点検に出しているはずです。
なぜなら、狂うから。

トルクレンチを使う理由は、締めすぎで特にカーボンパーツを壊さないために使うわけです。
でもトルクレンチが狂っていて、実際にはオーバートルクになっていたら??
意味ないですよね。

プロショップの中には、トルクレンチをさほど重視していないところもあります。
これは手の感覚で分かっているから、ということもあるのですが、要は動かない範囲でなるべく弱くという原則さえ守れば壊す可能性はほとんどないわけです。
ハンドルやステムでも、体重掛けて動かない範囲で固定できていれば問題ないので、あまりトルクレンチを使っていないショップもあります。

あと、自分の傾向というのも、一度覚えておいたほうがいいと思います。
例えば、シートポストの締めつけトルクが4N・mに指定されてたら、一度トルクレンチで4N・mまで締めます。
それからトルクレンチではないアーレンキーで緩めてみると、これは私の場合ですが、想定しているトルクよりも強く締まっていることに気が付きます。

なので私の場合、自分ではきちんと締めているつもりで、むしろ弱いことが1つの傾向となっています。
ただし、弱くても動かないならそれで十分なのです。

なので自分の感覚で4N・mはこれくらいだろとアーレンキーで締めても、そのあとにトルクレンチで4N・mに指定してさらに締めることが全然できる感じです。

これは逆の人もいるでしょう。
自分ではこれくらいかな?と思っても、実際は締めすぎという人もいます。
そういう人はトルクレンチを使ったほうが確実ですね。
あと、自分の感覚よりも弱くて大丈夫ということを知っておいたほうがいいでしょうし。

ちなみにですが、一度カクンとなったあとに、再確認でカクンとさせるとさらに締まってしまうのでしないほうがいいです。
基本的には見逃すようなカクンでもないので、普通に締めていってカクンとなればそこで終了ですね。

自分の場合ですが、傾向としてはアーレンキーで締めた場合、やや弱めになっているので、正直なところさほどトルクレンチに頼っているわけでもありません。
要は動かない状態で固定できていればそれで十分なので。
なんだかんだ、年に1回使うかどうかになってますが、自分の傾向を知っておくということも大切です。
自分の中では、4N・mは結構強く締めた状態なんだと知っていますので、それ以下でも固定できていれば十分ですし。

管理人
管理人
私の傾向はややビビリ気味です。

中には、

いろんな人
いろんな人
4N・mってこんな軽いんだ!

という感覚の人もいるでしょう。
そういう人は感覚に頼って締めると壊す可能性が高い人なので、トルクレンチでまずは自分の傾向を知っておいたほうがいいかと。

管理人
管理人
締めすぎてカーボンフォークのコラムを破壊する人もいるらしいですが、私の感覚ではあり得ないところまで締めないと出来なそうです。
人それぞれ感覚は違うので、傾向を知る目的でも持っておいて損はないでしょう。
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コメント

  1. 高はし より:

    高はしです。
    ハンドルの握るリーチで変わるって何となく違和感です。ラチェットはヘッドに入っているわけで。
    私が工場の現場に入っていた頃に先輩から言注意されたのは、二度締めと、勢いでした。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      これ、実際に計測すると、持つ位置で誤差が出ていることがわかりますよ。

  2. 高はし より:

    あ、そうか!
    ソケットの軸芯とリンクとの距離があるからですね。
    何十年ぶりかで、BMD線図とか考えちゃいました。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      詳しい原理はわかりませんが、納得されたようでなによりです。

  3. 松本一 より:

    いつも楽しく読ませていただいています。
    自身のバイクメンテのために、ショップにトルクレンチのことを尋ねたところ、指定トルクは、「そのトルクで締めなさい」という数値ではなく「その数値以上に締めると壊れますよ」という数値と聞きました。
    なので、指定トルクまで締めると、明らかに締めすぎになるというご意見でした。
    文中にもあるように、動かない範囲で弱く…というのがいいのかなぁ~と思った次第です。
    いかがなものでしょうか?

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      実際はそのとおりで、だからトルクレンチを使わないという店もあるようです。
      実際のところ、動かなければそれで十分ですし。