TWO WAY COATはロードバイクの空力を向上させるのか?静電気除去の効果とは?【インプレ】

まあぶっちゃけ、ほぼ期待していないのですが。

ちょっと前に紹介した、ツーウェイコートという、静電気を除去するというフレームコーティング剤。

ロードバイクのタイヤは、静電気が転がり抵抗に影響するのか?フレームの静電気は空力を悪化させているのか?

本当に効果はあるのか?については、かなり胡散臭い気はしています。
ですが、もし試してみて何らかの効果を感じたなら、それはそれで凄い話なのかと思い、自腹で購入してインプレすることにしましたw

TWO WAY COAT

これは元々、ずいぶん前に書いた怪しいバルブの話から始まっています。

信じる者は救われる?タイヤに発生した静電気を除去して転がり抵抗軽減?ロードバイクではどうなんでしょう?

怪しいバルブを付けることで、静電気除去効果がありタイヤの転がり抵抗が軽減するというバルブですが、怪しすぎて手を出す勇気が出ませんw
そんなとき、ある有名な大手自転車サイトにて、ロードバイク用の静電気除去コーティング剤が発売されるという記事が出ていました。
エアロリキッドSRという商品ですが、まだ発売されてないようで、待ちきれない私はいろいろと調べた結果、同じ効果がある(というか同じ販売元??)のTWO WAY COATというフレームコーティング剤を見つけたわけです。

効果としては静電気除去することで、空力を向上させるというもの。
とりあえず、コーティング剤なら害はなさそうだし、万が一効果を感じなくても、フレーム保護にいいかと甘い気持ちで買ってしまいました。

ついでに、安かったのでウェス10枚セットも。

成分はケイ素化合物、静電気防止剤と書いてあります。

白濁色のコーティング剤ですが、有効成分が沈殿するそうで、振ってから使えと書いてあります。

施工方法

施工方法がちょっと独特だなと思ったのですが、洗車後の水滴が残っている状態から塗り始めるようにと指示されています。
拭きとり用のクロスにスプレーして、フレームの水滴を取るように塗っていくようです。

ただ、私は水洗車反対派なので、どうしようか迷ったのですが、ウェットティッシュでフレームに水分を与えた状態から始めることにしました。

乾いた状態でも施工可能とあります。
ただし傷になりやすいので注意と。
恐らくは沈殿している成分が硬いのかな、と予想します。

2,3回重ねたほうがいいと書いてあったので、とりあえず2回施工。
無臭なコーティング剤だと思うのですが、今花粉症でやや臭いがわからないw
しかし、強烈な臭いとかではないです。

あと、水分がフレームに無い状態だと傷つきやすいみたいなことが書かれているのですが、感覚としてはそういう感じはしませんでした。
とはいえ、施行前に軽くフレームを濡らすように、水拭きとかしてからやったほうがいいかもしれません。

静電気と空気抵抗

この話はやや難しいので、物理を分からない人は飛ばしてインプレのほうに行ったほうがいいかもしれません。

まず、空気の性質についてです。
流体力学的には、空気は粘性流体といって、ある程度の粘度を持つ流体となります。
これがどういう意味を持つかという話です。

例えば時速30キロで走行しているロードバイクがあったとします。
そうすると空気とロードバイクの間にある速度差は、当然30キロ・・・と言いたいところなんですが、実際には空気には粘性があるため、ロードバイク付近では車体にまとわり付いているような状況になっています。
つまり、車体に接触している空気自体は、粘性でまとわりついている分、車体と空気の速度差はゼロ。

それが車体からある程度離れた距離にある空気だと、車体と空気の速度差は30キロになってきます。

この、車体にまとわりついている速度差ゼロの部分を、境界層と呼びます。

何となくのイメージ。

この境界層が、ある条件下では、速度ゼロ領域ではなくて、むしろ反転してしまいます。
空気の流れが遅くなる場所、つまりは曲面では境界層が反転して、しかも渦を巻くように作動します。
これを境界層剥離と呼び、出来た渦をカルマン渦と呼びます。

こちらがイメージとして分かりやすいと思うのですが、煙と翼の関係です。

翼の角度が上がってい、つまり空気の速度が変化する場所を変えることで、境界層剥離が起こるポイントがどんどん前に移動して言ってます。

カルマン渦が発生しているところでは、渦の中心で陰圧が生じるので、車体は渦の中心に引っ張られるように動くと考えられます。
このカルマン渦は発生しては消えて、発生しては消えてを繰り返すもので、これが空気抵抗の招待となるものかと。

で、ここに静電気がどのように関係してくるのかというと、車体に帯電した静電気と、空気中の静電気の反発が、この境界層剥離を促進しているのではないか?というところにヒントがあるようで、トヨタのアルミテープにしても、静電気を放電することで境界層剥離を起こさせない、起こるタイミングを遅らせる効果を狙っているのではないか、という話が有力です。
ただしトヨタとしても、これについてのデータを公表しているわけではないと思うので、トヨタのアルミテープもオカルトではないかという意見もあれば、スゲー違うわ!というステマ的な意見も出てくる。

今回試したTWO WAY COATにしても、やろうとしていることはそういうことなのではないかと予想します。
ただし、車とロードバイクを並列に捉えることは出来ないと思ってまして、車の場合、ボディから人間が飛び出ていることは原則あり得ません。
なので車の空気抵抗というと、車自体が対象です。

ところが、ロードバイクでは車体の空気抵抗よりも乗っている人間の空気抵抗のほうが大きいことは、誰の目にも明らか。
長い下り坂でペダリングを止めて進むときに、ブラケットポジションで下るのと、下ハンドルポジションで下るのでは、明らかに後者のほうが速いわけで。

そういう意味で、【もし、仮に、静電気除去で境界層剥離を現象させる効果があったとしても】、車に比べてロードバイクでは体感しづらいのではないかと予想します。
まさか、私自身にコーティングするわけにはいきませんしw

ただし、一つだけ可能性があるとしたら、前も紹介したIHADA。

これって、やろうとしていることは同じなんじゃないかと思ってまして、要は静電気を除去することで花粉を寄せ付けないようにしているのだろうと考えています。
そうすると、TWO WAY COATをフレームにコーティングするだけでなく、自分自身にIHADAをコーティングしてみるという手段もなくはないのかと。

ただ、何度も繰り返しますが、ぶっちゃけ胡散臭いところはあります。
胡散臭い理由についてですが、二点ありまして、まずは境界層剥離に静電気がどれくらい関係しているのか、それが空気抵抗にどれくらい関係するのかという問題。
もう一点は、このコーティング剤がどれだけ静電気を除去する能力があるのか、もしくはそもそもロードバイクのフレームにはどれだけの静電気が帯電するものなのか?ということです。

TWO WAY COATのインプレ

まず、重大なミスをしてしまいましたw

こういう効果が分かりづらそうな商品のインプレをするとき、前回と条件を変えないことが鉄則です。
しかし、チェーンなど駆動系を洗ってからこれを思いついた関係で、駆動系を洗っている分、どうしても駆動抵抗は抑えられています。

また、このタイミングでホイールがぶっ壊れるというハプニングもあった関係で、全く同じホイール(キシリウムエリートS)とはいえ、ちょっとリニューアルしてます。
ホイールについては全く同じと見ていいかもしれませんが、多少条件が変わってしまったこともあるので、5回ほど乗ってのインプレになります。
やる方法としては、1回目と2回目はフレームにTWO WAY COATを使うだけ(毎回コーティングを実施)、3回目はスポークにもコーティングを実施、4回目は乗り手にIHADAを乱れ撃ち、という順でやっていくことに。
どうしてもこの件、あくまでも体感的にどうなのか?だけでの判断にしかなりません。
走るコースは全く同じに固定します。

まず初日。
ホント大きなミスだったのは、ホイールがぶっ壊れたのと同じタイミングで施工してしまったこと。
ツーウェイコートを注文したのが2月1日、届いたのが3日、リムが壊れていることに気が付いたのは3日。

届いたことに舞い上がって、先にツーウェイコートの施工をしてから、リム破損に気が付いたという流れです。
そして施工後初走行の時は、同じホイールとはいえ使い込まれたキシエリに対し、それほど使用感がないキシエリ・・・

中古のホイールをヤ〇オクで購入したので、検品してみました。

で、走ってみたわけですよ。
正直自分で書いていても胡散臭いと思ってますが、ぶっちゃけます。

なんか、違うんですよ。

まず、うちから幹線道路に出るには、1キロ以上ひたすら下り坂なんですが、ペダリングせずに進んでいても、なんか安定感が増しているというか。
この安定感はなんだろう・・・と考えながら走ってました。

あと、横風の影響が、なんか違うんですね。
自分で書いていてもホント胡散臭いこと書いてるわと思うんですが、強い横風が吹けば、通常はその風量に応じて煽られると思うんですが、体感的に風量よりも煽られないというか。

これ、もしかしてツーウェイコートで静電気除去の効果が出ているのか?と思ったりもするのですが、余計な邪念があると単なる脳内妄想で感じている可能性もあるので、40キロ地点で休憩し、しばし瞑想。

きっと、ホイールが新調されたせいだ(と言っても中古ホイールですが)。
このように何度か念じてみたわけです。

まずですが、速度としては何ら変わりません。
変わってません。
全く速くなった感触はありません。

ホイールを変えた(と言っても、キシリウムエリートS⇒キシリウムエリートS)ことも関係するのかなとか思ったりしたんですが、リアスポークはニギニギするとむしろ壊れたホイールのほうが高い。
もしかして静電気除去効いている?と邪念が湧くのですが。
絶対に気のせいだ、邪念を拭き払え、と念じてみるしかない。

そして強い逆風のセクションに入ってみてわかったのですが、強い逆風に対しては、別に抵抗が軽いという感覚はありません。
これが当たり前だろうと、ある意味で自信を持てますw

ただ、気のせいなのか、気のせいじゃないのかすらわからないレベルで、なんか空力がいいような気がするわけです。
横風の影響は、なぜか間違いなくいいです。
偶然なのか、気のせいなのか、狂ってしまったのか、それとも製品の効果なのか、サッパリ分からず。

なので何度か乗ってみて、途中であえてコーティングしないで乗ってみるなど何度か試さないとわかんないです。

初日に感じた効果としては、

気のせい以上、明確未満な体感度で、なんか安定感が違う

このように香ばしいレベルで胡散臭い。

2回目のライド。
この日は午前中はマシだったのですが、午後から風が強く風速8mとかありました。
午前中に感じたのは、前回とほぼ変わらない印象。
ほぼというのは、なんか変に慣れてしまったのか、なんだかよくわかんない気持ちも少し含まれています。

午後の強風の中は、向かい風がもの凄かった中での感想として、

強烈な向かい風の中では、いつもと変わらずつらい

間違っても、超強風で空力がいいとか全く感じ取れません。

というよりも、静電気を測るツールがあれば、もっとわかるんだと思います。
もしくは、JAXAが主要取引先だとしているSACRAさんに風洞実験をお願いするか。

だって考えて見て欲しいんですが、スペシャライズドのワイヤーを全部取っ払うと、40キロ走って12秒早いというデータがあるじゃないですか。

40キロで12秒短縮ということは、1キロ当たり0.3秒早いんです。
これ、走ってみて【全然違う】と感じ取れない領域ですよね。

もし、仮定の話としてですが、このツーウェイコートが本当に効果的だったとしても、せいぜいこのスペシャライズドの実験レベルの効果だと思うんです。
間違っても、ギア一枚分速いとかにはならんでしょう。
そうなると、感じた効果というものは、【感じたような気がした】のか、【妄想で感じてしまった】のか、そんな程度じゃないのかと疑問符があるわけです。

しかも、同じキシエリとはいえ、ホイール変えていることもありますし。
タイヤとチューブは全く同じです。

3回目のライド。
今回はフレームだけでなくて、スポークにもコーティング剤を使ってみました。
この日、路面がウェットコンディションで状態としては最悪だったのですが、走っていて一番気持ちいなと思ったのは今回で、別に速くなったのかと聞かれると、サイコン見ても変わってない。
ただ、やっぱ安定感は増す感じがします。

だんだん、何がオカルトで何が真実なのか、よくわかんなくなってきてます。
気のせいといえば気のせいな気もするし・・・・

その後、雨の日ライドとか、コーティング塗らずにロングライドとか、IHADAを全身に振りまくとか、何回かいろいろ試した上でなんですが(たぶん7回くらい走ってます)、乗れば乗るほどなんだかわかんなくなったというのがホンネ。
気象条件も毎回違うし、厳密に全て同じ条件で乗ったわけではないのですが、結論として、初日に感じた横方向の煽りが少ない感触については、アルといえばあるかな・・・くらい。
明確にすげーぜ!という感覚については、特にありません。

というのも、最後はあえてコーティングせずに乗ってみたのですが、コーティングした時と比べて明確な差があるのかというと、よくわからず。
なんとなく、コーティングしているときのほうが安定性が高いような気もするし、気のせいかもしれないし。
ただこの日、乗る前日にコーティングしなかったというだけで、前回塗ったコーティングが効いたままなのかもしれないし、効いてないのかもしれないし。
でもそれを加味しても、最終的にはなんだかよくわからなくなったというのが本音です。

よく分からなかったのですが、雨上がりすぐに乗ったときが、一番気持ちよく走れた気がします。

雨上がり直後に乗れば、そりゃ砂だらけになりますよね。

このときは、これぞコーティングの効果か??と、何ともいえぬ感触があったのですが。
ホント表現しづらくて困るのですが、当たり前のこととして、ギアが一枚軽いなんてバカな話は一切ありません。
なんか知らないけど、安定感が増すという表現が一番シックリきそうなんですが。

読者様より、トヨタのアルミテープを試したとの声も

前の記事で紹介しましたが、自動車の分野ではやはり静電気除去による車の走行性能向上を目的に、トヨタがボディに貼るアルミテープを開発しています。
読者様はそれをロードバイクにも試されたそうです。

読者様
読者様
車に導電性アルミテープを貼っています(笑
一部効果が分かりやすい場所もあったのですが、別の車種の同じ箇所に貼っても体感出来ない場合もありました。
どちらかと言うと空力云々よりも汚れが付きにくくなるメリットがありました。

自転車にも貼ったのですが、正直サッパリ分かりません。
(フレーム単体でテストすれば数値上の違いは出るのかもしれません。
動力が人間なので明確な差(ギア1枚軽くなった等)が出ないと体感する事は難しそうです。

このメールは、まだTWO WAY COATを試す前に頂いたのですが、まあ、そうでしょうねw
この記事でも、もし私が

管理人
管理人
静電気除去コーティングの恩恵で空力が明確に良くなり、ギア1枚分は軽い

なんて書いたら、多くの人は

いろんな人
いろんな人
オカルト・・・

こう思うでしょうw

結論ですが

正直なところでいいますと、この静電気除去コーティング剤を使うことで、速くなる感触は一切ありません。
強いて言うなら、横風になんか強くなった気がする、これくらいでしょうか。
安定性が増したような気もするのですが、最終的にいうと、気のせいと言えば気のせいだし、何か感じているといえば感じているし。

気のせい以上、明確未満

こんなところかと。

で、感じている効果としては、

速くなった印象は全くないけど、なんか安定感が増す

安定感という表現が曖昧すぎるところですが、横方向への安定性がなぜか増した感じはあります。

これ、正確に効果を検証するなら、まず、コーティングナシの状態での静電気を測定し、コーティング剤施工後に静電気を測定。
これ自体は、静電気除去効果があるのか、ないのかの検証です。

空力については、コーティング剤の施行前、施工後で風洞実験しないとわかんないでしょう。
風洞実験して、有意な差が出るのかも怪しいところですけど。

体感的なところでは、何かしら違うような気がします。
所詮はそんなものです。
スペシャライズドの、ワイヤーを全部取ったら空力が改善と言うのも、40キロ走って12秒速くなるというものだったわけですが、体感できる人がいるとは思えません。

このコーティング剤、誰かに試してもらいたいところですが、どうしても試してみたいという人が居ましたら、ひっそりとお声掛けください。
というより、他人の意見が聞きたいところです。
まあ、本当に効果的なら、とっくの昔にプロ選手がやっている気もするので、かなり香ばしい商品だということは間違いありません。