このような失敗談がありまして。
たとえば「M6の六角穴付ボルトの六角穴の径 (=使うレンチの径) は5mm」というのがフツーの規格らしいんです:
正確には、ISO 4762 (= JIS B1176) とのこと。
でも実際には、自転車では5mmレンチだったらM5も多いようですね。実際、引用サイトを良く読むと「これ以外のサイズもあるよ」とあります。
そもそも、私のアーレンキーには、親切にも「M6は5mmレンチだぜ」って書いてあったのが出発点です:
なんだよ! って感じです。「ねじの直径を計らない限り、断定できない」のが正解。
あと、初心者(と言うか少し前の私)には「六角穴付ボルト」と「六角穴付ボタンボルト」が紛らわしいでしょうかね。
ボルトだけ買うことは、意外と少ないのかも知れませんけど、この話題、検索しても見つけられませんでしたので、記事にする価値があるかも知れません。クロスバイク買う前に、入門書3冊くらい目を通しましたけど、ボルトの件は初耳でした。
参考リンク
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61brfiStCyL._AC_SL1217_.jpg
正直なところ、私もこの分野は全く詳しくないのですがw
というよりも、ボルトだけ買う必要が生じることがレアケースとも言えます。
この方の失敗談は、アーレンキーのサイズでボルトを買ったら、全然合わなかったという話です。
Contents
ボルトの規格
ボルトのサイズは、Mなんとか(なんとかは数字)で表されます。
これの表記法ですが、例えば【M5×10】というボルトがあったとしますよね。
M5 × 10
・M5⇒ボルトの直径(mm)
・10⇒ボルトの長さ(mm、ねじ山部の長さ)
「ねじ部の呼び径」×「呼び長さ」で表すことが多いようです。
で、読者様も書いているように、ボルトの直径(M5など)によって、一般的には使用する六角レンチのサイズまで決まるようです。
こちらが一例。
ネジ呼び径 | M4 | M5 | M6 | M8 | M10 |
使用レンチ | 3 | 4 | 5 | 6 | 8 |
このようになっているから、使用する六角レンチが5mmなら、M6ボルトを買ってくればいい・・・と思って買ってきたけど、自転車ではそれが当てはまるとは限らないようで。
実際にはM5ボルトを買う必要があったのに、使用レンチからM6を買ってきたという失敗談のようです。
六角レンチは頭の部分を見て合うものを使うわけですが、そこだけ見て買ってくると間違いますよーということです。
六角穴付きボルトと、六角穴付きボタンボルトの違いですが、まずはこちら。
これが六角穴付きボルト。
そしてこちらが、
六角穴付きボタンボルトです。
うちにあったものをいくつか見たのですが、例えばTIMEのクリートを止めるボルトは、
六角穴付きボタンボルトです。
ステムとハンドルのところにあるのは、
六角穴付きボルトになっています。
六角穴付きボタンボルトのほうは、頭が低く抑えられるので、頭部を低くしたい場合や頭部を目立たせたくない場所に主に使用される傾向があるとのこと。
また六角穴付きボタンボルトの場合、六角穴付きボルトよりも六角穴が小さいことが多く、JIS規格よりもメーカー規格が多いようです。
ネジ呼び径 | M4 | M5 | M6 | M8 | M10 | |
六角穴付きボルト | 使用レンチ径 | 3 | 4 | 5 | 6 | 8 |
六角穴付きボタンボルト | 使用レンチ径 | 2.5 | 3 | 4 | 5 | 6 |
ボルトを買うときの注意点
何らかの理由でボルトを買うときは、素直にボルトのネジ部の直径と、長さを測ってから買うのが正解です。
また、ステムーハンドル部のように、均等に締める必要があるところについては、六角穴のサイズも確認してから買うこと。
この話題、調べてみると結構マニアックなほどいろいろ書くことがありそうなんですが、たぶん多くの人には興味がないというか読む気が失せそうな話題だったりするので、とりあえずはここだけ覚えておけばいいです。
・六角穴のサイズ
・ボルト径
・ボルトの長さ
・頭の高さ
これを確認してから買うこと。
とりあえずはこれでほぼ間違いないです。
正確には、ネジ山のピッチ(粗さ)なども考慮すべきなんですが、今はあまり関係ないらしい。
ネジ山のピッチが、並目と細目という分類もあるようなのですが、一般に流通しているものはほぼ並目と考えていいそうで。
これらについては、わからないなら現物合わせしたほうがよい。
もしくは、プロショップに丸投げ系ですねw
私が使っているステムは、TNIのヘリウムというアルミの超軽量ステムです。
驚くことに、100mmで90gとかしかありません。
で、ステムのところには2本のボルトがありますが、TNIのものは、実は六角ではなくトルクスです。
ここにアーレンキーを突っ込んでも、何もできません。
トルクスレンチが無いと何もできない。
ここ、もし一本ボルトが折れたとして、一本だけ六角ボルトとかにすることも可能なんでしょうけど、上下でトルクが変わってしまいそうな。
気にしすぎかもしれませんが、こういうところは上下で同じトルク管理したほうがいいと思うので、同じ規格で揃えたほうが確実。
前から気になっていたのですが、シマノのデュラエース~105グレードのブレーキシュー(R55C4)なんですが、シルバーとブラックの二種類があります。
こっちがシルバー。
こっちがブラック。
もちろん、シルバーとかブラックとかは、単にボルトの色です。
で、シルバーを買うと、プラスネジになってます。
ブラックを買うと、こちらは六角ボルトになってます。
これが何でなのか、いまだに理由を知らないのですが。
知っている方がいましたら教えてください。
ずいぶん昔に、初めてブレーキシューを交換しようとしたとき。
完成車についていたのはプラスネジだったのでドライバーで開けて、新しいシューに交換しようとしたら、プラスドライバーが掛からなくて、頭の中が???となったのを思い出します。
まあ、どうでもいい話なんですが。
この話題を提供してくださった方からはほかにもいろいろ情報を頂いているのですが、調べてみると結構マニアックなほどややこしいところもありました。
実際のところ、先ほども書いたように、
なので、
・六角穴のサイズ
・ボルト径
・ボルトの長さ
・頭の高さ
これを確認してから買うこと。
これが大切ですね。
JISとかISOとかそういうところについては、上で挙げたリンク先を見てもらったほうがよろしいかと(手抜き感)。
手抜きというか、ここを書きだすと結構ややこしいので。
で、ボルトを無くすことはあまりないので、ボルト単体で買うとなると、錆びの問題が大きいと思います。
そういう意味では、時々グリスアップして錆止めの効果を狙うとか、そういう工夫も必要。
一応トルクレンチも持ってますが、
トルクレンチも完璧ではないので、注意が必要です。
指定トルクで締めればいいのではなくて、指定トルク以下で管理しろという意味です。
指定トルク以下でも、動かないほどに固定されていればそれで十分。
BIKE HAND(バイクハンド) YC-617-2Sコンパクトトルクレンチ ブラック
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
作業や見た目からだと、六角穴に目が行く訳ですが、「締結」という機能からは、ネジ径と首下寸法が大事なわけで。よく先輩から「M4の首下25をくれ~。並目だぞ~」なんて、声かけあっていました。
頭の形と工具の寸法は、まわりとの取り合いやデザインの都合でしょうから。もともとは、ボルトの谷径よりも細い径の工具を使うことで、自動機での組み付け時にネジ切らないで済むのか狙いだと聞いたことがあります。
そういえば、最近のパーツって、細くなってません?昔は4ミリの六角(M5)を使うのはボトルケージくらいだったのに、シートピンもM5なのですね。
コメントありがとうございます。
あまりネジ径とか気にしてなかったので、どこが何ミリなのかとか全く把握していないのですが(笑)、六角穴基準で選ぶと痛い目に遭うということですかね。
デザインとの兼ね合いでも確かに変わりうる・・・となると、ホント現物を測るしかないんでしょうね。
自分もステムのボルトが錆び始めた時期に、ハンドル側の4本とフォーク側の2本を交換しました。
錆びに気づいてからボルト全体に広がるまであっという間でした。ネットで調べてもよくわからず。
ステムのボルトを全部外してみて6本同じなのを確認し、1本を財布に入れて近くのホームセンターへ。
ネジばら売りのとこで店員さんに見せると秒速で見つけてもらい、6本全てアルミ製に交換。
錆びがでない=ネジバカにならないのでメンテ(バーテープ交換など)も安心です。
コメントありがとうございます。
まあ実際、プロ(?)に確認するのがベストですね。
現物合わせが間違いない。
お節介かもしれませんが怪我をしてからでは遅いので、
アルミ製のネジを力の掛かる部分に使うのはリスクが高いです。
スチール製に比べて強度が低すぎます。
それと伸びないので前触れも無くいきなり飛びます。
怪我をする前に交換するべきだと思います。
コメントありがとうございます。
もちろんそれは承知してますし、アルミネジを勧めるような内容も書いておりません。
ありがとうございます。
紛らわしい書き方で申し訳ありません。
管理人さんの対応について書いたわけではありません。
〇〇さんが知らずに使って怪我をしたらよくないので、
お節介を承知で書き込んだ次第です。
ところで、PCだと画像認証が出やすくなりましたが、
スマホだと逆に出にくくなった気がするのは私だけでしょうか?
※一部管理人判断で伏字にしました。
コメントありがとうございます。
大変申し訳ありませんが、特定の方を名指しするのは好ましいと思わないので、一部伏字に変えさせていただきました。
強度などについては別記事でまとめます。
画像認証ですが、法則性についてはちょっとわかりません。
私の環境では常に問題なさそうなんですが・・・
ボルトの場合は、サイズ以外にも重要な規格があります。
強度区分と言われるもので、ネジの引っ張り強さを表します。
自転車の部品でも、スペースや重量軽減などの理由から、
引っ張り強度の高いボルトを使いワンサイズ細くしたボルトを使う場合があります。
その場合は、ボルトの太さに対し締め付けトルクが高めになっています。
そのような場所で、通常ボルトを使うと破断したりするので注意が必要です。
あと、力が掛かる場所にチタン製やアルミ製のボルトを使うのも事故に繋がるので、
お勧め出来ません。
ショップでも知らなかったりするのはこの業界の安全に対する意識の低さかなと。
コメントありがとうございます。
チタンボルトですが、正直なところ【モノによる】というほうが正確なのではないかと思います。
こちらでも触れていますが、
http://okitsurasen.seesaa.net/article/456722053.html
これは後日まとめる予定でいましたが、きちんとしたメーカーのものであれば、強度はそれなりに保たれているようです。
ただし、チタンボルトに変えたい人の主な目的は軽量化だと思います。
バイク全体の重量から見て、大きく変わるようなものではないので、費用対効果なども勘案しても、メリットはあまり無いかと考えています。
物によるは合ってると言えば合ってるのですが、現実を考えると間違っています。
例えば、ホームセンター等で買える一番強い12.9という区分のボルトがあるのですが、
これは細かいことは抜きにすれば1200MPaに耐えます。
チタンの場合は一般の人が購入出来るボルトでは、およそ900MPaが最大強度です。
1600MPaクラスのチタンボルトまで存在はするのですが、非常に高価な上、一般の人は購入出来ません。
ですので、チタンボルトでは強度が足りないこともあるということです。
コメントありがとうございます。
実際どれくらいの強度や値段なのかについては、また後日まとめます。
情報ありがとうございました。
自分もちょこちょこボルトとかナットとか交換するんですよね。
自分は基本的に元のをホームセンターに持っていって、現物合わせで買います。自分が行くところはテストボード(ボルトの場合はプラ板に開けた穴にナットが固定、ナットの場合はプラ板にボルトが固定)が置いてあるので、それでサイズを調べて買います。
コメントありがとうございます。
テストボードがあるのは便利ですね。
結局、通販で買うよりもホームセンターで現物合わせがベストですね。