クロスバイクのホイールについて質問を受けましたのでご紹介いたします。
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クロスバイクに乗っていて、ICANのカーボンホイールを付けたいのですけど、付けられますでしょうか?
お願いします。
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ご回答いたします。
まずはICANのホイールのスペックを
ICANのカーボンホイールといっても、いろんなリム高のものがあります。
基本的にはリム高が違うだけで、クロスバイクにつける上での問題点は共通なので、適当にリムハイト50mmのものをチョイスしてみます。
ICAN(アイカン)カーボンホイール クリンチャー 前後セット ロードバイク用 リム幅23mm リム高50mm 対応カセットスプロケット:シマノ/カンパニョーロ 20/24穴
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基本的なスペックとしては、あくまでもロードバイク用のホイールなので、リアエンド幅は130mmです。
そしてリムはフルカーボン。
専用のブレーキシューがついてきたり、当たり前ですがクイックリリースが付いてきます。
アマゾンでの説明を見ると、対応はシマノ9-11sと書いてあるのと同時に、9sでの使用ではスペーサーが必要と書いてあります。
これについてですが、ちょっと間違っている説明書きだと思われます。
というのも、シマノのスプロケットは8-10sまで同じ幅です。
10sはスプロケのグレードによっては、スプロケ自体に一枚のスペーサーがついています。
これはスプロケの一部なので、8-10sはスプロケ幅が同じです。
なので9sに対応しているホイールが、8sに対応しないわけがありません。
なので正確な表記をするならば、シマノ8-11s対応、8-10s使用ではスペーサーを一枚入れるが正しいでしょう。
クロスバイクにカーボンホイールを付けるうえでの問題点
エンド幅の問題
まず大前提として、リアエンド幅が130mmのクロスバイクじゃないと、このホイールを付けることはできません。
工夫すれば135mmエンド幅のクロスバイクにも付けることはできますが、個人的にはこの方法を推奨していないので紹介しません。(ちょっと危険を伴うことがあるため)
なのでまず、クロスバイクのエンド幅が130mmであることを確認してください。
どの車種なのかが書いていませんでしたので、これについてはご自身で確認をお願いいたします。
ちなみにロードバイクもクロスバイクも、フロントのエンド幅は全く同じの100mmなので、フロントホイールは付けることができます。
ブレーキの問題
カーボンリムの場合、ブレーキシューをカーボンリム用に変えなければなりません。
これについてですが、普通のアルミリムのホイールよりもカーボンリムのほうが弱いため、アルミリム用ブレーキシューをカーボンリムに使うと、カーボンリムが破損する恐れが高くなります。
そのため、このICANのホイールには専用のブレーキシューが付いてきますが、これはロードバイクのキャリパーブレーキ用のシューなので、クロスバイクのVブレーキには付けることができません。
もちろんですが、クロスバイクのブレーキをVブレーキからキャリパーブレーキに変えることは不可能です。
フレーム側のブレーキ取り付け部が全く違うからです。
私もVブレーキ用のカーボンリムのシューを探してみましたが、当てはまるのはこれくらいでしょうか。
一応、カーボンリム用のVブレーキシューです。
じゃあ、リアエンド幅が130mmならば、ホイールとこのブレーキシューを買えばいいのかというと、これについてはちょっと不安が残ります。
というのも、カーボンリム用のブレーキシューというのはいくつかのシューが販売されていますが、カーボンリムならカーボンリム用のシューなら何でもいいのかというと、そうではないからです。
ブレーキの構造を見るとわかりますが、リムをブレーキシューで挟んで止めようとします。
この時、ブレーキシューとリムの間には摩擦が起こり、熱を発生します。
これはアルミリムでもカーボンリムでも同じです。
ここからが問題で、カーボンリムの場合、カーボンリム用のブレーキシューでも、相性が悪いものもあります。
相性が悪いカーボンリムとブレーキシューを合わせた場合、カーボンリムがブレーキ熱で変形してしまうことが多々あるからです。
ロードバイク用のキャリパーブレーキと違い、クロスバイクのVブレーキはかなり強い制動力を発揮します。
ロードバイクのブレーキでは悪名高いテクトロのブレーキでも、Vブレーキなら十分すぎるほど効きます。
なので相性が悪いブレーキシューで、さらに強い制動力を発揮するVブレーキで挟んだ場合、カーボンリムがどこまで耐えきれるのかはわかりません。
これについてはメーカーに聞いても答えが出ないでしょう。
あくまでもロードバイク用に開発されているホイールなので、Vブレーキでどうなのかなんてデータはないはずです。
なのでこのブレーキシューとICANのカーボンリムが相性がいいか悪いかは、わかりません。
なので自己責任の下、自分で試してみるしかないとしかいいようがありません。
個人的にはあまりオススメしません。
私の知り合いから聞いた話ですが、あるヒルクライムレースに出た後、帰りの下り坂で前を走っていた方のカーボンリムがなぜかグシャッと潰れて、大落車したそうです。
ヒルクライムレース後の下り坂は、スピードを抑えてゆっくりと降りてくるのが普通なので、それほど大きな怪我には見えなかったと言っていましたが、カーボンリムの扱い方はアルミリムよりも何倍もシビアです。
なのでどうしてもクロスバイクにカーボンホイールを使う場合、下り坂でブレーキを当て利きみたいにする使い方はNGです。
ブレーキをかけるときは、一瞬だけシュッとかけるようなイメージです。
なので街乗りには向かなくなります。
正直なところでいうと、リム破損のリスクという怖さを知らずに、カッコよさだけでクロスバイクにカーボンホイールを使う人がいることも知っていますが、そこまで気を遣ってまで乗るのも大変だと思いますし、そのホイールを付けたいならロードバイクに買い替えてから、もしくはフラットバーにこだわるならキャリパーブレーキのついているフラットバーロードにしてからそのホイールを付けたほうがまだマシかなという印象です。
もちろんですが、キャリパーブレーキでも、カーボンリムに対して当て利きするようなブレーキングはNGなんですが。
もし紹介したブレーキシューと、ICANのカーボンリムの相性が悪かったとしても、ブレーキング一回目で壊れるということはないです。
何度も使っているうちに、カーボンリムが熱変形する可能性はあります。
そういうリスクがあるということを念頭に入れているなら、アリだと思います。
クロスバイクがディスクブレーキならば、ディスクブレーキ対応のカーボンホイールにすればリム破損のリスクは格段に減ります。
ディスクブレーキなら、ブレーキがリムを痛めることはありませんから。
ブレーキ面だけアルミのホイールならば、何ら問題なく使えます。
そういう意味では、見た目は地味ですがシマノのRS81ーc35などなら、リム破損は関係なくなります。
Shimano – RS81 C35 カーボンクリンチャーホイールセット
重量 | 1631g(ペア) |
リムハイト | 35mm |
対応タイヤ | クリンチャー |
23cタイヤ | 〇 |
スポーク数 | 16/21 |
対応スピード | シマノ8-11s |
リムハイトが35mmなのでICANの50mmよりはインパクトが薄れますが、安全性とホイールの耐久性をとるならRS81でしょう。
ホイールとしての性能も、RS81のほうが上です。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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