前にも書いた内容ですが、

異音の特定は、結構難しいところです。
ホンキで分からない場合も。
異音特定のマニュアルみたいなのがあればいいよね、みたいな話をいくつか貰ってましたので、簡単にまとめてみました。
Contents
異音の発生源
異音はどこから発生するのか?という観点で見ていくと、簡単に言えば全部です。
異音発生源 | 詳細 |
フレーム、フォーク | 割れ、何かの干渉 |
ヘッドパーツ | ベアリングの異常、緩み、コラムの異常 |
駆動系 | チェーンの干渉(FDなど)、BBのベアリング、クランクとケイデンスセンサーの干渉、チェーン自体の異常、などなど |
ペダル | 割れ、クリートの緩み、ベアリングの異常 |
サドル、シートポスト | 割れ、緩みなど |
ホイール | スポークの接触交差、バルブのカタカタ音、ベアリングの異常、リムの異常、クイックの異常など |
挙げていけばキリがないほど。
異音が気になるなと思ったときに、これらをイチイチチェックしていくのはさすがに効率が悪い。
なのである程度目星をつけて、そこを重点的に見ていくわけです。
異音特定チャート
音の性質
まずは音の性質から。
音の性質 | 発生源 | 見るべきポイント |
金属系の異音 | 金属同士が擦れ合う箇所 | ぶっちゃけよくわからないことが多い |
樹脂系の異音 | 樹脂同士が擦れ合う箇所 |
音の性質から、金属っぽいのか、樹脂っぽいのかを確認するところから始めます。
ただこれ、正直よく分からないことのほうが多いです。
なので何となく、金属っぽいな・・・くらいに留めて、あんまり気にしなくてもよい。
シッティングorダンシングでの違い
続いては、シッティングとダンシングでの異音の違いを。
シッティングorダンシング | 発生源 | 見るべきポイント |
ダンシングで異音が減少・消える | サドル・シートポスト | ダンシングではお尻を上げているので、サドルとシートポストへの負荷がゼロになる。従ってサドルとシートポストの緩みや割れなどを見ていく |
ダンシングで異音が変わらない | 上記以外 | 上記以外 |
ダンシングで異音が強くなる | ペダル、BB、ハンドルステム、ヘッドなど | ダンシングではペダルなどへの負荷が強くなるが、続くペダリングとの同期も含め見ていく |
信頼性が高い検査法ですが、ダンシングとシッティングでの異音の違いを分析します。
ダンシングで異音が消える場合、サドル・シートポストあたりを重点的に見ます。
前のケースでも、

サドルのレール受けの問題で異音が発生していたようです。
ペダリングと同期するか
続いてはペダリングとの同期。
ペダリングとの同期 | 発生源 | 見ていくポイント |
ペダルが特定の位置でのみ異音がなる | クランクとセンサーの干渉、ペダル自体の問題、BBなど | 踏み込んだ瞬間になるならペダル付近を疑う、それ以外は異音が鳴るペダルの位置で考える |
ペダルの位置と異音は関係しない(ペダリングはしている) | いろいろ | |
ペダリングを止めても異音が鳴る | コンポ系(クランクやBBなど)を除外 | 他の要素と合わせて考える |
ペダリングを止めると異音がなくなる | クランク、BB、ペダルなど | ←チェック |
片足ペダリングでの異音の変化 | ペダル付近 | ペダリングで異音が鳴る場合に、片足ペダリングでの変化を見る |
まず、ペダリングを止めると異音がなくなる場合が分かりやすい。
この状態で動いてないのは、ペダル、クランク、BBなど。
なのでほぼこれらで確定します。
ペダルが特定の位置にあるときに異音が鳴るようなら、その位置で何が起こっているかスタンドで確認。
意外と、単にクランクとセンサーが干渉しているだけという話もあるので。
ペダルが疑われるときに有効なのは、片足ペダリングでの異音の変化です。
ただし、片足ペダリングではそれほど強いトルクが掛からないので、分かりづらいことも。
ペダルが疑われる場合は、予備ペダルがあれば付け替えて異音がどうなるかの確認をするのが早いです。
一番当てにならないのは、【音の方向】、【速度域での変化】などかなと思います。
【音の方向】というのは、何となくペダル付近から聞こえるとか、そういう奴です。
実際、フレームで共鳴してヘッドの異音がBB付近に感じるケースもあります。
速度域での変化は、例えば速度が上がると異音が消えるみたいな話。
これは単純に、速度が上がれば風切り音が強くなって分かりづらいだけのこともあるので、ほぼ役に立たない気がします。
参考程度に捉えるのはいいですが、あんまり音の方向とかにこだわると、見逃す率が高いかなと・・・
ちなみに、過去にペダルが寿命で割れたことがありますが、
そのちょっと前から、なんか変な音がすることがあったような・・・
https://roadbike-navi.xyz/archives/4733/
ただどちらかというと、やたらと脱げやすい感覚が強くて、クリートの磨耗だと思ってました。
左コーナーリングで右足が勝手に分離することが多かったような。
ペダルの異常を疑う場合は、ペダルのベアリングのほうが経験的に多い気がします。
ありがちな単純な異音
センサーの干渉
クランクのマグネットと、センサーが干渉しているケース。
スポークのマグネットとセンサーが干渉しているケースです。
これらは、スタンド上でクランクを回しても再現性があることが多いかと。
これ、コーナーリングで傾けたときだけ、ホイールが横方向に動いて、センサーとスポークマグネットが干渉することもあるので、要注意。
センサーとマグネットのクリアランスをチェックすることが大切です。
あと、携帯ポンプが走行中に振動で伸びて、クランクと干渉していたことがありました。
こういうのは気が付きやすいです。
バルブのカタカタ音
これは特にリムナットがないチューブの場合ですが、バルブが走行振動によって揺れて、リムと当たってカタカタ鳴るものです。
これが疑われる場合は、バルブに何か巻いて厚くするとかですかね。
テープでも巻けば、厚くなってカタカタ鳴らなくなりますが、厚くしすぎるとチューブを取り外すことが困難になりかねないので注意。
サドルバッグとか、ボトルとか
サドルバッグやボトルが揺れて異音のケースですが、これは分かりやすいと思います。
ボトルの種類によっては、ボトルケージとの相性が悪く、カタカタ鳴ることも。
うやむやにしない
異音は単に気持ち悪いだけでなく、何か重大な問題のサインであることも多いので、異音が発生したらまずは原因を究明することです。
先日、ちょっと前輪のほうで異音がする気がする・・・と思ってましたが、

ガムでもタイヤに張り付いているのかと思ってチェックしても、特になく。
原因は、タイヤに針金が刺さっていたからでした。
極小の異音だったのですが、よくこれでパンクしないなと・・・
異音がいつのまにか消えた・・・というのも、必ずしも安心できるわけでもないので、どのような状況で異音が発生するかを調べて、疑わしいところをみても解決しないようなら、プロショップで見てもらったほうが確実です。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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